ECサイトやカタログの商品写真を用意するとき、すべてのカラーを個別に撮影すると、撮影場所の確保、商品の手配、撮影、画像整理まで多くの工程が発生します。
形や素材が同じ商品で色だけが違う場合は、撮影済みの商品写真をレタッチし、別カラーの画像を作成する方法があります。
ただし、単純に写真全体へ色を重ねるだけでは、影、光沢、素材感まで変わり、不自然な仕上がりになることがあります。商品写真として使用するなら、対象部分だけを選択し、立体感や質感を残しながら色を調整する作業が必要です。
商品写真の色変更はどんな用途で使える?
商品写真の色変更は、一つの商品写真から別のカラーバリエーションを作りたいときに使えます。
対象になりやすい商品は次のとおりです。
- バッグ
- 財布
- 靴
- 衣服
- 帽子
- アクセサリー
- 家具
- インテリア用品
- 雑貨
- 食器
- パッケージ
- 小型家電
ECサイトでは、色・サイズ・柄などのバリエーションを分かりやすく提示することが商品選択を助ける要素になります。商品画像の加工では、カラーバリエーションを一目で確認できる見せ方も利用されています。
たとえば、一つのバッグをベージュで撮影し、その写真を基に黒、赤、青などの画像を作る方法があります。
ただし、すべての商品が簡単に色変更できるわけではありません。
透明素材、金属、複雑な柄、強い光沢がある素材などは、単色の商品より細かな調整が必要になる場合があります。
撮り直しと色変更はどちらを選ぶべきか
商品写真の準備方法は、必ずしも色変更が最適とは限りません。
商品や用途によって、撮り直しとレタッチを使い分けます。
| 方法 | 向いているケース | メリット | 注意点 |
|---|---|---|---|
| 全色を撮影する | 素材や形までカラーごとに異なる | 実物そのものを見せられる | 撮影と商品手配の負担が大きい |
| 自分で色変更する | 単純な素材、少数の画像 | 外注費を抑えられる | 選択範囲や質感調整に技術が必要 |
| AIツールを使う | 試作やイメージ確認 | 短時間で複数案を作りやすい | 商品の細部や正確な色を確認する必要がある |
| レタッチを依頼する | EC、広告、カタログなど | 質感を見ながら細かく調整できる | 写真ごとに見積もりが必要な場合がある |
色変更ツールには、衣服やアクセサリーなど写真内の対象物を指定して色を変える機能を提供するものもあります。簡単な確認用途には便利ですが、販売用の商品画像では、商品そのものの色や質感とのズレがないか確認する工程が必要です。
商品写真の色変更で失敗しやすいポイント
影まで同じ色にしてしまう
立体物には明るい部分と暗い部分があります。
色変更するときに、商品全体を一色で塗りつぶすような処理をすると、陰影が弱くなり、平面的に見えることがあります。
元写真の光と影を活かしながら色を変える必要があります。
金具やロゴまで変色してしまう
バッグを例にすると、本体だけを変更したいのに、
- ファスナー
- 金属パーツ
- ロゴ
- ステッチ
- 持ち手の一部
まで同時に変色すると、実物とは異なる商品に見えます。
対象範囲を細かく分けて処理する必要があります。
素材感が消えてしまう
革、布、スエード、金属では、同じ赤色でも見え方が異なります。
色だけを置き換え、光沢や細かな凹凸まで均一化すると、素材感が失われます。
商品写真では「何色か」だけでなく「どのような素材に見えるか」も重要です。
実物と離れた色を掲載してしまう
商品写真の色変更では、見栄えだけでなく実際の商品の色との整合性も確認します。
特にEC販売では、見本となる商品写真、色見本、メーカー資料などを用意し、目標とする色を共有したほうが進めやすくなります。
専門的な色補正サービスでも、指定色への変更や見本に合わせた色調整が提供されています。
色変更を依頼する前に準備するもの
商品写真の色変更を依頼するときは、元画像だけを送るより、変更後の色を判断できる資料も用意します。
準備したいものは次のとおりです。
- 加工する元画像
- 変更したい箇所の指定
- 希望する色の見本
- 商品の実物写真
- カラーコードがあればその情報
- 使用媒体
- 必要な画像サイズ
- 希望するファイル形式
- 必要な枚数
- 希望納期
重要なのは、「青にしてください」だけで終わらせないことです。
青にも、
- ネイビー
- ロイヤルブルー
- 水色
- くすみブルー
- 青緑に近い色
など幅があります。
実物商品がある場合は、スマートフォンで撮影した参考写真だけでなく、メーカーが管理している色指定やデザインデータなど、利用できる資料をまとめて送ります。
依頼指示は画像に直接書き込むと伝わりやすい
商品写真に複数の素材が使われている場合、文章だけで変更箇所を伝えると認識違いが起こることがあります。
たとえば、バッグなら次のように分けます。
- 本体の革部分を黒から赤へ変更
- 持ち手も同じ赤へ変更
- 金具は元のゴールドを維持
- ステッチの色は変更しない
- ロゴも変更しない
加工対象を丸で囲んだ画像や、矢印を書き込んだ指示書を用意すると伝わりやすくなります。
多数の商品を依頼する場合は、ファイル名と指示番号を対応させます。
例:
- bag_001.jpg → 赤
- bag_002.jpg → ネイビー
- bag_003.jpg → ベージュ
大量案件ほど、最初のファイル整理が重要です。
EC商品画像では色変更以外の修正も同時に確認する
色を変えるために写真を確認すると、別の修正箇所が見つかることがあります。
代表的なものは次のとおりです。
- 小さな傷や汚れ
- ホコリ
- 商品の形崩れ
- 背景の不要物
- 色かぶり
- 明るさのばらつき
- 傾き
- 不要な影
- 背景色の違い
- 画像サイズの不統一
EC商品画像の加工は、色変更だけでなく、背景処理、不要物除去、明るさや色の統一などを組み合わせて行うケースがあります。アパレル向けのレタッチサービスでも、色補正、不要物除去、形状補正などが一連の作業として提供されています。
商品点数が多い場合は、色変更だけを個別に依頼するより、必要な作業をまとめて見積もってもらう方法もあります。
色変更・不要物除去・切り抜きをまとめて相談する方法
商品画像の用途によっては、色変更だけでなく複数の加工が必要です。
たとえば、
- 商品を切り抜く
- 傷やホコリを消す
- 商品の色を変更する
- 明るさを整える
- 指定サイズへリサイズする
という流れです。
加工内容ごとに別の相手へ依頼すると、データの受け渡しや修正管理が複雑になります。
こちらのサービスでは、商品や服、小物などの部分的な色補正・色変更に加え、人物レタッチ、不要物除去、背景合成、切り抜き、トリミング、リサイズなどを相談できます。
サービス情報では、10年以上のフォトレタッチ経験があり、雑誌、カタログ、写真集、広告、ECサイト、SNS用画像など幅広い用途への対応が案内されています。長期継続や大量案件にも対応可能です。
レタッチの見積もりは何で変わる?
