Webデザインを外注したいものの、希望する雰囲気をうまく言葉にできず、相談を止めてしまうことがあります。
「おしゃれにしたい」「信頼感を出したい」「今っぽくしたい」と伝えるだけでは、発注者とデザイナーが別の完成形を想像する可能性があります。
ただし、デザインの専門用語を覚える必要はありません。参考サイト、色、写真、避けたい表現などを整理し、ムードボードとして視覚化すれば、言葉だけで説明するよりも方向性を共有しやすくなります。
- Webデザインのイメージが伝わらない原因
- 発注者がデザイン用語を知らなくても依頼できる
- ムードボードとは何をまとめた資料?
- 言葉だけの指示とムードボードの違い
- ムードボードを作ったほうがよいケース
- ムードボードを作る前に決める4つのこと
- 参考サイトは「丸ごと好き」で選ばない
- 参考サイトを選ぶ際の注意点
- ムードボードとワイヤーフレームの違い
- ムードボードを確認するときのチェック項目
- デザイン制作へ進む前に決める内容
- 基本のデザイン制作に含まれる内容
- 料金は掲載画面と本文の両方を確認する
- 追加で相談できる内容
- 修正回数無制限の範囲を確認する
- 初稿を見てイメージと違った場合の伝え方
- 見積もり相談で送る内容
- デザインの方向性を共有するチェックリスト
- 言葉にできないイメージは視覚化して共有する
Webデザインのイメージが伝わらない原因
イメージが伝わらない主な原因は、同じ言葉でも人によって想像するデザインが異なることです。
たとえば、「高級感のあるサイト」という要望でも、次のように複数の表現があります。
- 黒と金を使った重厚なデザイン
- 白と余白を多く使った上品なデザイン
- 明朝体と落ち着いた写真を使った和風デザイン
- 深い紺色を使った法人向けデザイン
- 商品写真を大きく使ったラグジュアリーなデザイン
「親しみやすい」「シンプル」「女性向け」「スタイリッシュ」も同様です。
言葉だけで完成形を指定すると、初稿を見た後に認識の違いが判明し、大幅な修正につながります。
発注者がデザイン用語を知らなくても依頼できる
Webデザインを依頼する際、発注者がフォント名や配色理論を理解している必要はありません。
必要なのは、事業の目的と利用者へ与えたい印象を伝えることです。
最低限、次の内容を整理します。
- 何を提供する会社や店舗か
- 誰に見てほしいか
- Webサイトを見た人に何をしてほしいか
- どのような印象を持ってほしいか
- 避けたい印象は何か
- 参考にしたいWebサイト
- 使用できるロゴや写真
- 競合サイトと同じにしたくない部分
デザイナーは、これらの情報をもとに、色、文字、写真、余白、レイアウトへ落とし込みます。
「デザインは分からないので全部お任せ」とだけ伝えるよりも、事業の特徴と避けたい方向性を共有したほうが、初稿の精度を上げやすくなります。
ムードボードとは何をまとめた資料?
ムードボードとは、Webサイトの雰囲気やデザイン方針を、写真、色、文字、キーワードなどでまとめた資料です。
本格的なデザイン制作へ入る前に作成し、発注者とデザイナーの認識を合わせるために使います。
ムードボードへ掲載する主な項目は次のとおりです。
- デザインのコアコンセプト
- 想定する利用者
- 与えたい印象
- 使用する色
- 使用候補の書体
- 写真の雰囲気
- イラストの有無
- 余白やレイアウトの方向性
- 参考サイト
- 使用を避ける表現
たとえば、法律事務所のサイトなら、濃紺、白、グレーを中心にし、余白を広く取り、落ち着いた人物写真を選ぶ方向性が考えられます。
子ども向け教室なら、明るい色、丸みのある書体、自然な笑顔の写真を中心にする方法があります。
ムードボードを確認すれば、完成デザインを作る前に「想定よりカジュアルすぎる」「写真が暗い」「色が競合と似ている」といった問題を修正できます。
言葉だけの指示とムードボードの違い
| 比較項目 | 言葉だけで共有 | ムードボードで共有 |
|---|---|---|
| 色の伝え方 | 明るい青、落ち着いた緑など | 実際の色見本を提示 |
| 写真の伝え方 | 信頼感のある写真 | 人物、背景、明るさまで確認 |
| 書体 | 高級感のある文字 | 使用候補の書体を表示 |
| 全体の雰囲気 | おしゃれ、シンプルなど | 複数の要素を一枚に整理 |
| 認識のズレ | 完成後に判明しやすい | 本制作前に確認しやすい |
| 修正の負担 | 初稿後に大きくなりやすい | 方向性の段階で調整できる |
口頭や文章による説明が不要になるわけではありません。
