自作したアプリアイコンをスマートフォン上で確認したとき、「制作画面ではよく見えたのに、実際に並べると目立たない」「素人っぽく見える」と感じることがあります。
この場合、最初のアイデアまで捨てて、完全に別のアイコンへ変える必要はありません。
モチーフやブランドカラーを残しながら、形、余白、文字、配色を整理して作り直す方法があります。
外注前に「残したい部分」と「変えてよい部分」を分けておけば、デザイナーへ希望を伝えやすくなり、修正の往復も減らせます。
自作アイコンが小さく表示すると微妙に見える原因
アプリアイコンは、制作中の大きな画像だけで評価するものではありません。
ストアの検索結果、スマートフォンのホーム画面、フォルダ内など、小さく表示された状態でも内容を判別できる必要があります。
Appleは、アプリの目的や個性を表し、一目で認識しやすい、独自性のあるアイコンを推奨しています。Google Playのアイコンも、ストア掲載ページだけでなく、検索結果やランキングなど複数の場所で使われます。
自作アイコンが小さくすると見づらくなる主な原因は、次のとおりです。
- モチーフを複数入れている
- 細い線や小さな装飾が多い
- 背景と図形の色が近い
- アプリ名を長い文字で入れている
- ロゴをそのまま縮小している
- 四辺ぎりぎりまで要素を配置している
- グラデーションや影を重ねすぎている
- 何のアプリか分かる要素がない
大きな画像では細部まで見えますが、縮小されると線や文字がつぶれます。
複数の要素を入れるより、中心となる形を1つ決めた方が判別しやすくなります。
修正で済むアイコンと作り直した方がよいアイコン
現在のアイコンに問題があっても、すべてをゼロから作り直す必要はありません。
何が問題なのかによって、適した依頼内容が変わります。
| 現在の状態 | 適した対応 |
|---|---|
| 色だけがアプリ画面と合っていない | 配色の修正 |
| 線が細く、小さくすると見えない | 図形の単純化と線幅調整 |
| 文字が読みにくい | 文字を削る、頭文字へ変更する |
| モチーフは気に入っている | モチーフを残して再構成 |
| 無料素材を組み合わせただけ | オリジナルデザインへ作り直す |
| 旧サービス名が入っている | 新名称に合わせて再設計 |
| アプリ内容とアイコンが一致しない | コンセプトから作り直す |
| 他社アプリと似すぎている | モチーフや構図を変更する |
現在のアイコンへ愛着がある場合は、「この形だけは残したい」と伝えて構いません。
反対に、色も形も決め直してよい場合は、アプリの内容から新しい案を提案してもらう方が、無理に旧デザインを引き継がずに済みます。
作り直し前に確認する4つのポイント
小さいサイズでも判別できるか
完成画像だけを見るのではなく、ホーム画面に並ぶ程度まで縮小して確認します。
次の状態になっている場合は、要素を減らす必要があります。
- 何が描かれているか分からない
- 細い線が消えている
- 文字が点や模様に見える
- 背景と中央の図形が一体化している
Appleも、アイコンを小さく表示した状態で明瞭さや認識しやすさを確認する考え方を示しています。
アプリの内容を誤解させないか
目立つことだけを優先し、アプリと無関係なモチーフを使うと、利用者が内容を誤解します。
たとえば、家計簿アプリにゲーム風の宝箱を使えば、「ポイントを集めるゲーム」と受け取られる可能性があります。
機能をそのまま絵にする必要はありませんが、アプリの用途や雰囲気から大きく外れない形を選びます。
競合アプリに埋もれないか
同じカテゴリでは、似たモチーフが多く使われます。
- 家計簿:財布、硬貨、グラフ
- 天気:太陽、雲、傘
- 写真:カメラ、レンズ
- メモ:ノート、鉛筆
- チャット:吹き出し
- 健康管理:ハート、十字、人物
定番モチーフを使うこと自体は問題ありません。
ただし、形、色、余白、線の太さまで似ていると、検索結果で区別しにくくなります。
モチーフは共通でも、構図や配色で独自性を出す方法があります。
アプリ内のデザインと合っているか
アイコンだけが高級感のある黒と金で、アプリ画面は明るいパステルカラーでは、利用者が受ける印象に差が出ます。
