券売機を導入していても、商品が探しにくい、人気商品が埋もれている、価格変更やボタン追加の方法が分からないという問題は起こります。
特にタッチパネル式では、表示できる情報量が多いため、商品を増やすほど使いにくくなることがあります。
券売機の改善で重要なのは、画面を派手にすることではありません。
お客様が短時間で商品を見つけ、迷わず購入できるように、カテゴリー、写真、商品名、価格、ボタンサイズを整理することです。
この記事では、券売機の画面や商品ボタンのデザインを依頼するときの考え方、改善すべきポイント、依頼前に準備する情報を解説します。
券売機の画面は「メニュー表」と同じ作り方では足りない
券売機の販売画面と紙のメニュー表は、似ているようで役割が異なります。
紙のメニュー表は、席に座って時間をかけて比較できます。
一方、券売機は入口付近で操作されることが多く、後ろに別のお客様が並んでいるケースもあります。
そのため、券売機では次の要素が特に重要です。
- 商品をすぐ見つけられる
- 価格をすぐ確認できる
- 売り切れ商品を間違えて選ばない
- トッピングを追加しやすい
- 戻る操作を繰り返さなくてよい
- 人気商品が分かりやすい
- 初めての来店でも操作できる
見た目の美しさだけではなく、購入までの操作回数まで考える必要があります。
券売機画面で起こりやすい7つの問題
商品数が多すぎて目的の商品を探せない
1画面に大量の商品を並べると、選択肢は増えますが、探す負担も増えます。
たとえばラーメン店なら、
- 定番ラーメン
- 特製メニュー
- つけ麺
- ご飯物
- トッピング
- ドリンク
のように分ける方法があります。
商品の種類が多い場合は、すべてを最初の画面に並べるより、カテゴリーを明確にした方が探しやすくなります。
人気商品と通常商品が同じ大きさ
店舗側が最も売りたい商品でも、他の商品と同じサイズ、同じ色で並んでいると埋もれます。
人気商品や看板商品には、
- ボタンサイズを大きくする
- 写真を付ける
- おすすめ表示を入れる
- 最初の画面に配置する
といった差を付けます。
ただし、複数の商品をすべて強調すると効果が薄くなるため、優先商品を絞る必要があります。
商品名が長すぎる
券売機では表示領域が限られています。
正式名称をそのまま掲載すると、文字が小さくなったり、途中で改行されて読みにくくなったりします。
たとえば、
「国産豚肩ロース使用 特製濃厚味噌チャーシュー麺」
という商品名をそのままボタンへ入れるより、
「特製味噌チャーシュー麺」
と短く表示し、必要に応じて別の場所で特徴を伝える方が操作しやすくなります。
色の意味が統一されていない
赤、青、黄色、緑などを無計画に使うと、目立つ画面にはなりますが、探しやすい画面にはなりません。
色を使う場合は役割を決めます。
たとえば、
- 赤:おすすめ・人気商品
- 青:ドリンク
- 緑:トッピング
- グレー:売り切れ・選択不可
のように一定のルールを作ります。
写真が小さく料理の違いが分からない
写真を載せても、小さすぎると判断材料になりません。
特に、
- 通常商品と特製商品の違い
- トッピング量の違い
- 並盛と大盛の違い
- セット内容の違い
などは、写真または説明で差が分かるようにします。
トッピングまでの操作が複雑
主商品を選んだ後に、トッピング画面へ移動し、さらに戻ってドリンクを選ぶような構成では操作回数が増えます。
追加購入を増やしたい場合は、メイン商品の購入動線に沿って、
- 主商品
- サイズ
- トッピング
- サイドメニュー
- ドリンク
の順に案内する方法があります。
メニュー変更を繰り返して配置が崩れている
新商品を追加するたびに空いている場所へボタンを置いていると、カテゴリーが混在します。
半年以上継ぎ足し変更をしている場合は、一部修正ではなく全体配置から見直した方がよいケースがあります。
ボタン式とタッチパネル式では改善ポイントが違う
券売機には、大きく分けて物理ボタン式とタッチパネル式があります。