言葉で目的を説明し、ムードボードで見た目を共有することで、両方の情報を補完できます。
ムードボードを作ったほうがよいケース
希望する雰囲気を説明できない
「参考サイトはあるが、どこが好きなのか説明できない」という場合に役立ちます。
複数の参考サイトから、写真、色、文字、余白などを分けて整理すれば、好みの共通点が見えてきます。
社内の意見がまとまっていない
経営者は信頼感を重視し、担当者は親しみやすさを重視しているなど、関係者によって希望が異なる場合があります。
ムードボードを見ながら話し合えば、抽象的な言葉ではなく、具体的な色や写真を基準に決定できます。
既存サイトを全面的に変えたい
リニューアルでは、現在のサイトで残す要素と変える要素を分ける必要があります。
ロゴやブランドカラーは残し、写真、文字、余白、レイアウトを変更するといった整理に使えます。
ブランドの統一感を重視したい
Webサイトだけでなく、SNS、広告、パンフレット、営業資料でも同じ印象を使いたい場合です。
ムードボードを基準にすれば、各媒体で色や写真の雰囲気がばらつくのを防げます。
オリジナルデザインを依頼したい
テンプレートを使わず、一からデザインする場合は、自由度が高い分だけ方向性の確認が重要です。
最初に基準を作ることで、発注者の好みだけでなく、事業やターゲットに合ったデザインへ進めやすくなります。
ムードボードを作る前に決める4つのこと
1.Webサイトの目的
見た目を考える前に、Webサイトの役割を決めます。
代表的な目的は次のとおりです。
- 問い合わせを獲得する
- 商品を販売する
- 予約を受け付ける
- 会社の信頼性を伝える
- 採用応募を集める
- サービス内容を説明する
- ブランドの認知を広げる
目的が異なれば、目立たせる情報やデザインも変わります。
会社の信頼性を重視する場合は、実績、所在地、代表者、取引先などを見やすくします。
商品販売が目的なら、商品の魅力、価格、購入ボタン、利用者の声を優先します。
2.想定する利用者
年齢や性別だけでなく、Webサイトを見る状況まで整理します。
たとえば、同じ美容サービスでも対象者によってデザインが変わります。
- 初めて美容医療を検討する20代
- 高価格帯の施術を探す40代
- 法人契約を検討する企業担当者
- 地域の店舗を探している子育て世帯
利用者の知識量や検討段階によって、写真、文字量、説明方法を変える必要があります。
3.与えたい印象
与えたい印象は、3つ程度に絞ります。
- 信頼感
- 親しみやすさ
- 専門性
- 高級感
- 清潔感
- 先進性
- 温かさ
- 活発さ
- 落ち着き
- 誠実さ
すべてを入れようとすると、方向性が曖昧になります。
「専門性を最優先にしつつ、堅すぎない印象にしたい」のように、優先順位を付けて伝えます。
4.避けたい印象
希望だけでなく、避けたい方向も重要です。
- 子ども向けに見えるデザインは避けたい
- 派手な原色は使いたくない
- 高級すぎて価格が高く見えるのは避けたい
- 医療機関のように固い印象にはしたくない
- 競合と同じ青色中心にはしたくない
- 写真素材らしさが強い人物写真は避けたい
避けたい例がある場合は、該当するサイトや画像を提示します。
参考サイトは「丸ごと好き」で選ばない
参考サイトを送るときは、サイト全体ではなく、どの部分を参考にしたいか説明します。
確認する項目は次のとおりです。
- ファーストビュー
- 配色
- 写真
- 書体
- 余白
- ボタン
- メニュー
- サービス紹介
- 実績の見せ方
- スマホ表示
- アニメーション
- 問い合わせ導線
たとえば、次のように伝えます。
- A社は配色を参考にしたい
- B社は写真の使い方が好み
- C社はサービス紹介が読みやすい
- D社のようなアニメーションは不要
- E社と同じ業種だが、似すぎないようにしたい
複数サイトを組み合わせることで、デザイナーは発注者の好みと事業上の要件を分けて理解できます。
参考サイトを選ぶ際の注意点
競合サイトだけを選ばない
同業他社だけを参考にすると、似たデザインになりやすくなります。
業種が異なっても、ターゲットや与えたい印象が近いサイトを含めます。
たとえば、上品さを重視する歯科医院なら、ホテル、化粧品、住宅などのサイトも参考になります。
大企業のサイトをそのまま基準にしない
大企業のサイトは、撮影、動画、イラスト、システム開発に大きな予算を使っていることがあります。
同じ見た目を小規模な予算で再現できるとは限りません。
参考にしたい要素を絞り、予算内で実現できる範囲を確認します。
見た目だけで選ばない
きれいなサイトでも、自社の目的に合うとは限りません。