次の要素をアイコンとアプリ画面でそろえると、統一感を出しやすくなります。
- メインカラー
- 図形の丸み
- 線の太さ
- シンプルまたは装飾的な方向性
- 親しみやすさや専門性
- 想定している利用者
アプリ画面が開発途中でも、代表的な画面をデザイナーへ見せると方向性を判断しやすくなります。
外注時に残したい部分を伝える
自作アイコンを渡して「きれいにしてください」と依頼すると、どこまで変更してよいか分かりません。
次の3段階に分けて伝えると具体的です。
必ず残したい部分
変更されたくない部分を明示します。
- ブランドカラー
- 中央のモチーフ
- アプリ名の頭文字
- キャラクター
- 既存サービスと共通するマーク
- 登録商標や指定ロゴ
できれば残したい部分
より良い案があれば変更してよい要素です。
- 背景色
- 図形の向き
- 文字の配置
- 枠線
- グラデーション
- アイコン全体の雰囲気
自由に変えてよい部分
デザイナーへ任せる範囲です。
- 余白
- 線の太さ
- 影や立体感
- 配色の濃淡
- モチーフの単純化
- 小さな装飾
「青色を残したい」だけでなく、「現在の濃紺を必ず使いたい」「青系なら変更してよい」のように、変更可能な範囲まで伝えます。
デザイナーへ渡す資料
アプリアイコンの作り直しでは、現在のアイコンだけを送るより、アプリの背景情報も共有した方が提案を受けやすくなります。
用意したい資料は次のとおりです。
- 現在使用しているアイコン
- アプリ名
- アプリの機能
- 主な利用者
- アプリ画面のスクリーンショット
- 公式サイトや紹介ページ
- ブランドカラー
- 残したい要素
- 変えてよい要素
- 避けたい色や形
- 参考にしたいアイコン
- 希望納期
- 必要なデータ形式
参考画像を送る場合は、丸ごと似せてもらうのではなく、参考にしたい部分を指定します。
- 色の組み合わせが好み
- 図形の単純さを参考にしたい
- 余白の取り方が好み
- 平面的な雰囲気を参考にしたい
- 文字を使わない構成を参考にしたい
既存アプリと酷似したアイコンを作るのではなく、自社アプリに合う要素だけを参考にします。
iOSとAndroidでは表示方法も考慮する
1枚の正方形画像を用意すれば、すべての表示環境で同じ見え方になるとは限りません。
Appleの開発環境では、1枚の1024×1024ピクセル画像から必要なアイコンのバリエーションを生成できる仕組みがあります。Google Playのストア掲載用アイコンは512×512ピクセルで、PNG形式などの要件が定められています。
Androidのランチャーでは、端末によって円形、角丸四角形など異なる形で表示されるAdaptive Iconが使われます。前景と背景を分け、マスクで切れても重要な図形が残る安全領域を考える必要があります。
デザイン制作だけを依頼する場合は、次の点を確認してください。
- 1024×1024ピクセルの画像が必要か
- PNGの透過が必要か
- Android用の前景・背景データが必要か
- モノクロ版が必要か
- 開発者が各サイズへ書き出すのか
- デザイナーへ実装用データまで依頼するのか
今回紹介しているサービスでは、指定がなければ1024×1024ピクセルで納品すると案内されています。
実装担当者が別にいる場合は、購入前に必要なデータ形式を確認しておくと確実です。
PNG・JPEG・PDF・AIデータの違い
納品形式は、公開時だけでなく、今後修正する可能性も考えて選びます。
| 形式 | 主な用途 | 注意点 |
|---|---|---|
| PNG | アプリへの登録、透過画像 | 完成後の細かな編集には不向き |
| JPEG | 確認用、背景あり画像 | 透過できない |
| 確認、共有、印刷物への展開 | アプリ登録にはそのまま使わない | |
| AI | 色や図形を後から編集 | Illustratorなど対応環境が必要 |
アイコンを今後も変更しない予定なら、PNGなどの完成データで足りる場合があります。
次の用途がある場合は、編集可能な元データも検討します。
- 季節版のアイコンを作る
- 有料版と無料版を展開する
- Webサイトや広告にも使う
- ブランドカラーを変更する