| 項目 | ボタン式 | タッチパネル式 |
|---|---|---|
| 表示面積 | 制限が大きい | 画面切り替えが可能 |
| 商品追加 | ボタン数に左右される | ページ追加で対応しやすい |
| デザイン | ボタンラベル中心 | 写真やカテゴリー画面を作りやすい |
| 変更作業 | 印刷・カット・差し替えが必要な場合がある | データ変更や設定作業が中心 |
| 注意点 | ボタン位置とサイズ | 画面遷移と操作性 |
どちらも「商品を並べれば完成」ではありません。
機種や設定方法によって作業内容が変わるため、デザインを依頼するときは、使用している券売機のメーカー名と型番を伝える必要があります。
見やすい券売機画面を作る商品分類の方法
商品を分類するときは、店側の管理方法ではなく、お客様の探し方に合わせます。
ラーメン店の例
- 定番
- 特製
- つけ麺
- ご飯・丼
- トッピング
- ドリンク
定食店の例
- 肉料理
- 魚料理
- 丼
- 麺
- 単品
- ドリンク
カレー店の例
- 定番カレー
- おすすめ
- サイズ変更
- トッピング
- セット
- ドリンク
店側では食材別に管理していても、お客様がその分類で探すとは限りません。
注文時に使う言葉に近いカテゴリーを選ぶことが重要です。
券売機で売りたい商品を目立たせる方法
売りたい商品を単純に赤くするだけでは不十分です。
強調方法には複数あります。
ボタン面積を大きくする
一覧の中で面積が大きい商品は視線を集めやすくなります。
看板商品や主力セットなど、優先度の高い商品に使います。
写真を付ける
名前だけでは内容を想像しにくい商品に有効です。
特にセット商品や特製メニューでは、通常商品との差を伝えやすくなります。
最初の画面に置く
深い階層に入れた商品は、存在そのものに気付かれない可能性があります。
売りたい商品は初期画面で認識できる位置に置きます。
短い補足を付ける
「人気No.1」
「初めての方に」
「数量限定」
「おすすめ」
などの短い表示は判断を助けます。
ただし、すべての商品に表示すると選択の助けにならないため、数を絞ります。
券売機デザインを自作する場合と依頼する場合を比較
券売機の改善方法は、店舗で対応する方法と専門家へ依頼する方法があります。
| 方法 | 費用 | 手間 | 機器設定への対応 | 向いているケース |
|---|---|---|---|---|
| 店舗で自作 | 抑えやすい | 大きい | 担当者の知識次第 | 軽微な価格変更 |
| デザイナーに画面だけ依頼 | 必要 | 中程度 | 対応範囲を確認 | デザインデータのみ必要 |
| 券売機経験者にまとめて相談 | 必要 | 小さい | 設定まで相談しやすい | 配置・画面・設定をまとめて見直したい |
注意したいのは、一般的なグラフィックデザインと券売機の設定は別の作業であることです。
見た目のデータは作れても、実機への登録方法や画面設定までは対応していない制作者もいます。
どこまで依頼したいのかを最初に決めておく必要があります。
依頼前に準備したい情報
券売機の画面やボタン制作を依頼する前に、次の情報を整理します。
- メーカー名
- 型番
- ボタン式かタッチパネル式か
- 現在の商品一覧
- 商品価格
- 商品写真
- 売りたい商品
- カテゴリー分類
- 現在困っている操作
- 変更したい内容
- 希望納期
可能なら、現在の券売機全体と画面を撮影して共有します。
「見やすくしてほしい」だけでなく、
- 初めてのお客様が商品を探せない
- トッピングが注文されにくい
- 新商品を追加したい
- ボタンサイズを変更したい
- 商品価格を変更したい
など、現在の問題を具体的に伝えると改善案を作りやすくなります。
券売機を変更するときは価格表示以外も確認する
価格変更時に数字だけ変更して終わると、他の表示と不一致が残ることがあります。
確認したいのは次の項目です。
- 商品名
- 税込・税抜表示
- 写真
- セット内容
- トッピング価格
