アプリUIを競合分析から外注するには?他社と似せず成果につなげる依頼準備

デザイン系の依頼

アプリの企画を進めるとき、競合アプリを参考にして画面を作ることがあります。

しかし、人気アプリの配色やレイアウトをそのまま取り入れるだけでは、競合と区別しにくいUIになります。反対に、差別化を意識しすぎて独自の操作方法を増やすと、利用者が迷う原因になります。

競合分析で確認するべきなのは、見た目の好みだけではありません。

利用者、主要機能、登録までの流れ、課金方法、継続利用の仕組みまで比較し、自社アプリで残す慣習と変える部分を整理する必要があります。

現役デザイナーがアプリのUI/UXデザインをします

 

アプリUIの競合分析はデザインをまねる作業ではない

競合分析の目的は、他社と同じ画面を作ることではありません。

比較することで、利用者がすでに慣れている操作と、改善できる不便を見つけます。

たとえば複数の予約アプリで、画面下部に「検索」「予約履歴」「お気に入り」「マイページ」が並んでいるとします。

これは単なる流行ではなく、利用頻度の高い機能へ移動しやすくするための構成かもしれません。

一方、どの競合アプリも予約完了までに多数の画面を通過するなら、入力項目や確認手順を整理することで差別化できる可能性があります。

競合分析では、次の2つを分けて考えます。

  • 利用者が慣れているため残した方がよい操作
  • 利用者の負担になっているため改善できる操作

色や装飾だけを見るのではなく、利用者が目的を達成するまでの流れを比較することが重要です。

最初に比較する競合を3種類に分ける

競合分析では、同じカテゴリのアプリだけを集めると、似たデザインしか見つからないことがあります。

比較対象は、次の3種類に分けます。

直接競合

対象者、機能、料金体系が近いアプリです。

たとえば美容室予約アプリを作るなら、同じように店舗検索と予約機能を提供しているアプリが直接競合になります。

確認する項目は次のとおりです。

  • 主要機能
  • 会員登録の方法
  • 検索条件
  • 予約までの画面数
  • 料金や手数料
  • 口コミの見せ方
  • お気に入りや履歴
  • 通知の使い方

間接競合

同じ目的を別の方法で解決するサービスです。

美容室予約アプリの場合、店舗へ直接電話する方法、検索サイト、SNSのDM、店舗公式サイトなどが間接競合になります。

アプリ同士だけを比べると、利用者がアプリを使わない理由を見落とします。

「電話の方が早い」「SNSで雰囲気を確認してから予約したい」といった代替行動も整理してください。

参考サービス

業種は異なっても、参考にしたい操作を持つアプリです。

  • 検索条件の選び方が分かりやすい
  • 初回登録が短い
  • 商品比較がしやすい
  • 決済までの流れが自然
  • 継続利用を促す仕組みがある

参考サービスは、デザイン全体ではなく、特定の機能や操作だけを参考にします。

競合アプリで比較する10項目

画面を眺めるだけでは、分析結果をUI制作に活用できません。

同じ項目で各アプリを比較します。

比較項目 確認する内容
ターゲット 年齢、職業、利用目的、利用場面
最初の画面 起動直後に何を見せているか
会員登録 登録前に使えるか、入力項目はいくつか
主要機能 最も目立つ場所に何を配置しているか
検索・絞り込み 利用者が条件を指定しやすいか
CTA 予約、購入、登録などのボタンが分かりやすいか
料金表示 課金前に条件を理解できるか
エラー表示 入力ミスや通信失敗から復帰しやすいか
継続利用 通知、履歴、保存、特典などがあるか
独自性 他社と異なる機能や見せ方は何か

スクリーンショットを集めるだけでなく、実際に操作して、目的達成までの手順を書き出します。

たとえば会員登録なら、次のように記録します。

  • 登録開始までのタップ数
  • 入力する項目
  • SNSログインの有無
  • メール認証のタイミング
  • 利用規約の確認方法
  • 登録後に表示される画面

数値化できる項目をそろえると、感覚だけに頼らず比較できます。

自社アプリの目的を1つ決める

競合を分析する前に、自社アプリで最も重要な行動を決めます。

目的が複数ある場合でも、主要な行動を1つ選びます。

  • 商品を購入してもらう
  • 店舗を予約してもらう
  • 無料会員へ登録してもらう
  • 有料プランへ申し込んでもらう
  • 問い合わせを送ってもらう
  • コンテンツを継続して閲覧してもらう
  • 毎日の記録を続けてもらう

