新商品や新規事業のWebサイトを外注するときは、デザインの品質だけでなく、制作実績として公開される範囲も確認する必要があります。
Webデザイナーの多くは、完成したサイトをポートフォリオやSNSへ掲載します。実績公開は一般的な運用ですが、発売前の商品、未発表のサービス、取引先から受託した案件などは、公開されると困る場合があります。
ポートフォリオ掲載を断ること自体は可能です。ただし、非公開対応が基本料金に含まれるか、追加料金が必要か、サイト公開後も非掲載なのかを購入前に決めておく必要があります。
- Webデザインのポートフォリオ掲載不可とは?
- ポートフォリオ掲載を断ったほうがよい案件
- サイト公開後なら掲載されても問題ない?
- ポートフォリオ掲載と著作権譲渡は同じではない
- 非公開を希望すると追加料金がかかる理由
- 掲載条件を曖昧にすると起きる問題
- 外注前に確認したい非公開条件
- 非公開依頼と秘密保持契約の違い
- Figmaデータを納品してもらう際の注意点
- 基本料金と追加オプションを整理する
- このサービスで依頼できるデザイン
- 初稿までに共有する情報
- 修正3回を有効に使う方法
- スマホ版を追加するか判断する
- 画像や文章を用意できない場合
- ポートフォリオ非掲載で依頼する相談文
- ポートフォリオ以外にも確認したい実績利用
- 公開不可の条件は購入前に文章で残す
Webデザインのポートフォリオ掲載不可とは?
ポートフォリオ掲載不可とは、制作したWebデザインをデザイナーの実績紹介に使用しない条件です。
対象になり得る掲載先には、次のものがあります。
- デザイナー自身のホームページ
- ココナラなどの出品ページ
- InstagramやXなどのSNS
- 営業用の提案資料
- 制作実績をまとめたPDF
- ブログや制作事例の記事
- コンペやデザイン紹介サイト
- セミナーや講座の教材
単に「SNSへ載せないでください」と伝えただけでは、公式ポートフォリオや営業資料への掲載まで禁止したことにならない場合があります。
掲載を避けたい媒体と期間を具体的に伝えることが重要です。
ポートフォリオ掲載を断ったほうがよい案件
公開前の商品やサービス
発売前のLPやティザーサイトには、商品名、価格、機能、公開日などの未発表情報が含まれます。
サイトの正式公開より先に制作画面が掲載されると、情報公開の計画が崩れます。
新規事業や社内プロジェクト
まだ社外発表していない事業では、サービス内容だけでなく、事業を始める事実そのものが機密情報になる場合があります。
仮のロゴや開発中の名称であっても、画像から内容を推測される可能性があります。
代理店や制作会社からの再委託案件
広告代理店や制作会社が、クライアント案件の一部を外注するケースです。
実際の発注元と外注デザイナーの関係を公開できない契約になっていることがあります。
自社の判断だけで実績公開を許可せず、元請けやクライアントへ確認する必要があります。
個人情報を含むサイト
スタッフ紹介、利用者の声、医療情報、会員向け画面などを含むデザインは、掲載範囲に注意が必要です。
公開済みのサイトでも、管理画面や非公開ページの画像をポートフォリオへ載せるべきではありません。
競合に構成を見られたくないLP
広告配信前のLPには、価格、訴求内容、キャンペーン条件、購入導線などが含まれます。
競合に先に見られることで、似た企画や訴求を用意される可能性があります。
サイト公開後なら掲載されても問題ない?
公開済みのWebサイトは一般の利用者も閲覧できますが、ポートフォリオ掲載を許可するかは別の判断です。
公式サイトで公開している情報でも、次の理由で実績掲載を避けたい場合があります。
- 外注先を公表したくない
- ブランドイメージを統一したい
- 制作途中の案を見せたくない
- 取引関係を公開できない
- デザイン変更後も古い画面が残る
- 検索結果に制作事例が表示される
- デザイナーによる解説文を管理できない
「サイト公開までは非掲載、公開後は掲載可」という条件も設定できます。
完全非公開が必要なのか、公開日まで伏せればよいのかを最初に整理してください。
ポートフォリオ掲載と著作権譲渡は同じではない
ポートフォリオ掲載の許可と、著作権の扱いは分けて確認します。
| 確認項目 | 主な内容 |
|---|---|
| ポートフォリオ掲載 | 制作物を実績として紹介できるか |
| 著作権 | デザインを複製・公開・改変する権利を誰が持つか |
| 利用権 | 発注者がどの媒体・期間で使えるか |
| 編集データ | Figmaなどの元データを受け取れるか |
| 秘密保持 | 制作中に知った未公開情報を第三者へ漏らさないか |
| 素材の権利 | 写真、フォント、イラストをどこまで使えるか |
著作権を譲渡してもらえば、自動的にすべての実績掲載が禁止されるとは限りません。
反対に、著作権譲渡を行わなくても、ポートフォリオへの掲載だけを禁止する条件は設定できます。