画像加工は、写真1枚だから安い、10枚だから単純に10倍という計算になるとは限りません。
作業量を左右する主な要素は次のとおりです。
対象物の形
単純な形状と、レースや細い紐が多い商品では、選択範囲を作る作業量が異なります。
素材
マットな単色素材と、透明・光沢・金属素材では処理方法が変わります。
変更する色
明るい商品を少し暗くする場合と、黒い商品を明るい色へ変更する場合では、同じ方法で処理できるとは限りません。
画像の使用サイズ
小さなWeb画像と、大型印刷物に使用する高解像度画像では、求める細部の精度が異なります。
枚数
同じ条件の商品が大量にある場合と、一枚ごとに形や修正内容が違う場合では作業量が変わります。
正確な金額を確認するには、代表画像だけでなく、可能であれば実際に加工する画像と指示内容を見せて相談します。
色違い画像を大量に作るときの依頼方法
商品数が多い場合は、いきなり全画像を加工してもらうより、最初に基準となる画像を完成させると進めやすくなります。
おすすめの流れは次のとおりです。
- 代表商品を1点選ぶ
- 色見本を共有する
- 基準となる仕上がりを確認する
- 必要な微調整を行う
- 方向性を確定する
- 残りの商品を進行する
この方法なら、20枚加工したあとで「赤を全体的にもう少し暗くしたい」と方向性が変わるリスクを減らせます。
継続的に商品を追加するECサイトの場合は、色調整の基準を決めておくと次回の発注もしやすくなります。
無料再調整があっても最初の指示は具体的にする
修正対応があるサービスでも、最初の指示を曖昧にしてよいわけではありません。
今回の送客先サービスでは、納品データの確認後、当初の修正内容の範囲内で必要な場合は無料で再調整する流れが案内されています。一方、最初の依頼範囲を超える追加修正は追加料金の対象です。
そのため、最初の相談時点で、
- 何を変えるか
- 何を変えないか
- 何色にするか
- どこで使用するか
- 何枚必要か
を明確にします。
たとえば、納品後に「バッグ本体の色変更」に加えて「背景も別の場所に合成したい」と追加すると、最初の作業範囲とは別の依頼になります。
納品形式も使用目的に合わせて決める
完成画像を受け取るときは、使用目的に合ったファイル形式を指定します。
一般的な用途の例は次のとおりです。
| 使用目的 | 検討する形式 |
|---|---|
| ECサイト掲載 | JPG、PNG |
| 背景透過画像 | PNG |
| 後から編集する | PSD |
| 印刷物 | 制作環境に合わせて指定 |
| 社内保管用マスターデータ | 用途と編集環境に合わせて相談 |
今回の送客先では、JPG、PNG、PSD、TIF、EPSなど、希望形式がある場合は指定できると案内されています。指定がない場合は、受け取ったファイル形式での納品が基本です。
後工程を担当するデザイナーや印刷会社がいる場合は、依頼前に必要形式を確認しておきます。
急ぎの案件では希望日だけでなく枚数も伝える
商品ページ公開やキャンペーン開始日が決まっている場合は、早めに納期を確認します。
今回の送客先では、通常は1~3日以内の納品を案内していますが、内容、枚数、難易度によって4日以上かかる場合もあるため、事前相談が必要です。
急ぎの依頼では、
「急ぎです」
だけでなく、
「10枚を○月○日の午前中までに必要」
と具体的に伝えます。
一部の商品だけを先に公開する場合は、優先順位を付けて分割納品が可能か相談する方法もあります。
商品写真の色変更は元画像と色見本を用意して相談する
商品写真の色変更は、撮影済みの画像を活用してカラーバリエーションを増やしたいときに便利な方法です。
ただし、自然に見せるには、
- 対象範囲を正確に分ける
- 元の陰影を残す
- 素材感を維持する
- 金具やロゴを保護する
- 目標となる色を共有する
といった調整が必要です。
依頼前には、次の情報をまとめます。
- 元画像
- 加工箇所
- 色見本
- 必要枚数
- 使用目的
- 希望サイズ
- 納品形式
- 納期
色変更だけでなく、傷や汚れの除去、背景合成、切り抜き、リサイズまで必要な場合は、加工内容を一覧にしてまとめて相談すると見積もりを整理しやすくなります。
まず元画像と変更したい色の見本を準備し、希望する仕上がりが実現可能か確認するところから進めると、撮影済みの商品写真をより効率的に活用できます。