- 大盛料金
- 売り切れ表示
- レシートや食券の印字内容
- インボイス登録番号の表示
- 店内掲示との価格一致
券売機と店頭メニューの価格が異なると、店舗対応の負担になります。
価格改定時は、関連する表示を一覧化して確認する方が安全です。
タッチパネル券売機では画面遷移まで確認する
タッチパネル式では、1画面の見た目だけでなく、購入までの流れを確認します。
たとえば、
- 商品カテゴリーを選ぶ
- 主商品を選ぶ
- サイズを選ぶ
- トッピングを選ぶ
- 内容を確認する
- 決済する
という流れです。
この途中で、
- 戻るボタンが分かりにくい
- 選択中の商品が確認できない
- 同じ選択を繰り返す
- トッピングを飛ばせない
- 次の画面へ進むボタンが分かりにくい
といった問題があると、操作時間が長くなります。
画面デザインを見直す際は、静止画の美しさだけではなく、注文完了まで実際に操作して確認する必要があります。
今回のサービスが向いている店舗
今回紹介しているサービスでは、券売機の販売画面や商品ボタンのデザインだけでなく、設定やトラブル対応についても相談できます。
ボタン式では、価格設定、ボタンデザイン、サイズ変更、印刷、カット、配置変更、メニュー変更などが対応内容として案内されています。
タッチパネル式についても、販売画面のデザインや設定、操作上の問題について相談できる内容です。
サービス情報では、基本価格は5,000円で、具体的な作業内容に応じて見積もり相談後に購入する形式となっています。
特に次のような店舗と相性があります。
- 券売機の商品配置を全面的に見直したい
- 人気商品を目立たせたい
- ボタンデザインを作り直したい
- 価格改定に対応したい
- 新商品を追加したい
- タッチパネル画面を見やすくしたい
- 機器の設定方法が分からない
- デザインと設定を別々に発注したくない
券売機に10年以上携わった経験をもとにした対応が案内されているため、一般的なメニューデザインだけでなく、実機側の作業まで相談したい場合に検討しやすいサービスです。
券売機の改善ではピーク時間帯の観察が役立つ
画面を作り直す前に、実際のお客様がどこで迷っているかを確認します。
特に見るべきなのは混雑時間帯です。
- 最初の画面で止まる
- 商品カテゴリーを行き来する
- 店員に価格を確認する
- トッピング画面で戻る
- 売り切れ商品を選ぼうとする
- 後ろの列を気にして購入を急ぐ
こうした行動がある場合、画面構成に改善余地があります。
スタッフが慣れている画面でも、初回来店客には分かりにくいことがあります。
券売機改善では、店舗側の感覚だけでなく、初めて使う人の行動を見ることが重要です。
商品追加のたびに配置を変えない運用も必要
券売機を一度整理しても、新商品を追加するたびに空きスペースへ入れていけば再び分かりにくくなります。
あらかじめ、
- 定番商品の場所
- 季節商品の場所
- 限定商品の場所
- 売り切れ時の表示方法
- 新商品を追加する枠
を決めておくと管理しやすくなります。
季節商品を定期的に入れ替える店舗では、固定枠を作る方法もあります。
これにより、レイアウト全体を変更せずに更新できます。
券売機の画面改善は「迷う時間」を減らすことから考える
券売機のデザインで最も重要なのは、装飾を増やすことではありません。
- 商品を見つけやすくする
- 人気商品を分かりやすくする
- カテゴリーを整理する
- 写真と文字の役割を分ける
- 追加注文までの流れを短くする
- 価格変更や商品追加を管理しやすくする
という改善が重要です。
現在の券売機が、商品を追加するたびに複雑になっている、人気商品が埋もれている、設定方法が分からず変更できないという状態なら、部分的な修正だけでなく、商品構成と操作の流れから見直す方法があります。
券売機は会計機器であると同時に、お客様が商品を選ぶメニューでもあります。
見やすい配置と迷いにくい操作の両方を整えることで、店舗側の案内負担を減らしながら、購入しやすい環境を作れます。