主要な行動が決まっていないと、すべての機能が同じ強さで表示されます。

予約が目的のアプリなら、「予約する」ボタンを中心に設計します。

記事を読むことが目的のアプリなら、コンテンツの発見、保存、次の記事への移動を優先します。

アプリの画面ごとに、利用者へ取ってほしい行動を1つ設定してください。

競合の良い部分と悪い部分を分けて記録する

競合アプリを調べるときは、「参考にしたい」という感想だけで終わらせません。

良い部分と不便な部分を分けて記録します。

画面 良い部分 不便な部分 自社での対応
ホーム 主要機能が上部にある 情報量が多い 機能を3つに絞る
検索 条件を細かく指定できる 初期設定が複雑 よく使う条件を先に表示
詳細 写真が見やすい 料金の場所が分かりにくい 価格を画面上部へ移動
登録 SNSログインに対応 必須項目が多い 登録後の追加入力へ分ける
購入 合計金額が明確 戻ると入力が消える 入力内容を保持する

自社での対応まで決めることで、分析結果をワイヤーフレームやUIへ反映できます。

競合と同じにする部分、変える部分を決める

すべてを独自にする必要はありません。

アプリの操作には、利用者が慣れている形があります。

同じにした方がよい可能性がある項目は次のとおりです。

  • 戻るボタンの位置
  • 検索アイコン
  • メニューの開き方
  • 入力欄の見せ方
  • エラー表示の位置
  • 購入前の確認画面
  • 完了後の案内

差別化を検討する項目は、事業の特徴と結びつけます。

  • 検索条件
  • おすすめの出し方
  • 商品や店舗の比較方法
  • 初回登録の短さ
  • 予約変更のしやすさ
  • 継続利用の仕組み
  • 専門情報の見せ方
  • 有料プランの価値説明

変える理由が説明できない独自操作は、使いにくさにつながる可能性があります。

「他社と違うから」ではなく、「自社の利用者が目的を達成しやすくなるから」という理由で判断します。

マーケティング視点でUIを見る

UIは、見た目を整えるだけの作業ではありません。

利用者がアプリを知り、登録し、機能を使い、継続利用するまでの各段階を支える役割があります。

利用段階 UIで確認する内容
初回起動 何ができるアプリか短時間で分かるか
会員登録 入力負担が大きすぎないか
初回利用 最初に何をすればよいか示されているか
機能利用 目的の機能へ迷わず移動できるか
購入・申込み 料金や条件を理解して進めるか
継続利用 履歴、保存、通知など再訪の理由があるか
離脱防止 エラーや入力中断から戻りやすいか

競合より目立つ画面を作ることより、各段階で利用者が止まる原因を減らすことを優先します。

外注する範囲を決める

アプリUIの外注は、完成済みのワイヤーフレームをデザインする方法だけではありません。

現在の準備状況に応じて、依頼範囲を選びます。

依頼範囲 向いている状態
UIデザインのみ 機能、画面構成、文章が決まっている
競合分析とUI制作 方向性や差別化を相談したい
要件定義から依頼 必要機能や画面数が固まっていない
UI制作とコーディング デザイン後の実装も相談したい
ストア画像まで依頼 公開時のスクリーンショットも必要

見積もり時には、どこまで依頼したいかを明確にします。

「競合分析もお願いします」と伝えるだけでは、簡単なデザイン調査なのか、機能や料金体系まで比較するのか分かりません。

調べてほしい競合、比較項目、最終的に決めたい内容を伝えてください。

現役デザイナーがアプリのUI/UXデザインをします

 

外注前に用意する資料

競合分析から相談する場合でも、発注者側で最低限の情報を整理する必要があります。

用意したい項目は次のとおりです。

  • アプリやサービスの概要
  • アプリを作る目的
  • 想定している利用者
  • 最も重要な行動
  • 予算
  • 希望納期
  • 対応端末
  • 必要だと考えている機能
  • 現在のワイヤーフレーム
  • 参考にしている競合
  • 競合と変えたい部分
  • 希望する納品形式
  • コーディングの要否
  • 実績掲載の可否