サービスごとに扱いが異なるため、購入前に文章で確認してください。
非公開を希望すると追加料金がかかる理由
デザイナーにとって、完成作品は次の受注につなげる営業資料です。
実績として公開できない案件は、制作時間を使ってもポートフォリオを増やせません。そのため、非公開対応を追加オプションにしているサービスがあります。
追加料金を比較するときは、金額だけでなく非公開の範囲を確認します。
- Webサイトだけ非掲載
- SNSも含めて非掲載
- 営業資料にも使用しない
- 公開前だけ掲載しない
- 発注者名を伏せれば掲載可能
- 一部を加工すれば掲載可能
- 制作過程も掲載しない
- 永続的に完全非公開
完全非公開が必要なら、「社名やロゴを隠した加工版も掲載不可」と伝えます。
掲載条件を曖昧にすると起きる問題
公開前に制作画面を投稿される
デザイナーが作業実績として、制作途中の画面をSNSへ投稿する場合があります。
完成後のポートフォリオだけでなく、制作過程の投稿も禁止対象に含める必要があります。
一部をぼかして掲載される
社名や商品名を隠せば問題ないと判断されることがあります。
レイアウト、写真、配色、キャッチコピーの一部だけでも事業内容を推測される場合は、加工版を含めて非公開と指定します。
公開後に無期限で掲載される
サイトをリニューアルしても、以前のデザインが制作実績として残り続けることがあります。
掲載を許可する場合は、期間や削除依頼への対応も確認します。
下請けとして関わったことが公開される
元請け制作会社の案件では、サイトの画面だけでなく、担当範囲や取引関係の記載も問題になる場合があります。
「デザインを担当した」と書くこと自体を許可できるか確認してください。
外注前に確認したい非公開条件
見積もり相談では、次の項目を確認します。
- ポートフォリオ掲載不可に対応できるか
- 追加料金はいくらか
- SNSへの投稿も禁止できるか
- 営業資料への掲載も対象か
- 制作途中の画面も非公開にできるか
- サイト公開後も非掲載か
- 社名やロゴを隠した掲載も禁止できるか
- 制作担当者以外がデータを見る可能性
- 外部パートナーへ再委託する可能性
- データの保管期間
- 納品後にデータを削除できるか
- 秘密保持契約に対応できるか
すべての案件で厳しい条件を設定する必要はありません。
公開前の情報や個人情報が含まれる範囲に合わせて決めます。
非公開依頼と秘密保持契約の違い
ポートフォリオ掲載不可は、主に制作物の実績利用を制限する条件です。
秘密保持契約は、制作中に共有した情報全般の取り扱いを決めます。
秘密保持の対象には、次のものが含まれる場合があります。
- 商品名
- サービス内容
- 料金
- 販売開始日
- 顧客情報
- 売上データ
- 広告戦略
- 社内資料
- アクセス情報
- サーバー情報
- 未公開の写真や文章
公開前案件では、ポートフォリオ掲載不可だけでなく、秘密保持が必要かも検討します。
ただし、契約書の内容や効力は案件ごとに異なります。重要な機密情報を扱う場合は、自社の担当者や専門家へ契約内容を確認してください。
Figmaデータを納品してもらう際の注意点
デザインのみを外注する場合、Figmaなどの編集データをコーダーへ渡します。
納品前に次の点を確認します。
- 編集権限を移してもらえるか
- 使用フォントが分かるか
- 画像素材の入手先が分かるか
- 有料素材の利用条件
- コンポーネントが整理されているか
- PC版とスマホ版が分かれているか
- コーダーが閲覧できる権限になっているか
- 不要なコメントや社内情報が残っていないか
Figmaの共有リンクだけで納品される場合、権限変更によって後から見られなくなる可能性があります。
必要に応じて、ファイルの複製や所有権の移行について確認します。
このサービスでは、WebサイトやLPのデザインをFigmaで依頼できます。ポートフォリオへの掲載を希望しない場合は、有料オプションを追加できます。
基本料金はサイト1ページのPCサイズを対象としており、スマホ版、文章作成、画像手配などは必要に応じて追加します。
基本料金と追加オプションを整理する
掲載されている主な料金は次のとおりです。
| 制作内容 | 料金の目安 |
|---|---|
| サイト1ページのPCデザイン | 20,000円 |
| スマホサイズデザイン | 5,000円 |
| タブレット・スマホサイズデザイン | 10,000円 |
| ポートフォリオ掲載不可 | 2,000円 |
| 文章作成 | 2,500円 |
| 画像手配 | 2,000円 |
基本料金だけでは、スマホ版やコーディングは含まれません。
たとえば、PC版とスマホ版のデザインを依頼し、ポートフォリオ掲載を不可にする場合は、基本料金にスマホ版と非掲載オプションを加えた見積もりが必要です。
LPの長さや下層ページ数によっても金額が変わるため、購入前に全体の構成を共有します。
このサービスで依頼できるデザイン
主な対応内容として、次の制作が案内されています。