- 別サイズの画像を作る
- ほかのデザイナーが編集する
AIデータが付くことと、著作権が譲渡されることは同じではありません。
利用範囲、改変、第三者への再依頼などを想定している場合は、著作権や元データの扱いを購入前に確認します。
初案は何案必要か
案が多いほど良いとは限りません。
方向性が決まっていない状態で多数の案を依頼すると、色や形がばらばらな候補が増え、選択基準を失うことがあります。
まずは方向性の異なる2案程度を比較し、選んだ案を修正する方法が進めやすくなります。
たとえば、次のように違いを付けます。
- A案:現在のモチーフを残した改善案
- B案:アプリの機能から考えた新規案
または、次の分け方も可能です。
- A案:シンプルで専門的
- B案:親しみやすくカジュアル
今回のサービスでは、初案として2パターンが提案され、5回まで無料修正に対応すると案内されています。
2案の役割をあらかじめ指定すると、色だけが異なる似た案ではなく、比較しやすい候補を依頼できます。
修正回数を無駄にしない伝え方
修正依頼は、感想だけでなく変更箇所と理由をセットで伝えます。
「なんとなく地味」ではなく、次のように書きます。
- 背景と中央の図形が近い色なので、図形を濃くしたい
- 小さくすると頭文字が読めないため、文字を太くしたい
- 子ども向けに見えるため、彩度を少し下げたい
- モチーフが複雑なので、右側の小さな装飾を削除したい
- アプリ画面と合わせるため、角の丸みを強くしたい
複数の修正点がある場合は、一度にまとめます。
1項目ずつ小分けに送ると、そのたびに書き出しや確認が発生し、修正回数も消費しやすくなります。
今回のサービスで確認できる制作条件
今回紹介しているサービスでは、スマートフォンアプリ向けのアイコン制作を依頼できます。
掲載されている主な条件は次のとおりです。
- 商用利用可能
- 初案2パターン
- 無料修正5回
- JPEG・PNG・PDFで納品
- 指定がなければ1024×1024ピクセル
- 自作アイコンの作り直しにも対応
- AIデータ納品は有料オプション
- 実績としての掲載を断る場合は有料オプション
- 急ぎの場合は48時間以内の初案提出オプションあり
有料オプションとして案内されている内容は、次のとおりです。
| オプション | 掲載料金 |
|---|---|
| 制作例への非掲載 | 1,000円 |
| 6回目以降の修正 | 1回3,000円 |
| 著作権譲渡・AIデータ納品 | 5,000円 |
| 48時間以内の初案提出 | 3,500円 |
| 初案の追加 | 1案4,000円 |
基本料金や対応範囲は変更される可能性があるため、購入画面で現在の条件を確認してください。
見積もり相談で送る文章の例
作り直しを依頼するときは、次のようにまとめると伝わりやすくなります。
- アプリ名:○○
- アプリの内容:毎日の服薬時間を記録するアプリ
- 主な利用者:30~60代
- 現在の問題:自作アイコンを小さくすると文字が読めない
- 必ず残したい要素:青色と時計のモチーフ
- 変更してよい要素:文字、背景、線、配置
- 希望する印象:医療機関向けではなく、個人が使いやすい親しみのある雰囲気
- 避けたい印象:緊急性を感じる赤色、子ども向けのデザイン
- 希望サイズ:1024×1024ピクセル
- 希望形式:PNGとAI
- 希望納期:相談
- 実績掲載:不可
現在のアイコンも一緒に送り、「そのまま整える案」と「モチーフだけ残す案」の2方向を相談する方法があります。
まとめ
自作したアプリアイコンが微妙に見える場合は、すぐにすべてを捨てる必要はありません。
最初に次の項目を整理します。
- 小さくしても形を判別できるか
- アプリの用途が伝わるか
- 競合アプリと区別できるか
- アプリ画面と雰囲気が合っているか
- 必ず残したい要素は何か
- 自由に変更してよい要素は何か
- PNGだけでよいか、元データも必要か
現在のモチーフやブランドカラーを残しつつ、余白、線、配色、文字を整理するだけで改善できる場合もあります。
現在のアイコン、アプリ画面、残したい要素をまとめて送り、部分修正と全面的な作り直しのどちらが適しているか相談してください。