競合をまだ選べていない場合は、同じカテゴリで知っているアプリを数個伝えます。

「競合はありません」と判断せず、利用者が現在どの方法で問題を解決しているかまで考えてください。

予算が限られる場合は主要画面から依頼する

競合分析を行った後、すべての画面を一度に制作する必要はありません。

最初に、事業成果へ影響しやすい主要画面を選びます。

  • ホーム画面
  • 商品・店舗の一覧
  • 詳細画面
  • 会員登録
  • 予約・購入画面
  • 料金プラン
  • 完了画面

この中から3~5画面を選び、配色、文字、ボタン、カード、入力欄などの基本ルールを決めます。

主要画面でルールを作れば、構成が近い下層画面へデザインを流用できる場合があります。

今回紹介しているサービスでは、主要画面は1画面25,000~40,000円、デザインを流用できる画面は10,000円からが目安として案内されています。

要件定義や競合分析を含む場合は、画面数だけではなく稼働時間による見積もりになるため、予算上限を先に伝えることが重要です。

今回のサービスで相談できる内容

今回紹介しているサービスでは、ネイティブアプリとWebアプリのUI/UXデザインに対応しています。

掲載内容では、次の作業が案内されています。

  • ターゲットやユーザー心理を考慮したUI/UXデザイン
  • 要件定義
  • ライバル分析を踏まえた提案
  • Figmaファイルでの納品
  • JPEG・PNG画像での納品
  • HTML・CSS・JavaScriptのコーディング
  • ストア掲載用スクリーンショット制作
  • WebアプリなどでのSEOを考慮した提案

主な料金目安は次のとおりです。

内容 掲載されている目安
主要画面 1画面25,000~40,000円
流用可能な画面 1画面10,000円から
要件定義 稼働時間に応じて見積もり
実績掲載不可 1画面1,500円から

無料修正回数は無制限と案内されていますが、着手後の大幅な修正や要件変更は別見積もりとなります。

修正回数が無制限でも、制作開始後に機能や画面構成を大きく変えられるわけではありません。要件、ターゲット、予算を着手前に整理してください。

見積もり相談で送る文章の例

競合分析を含めて依頼する場合は、次のように情報をまとめます。

  • アプリ概要:20~40代向けのコスメ検索Webアプリ
  • 目的:条件に合う商品を見つけ、販売ページへ移動してもらう
  • 主な利用者:成分や肌質から商品を探したい人
  • 主要な行動:条件検索から商品詳細を確認する
  • 競合候補:コスメ口コミアプリ、ECサイト、美容情報メディア
  • 困っている点:競合と同じ商品一覧になり、違いを出せない
  • 相談したい範囲:競合分析、要件整理、主要3画面のUI
  • 希望画面:検索、商品一覧、商品詳細
  • 対応端末:スマートフォン
  • 希望形式:Figma
  • コーディング:別途見積もりを希望
  • 予算:○万円以内
  • 希望納期:相談
  • 実績掲載:不可または可

競合名だけでなく、現在困っている点と、分析後に決めたいことを書いてください。

競合分析を外注するときの注意点

人気アプリの見た目だけを参考にする

人気の理由がUIだけとは限りません。

知名度、商品数、価格、広告、既存会員などの条件も異なります。

自社と同じ規模、ターゲット、収益方法を持つ競合を優先して比較します。

競合の機能をすべて追加する

競合が持つ機能をすべて入れると、開発費と画面数が膨らみます。

利用者の主要目的に必要な機能から選んでください。

差別化のために操作方法まで変える

独自のボタンやメニューを増やすと、利用者が操作方法を学ぶ必要があります。

差別化は、機能、情報、提案内容、利用後の結果で行い、基本操作は分かりやすさを優先します。

要件を決めずにデザイン制作を始める

制作途中でターゲットや機能が変わると、画面全体の作り直しが発生します。

少なくとも予算、目的、利用者、主要機能は着手前に決めてください。

まとめ

アプリUIの競合分析では、配色や装飾だけでなく、利用者が目的を達成するまでの流れを比較します。

分析する項目は次のとおりです。

  • ターゲット
  • 最初に表示される画面
  • 会員登録
  • 主要機能
  • 検索や絞り込み
  • 予約や購入までの導線
  • 料金の見せ方
  • エラー時の対応
  • 継続利用の仕組み
  • 競合との違い

競合と同じにする部分と、事業の強みを使って変える部分を分けることが重要です。

現役デザイナーがアプリのUI/UXデザインをします

 

アプリの目的、ターゲット、競合候補、予算、主要画面を整理し、競合分析、要件定義、UIデザイン、コーディングのどこまで依頼するか見積もりで確認してください。

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