- Webサイトデザイン
- LPデザイン
- バナー
- LINE用リッチ画像
- ブログのメイン画像
- SNS投稿画像
- オリジナルアイコン
- ECサイト画像
- HTML・CSSコーディングの個別見積もり
基本サービスはデザインのみです。
公開可能なWebサイトまで必要な場合は、コーディングの費用と納期を別途確認します。
初稿までに共有する情報
初稿は原則として依頼後1週間以内に1案が提示されますが、内容やボリュームによって変わります。
制作開始前には、次の情報をまとめます。
- Webサイトの目的
- 想定する利用者
- 掲載文章
- 使用画像
- ロゴ
- 希望する色
- デザインの雰囲気
- 使用したいフォント
- 参考サイト
- PC・スマホの必要サイズ
- 納品希望日
- ポートフォリオ掲載の可否
非公開が必要な場合は、ヒアリング時点で伝えてください。
初稿提出後に非公開を依頼すると、料金や条件の再確認が必要になることがあります。
修正3回を有効に使う方法
無料修正は3回までです。
修正回数を無駄にしないため、社内の意見をまとめてから依頼します。
1回目は方向性を確認する
初稿では、色や写真だけでなく、次の項目を確認します。
- 情報の優先順位
- ページ全体の雰囲気
- ターゲットとの相性
- キャッチコピーの見え方
- 問い合わせ導線
- PC画面での情報量
構成に関わる修正は早い段階で伝えます。
2回目は細部を整える
方向性が決まったら、文字サイズ、余白、写真、ボタンなどを調整します。
3回目は納品前の確認に使う
誤字、リンク表記、画像の差し替え漏れなどを最終確認します。
小さな修正を別々に送るのではなく、一覧にまとめると進行が早くなります。
スマホ版を追加するか判断する
基本料金はPCサイズのみです。
スマホからの閲覧が想定されるサイトでは、スマホ版も追加したほうが安全です。
PC版だけでは、次の部分をコーダーが独自に判断することになります。
- 横並び要素の順番
- 文字サイズ
- ボタンの大きさ
- 写真の切り取り方
- 余白
- メニュー
- 表や料金プランの表示方法
短い会社案内ページでも、スマホ利用者が多いならスマホ版を用意します。
タブレットでの表示まで細かく指定したい場合は、タブレット・スマホセットのオプションを検討します。
画像や文章を用意できない場合
掲載文章や画像を発注者側で用意できない場合は、オプションを追加できます。
ただし、文章作成を依頼する場合も、事業の正確な情報は発注者が提供する必要があります。
最低限、次の内容を共有します。
- 提供するサービス
- 価格
- 対応地域
- 強み
- 利用方法
- 問い合わせ先
- 掲載できる実績
- 使用できない表現
画像手配についても、必要な枚数や写真の雰囲気を伝えます。
商品そのものの写真やスタッフ写真が必要な場合は、素材画像で代用できるかを判断してください。
ポートフォリオ非掲載で依頼する相談文
見積もり相談では、次のように依頼内容をまとめます。
「公開前の新規サービス用LPのデザインを検討しています。
正式発表前の情報を含むため、制作途中の画面、完成デザイン、社名やロゴを隠した加工画像を含め、ポートフォリオやSNSへの掲載不可を希望します。
依頼範囲はPC版とスマホ版のデザインです。原稿とロゴは用意済みで、イメージ写真の手配も相談したいです。
納品形式はFigmaを希望します。コーディングは別の担当者が行います。
非掲載オプションを含めた見積金額、初稿予定日、最終納品予定日をご提示ください。」
公開後なら掲載を許可できる場合は、その条件も書きます。
「正式公開日の翌日以降は、社名を伏せた状態で掲載可」など、境界を明確にしてください。
ポートフォリオ以外にも確認したい実績利用
制作物の使用先は、ポートフォリオだけとは限りません。
次の利用も許可できるか確認します。
- SNSへの制作報告
- 出品ページのサンプル画像
- 営業先への個別提示
- セミナー資料
- デザイン講座の教材
- 制作過程の動画
- ビフォーアフター画像
- クライアント名の掲載
- 業種や制作目的の紹介
完全非公開を希望する場合は、「第三者への実績紹介に使用しない」とまとめて伝える方法があります。
公開不可の条件は購入前に文章で残す
Webデザインをポートフォリオ掲載不可で外注することは可能です。
ただし、「秘密にしてほしい」と口頭で伝えるだけでは、非公開の範囲が一致しない可能性があります。
購入前に、次の条件を文章で確認してください。
- 何を非公開にするか
- どの媒体への掲載を禁止するか
- 制作過程も対象か
- 公開後も非掲載か
- 加工版の掲載も禁止するか
- 追加料金
- 秘密保持の対象
- 納品後のデータ管理
- 再委託の有無
- 実績公開を許可できる時期
ポートフォリオ非掲載、PC・スマホ版の必要性、文章や画像の準備状況を伝えて見積もりを相談できます。
公開前の情報を含む場合は、デザインの内容を送る前に非公開条件を確認し、合意してから購入へ進んでください。