問い合わせ獲得が目的なら、ボタンの位置や情報の順番まで確認します。
ムードボードとワイヤーフレームの違い
ムードボードとワイヤーフレームは役割が異なります。
| 比較項目 | ムードボード | ワイヤーフレーム |
|---|---|---|
| 決める内容 | 雰囲気、色、写真、書体 | 情報、順番、配置、導線 |
| 主な目的 | 見た目の方向性を共有 | ページ構成を設計 |
| 作成時期 | 本デザイン前 | 本デザイン前 |
| 写真 | イメージ写真を使用 | 仮の枠で示す場合がある |
| 色 | 使用候補を具体化 | 白黒やグレーが中心 |
| 確認する人 | 発注者、デザイナー | 発注者、デザイナー、実装担当者 |
ムードボードだけでは、どの情報をどこに配置するか決まりません。
ワイヤーフレームだけでは、完成時の色や写真の印象まで共有できません。
方向性と構成の両方が曖昧な場合は、ムードボードとワイヤーフレームを作ってから本デザインへ進みます。
ムードボードを確認するときのチェック項目
資料を受け取ったら、単に「おしゃれかどうか」だけで判断しないでください。
次の点を確認します。
- ターゲットに合っているか
- 商品やサービスの価格帯に合っているか
- 競合と似すぎていないか
- ロゴと色が合っているか
- 使用予定の写真を用意できるか
- 文字が読みやすいか
- 希望する印象が優先されているか
- 避けたい表現が含まれていないか
- 社内の他媒体と統一できるか
- スマホ画面でも成立するか
発注者の個人的な好みだけで決めると、利用者に合わないデザインになる場合があります。
「自分が好きか」だけでなく、「対象者にどのように見えるか」を基準にします。
デザイン制作へ進む前に決める内容
ムードボードの確認後は、次の項目を確定します。
- メインカラー
- サブカラー
- 背景色
- 見出し用の書体
- 本文用の書体
- 写真の方向性
- イラストの有無
- 角丸や直線などの形
- ボタンの雰囲気
- 余白の取り方
- Webサイト全体のトーン
すべてを細かく固定する必要はありません。
修正の基準になる程度まで決め、本制作で具体化します。
このサービスでは、テンプレートを使わないオリジナルのWebサイトデザインを依頼できます。
デザインのイメージを言葉にしにくい場合は、コアコンセプト、トーン、配色、書体などをまとめたムードボード資料の作成も相談できます。
基本のデザイン制作に含まれる内容
案内されている主な制作内容は次のとおりです。
- オリジナルのWebサイトデザイン
- 全ページのPC版デザイン
- 全ページのスマートフォン版デザイン
- フリー画像素材の収集
- 修正対応
- Figma、JPEG、PNG、PDFでの納品
- 幅広い業種への対応
テンプレートへ文章や写真を差し替えるのではなく、ヒアリング内容をもとに一からデザインを構築するサービスです。
基本はデザイン制作であり、コーディング、WordPress構築、サーバーへの公開作業などは別途確認が必要です。
料金は掲載画面と本文の両方を確認する
サービスページの購入欄には40,000円と表示されていますが、サービス本文では次の料金が案内されています。
| 制作内容 | 本文記載の料金目安 |
|---|---|
| トップページデザイン | 80,000円から |
| 下層ページデザイン | 1ページ40,000円から |
| LPデザイン | 1ページ80,000円から |
| トップページのコーディング | 60,000円から |
| 下層ページのコーディング | 1ページ30,000円から |
依頼内容によって料金が変わるため、表示価格だけで総額を判断せず、見積もり相談が必要です。
3ページ以上を注文する場合は、合計金額から10,000円引きとなる案内もあります。
追加で相談できる内容
ムードボード作成
デザインコンセプトを視覚化する資料です。
案内されている主な内容は次のとおりです。
- コアコンセプトの言語化
- トーンとマナー
- カラーパレット
- タイポグラフィ
- 今後の進め方
- PDF形式での資料納品
「何となくのイメージはあるが言葉にできない」という場合に適しています。
ワイヤーフレーム作成
ページの構成案を用意できない場合に相談できます。
基本は発注者側でワイヤーフレームを用意する形ですが、作成時間がない場合や、情報構成から任せたい場合は追加で依頼できます。
ロゴデザイン
Webサイトと同時にロゴを依頼する場合は、ロゴ料金から5,000円引きになる案内があります。
新規開業やブランドリニューアルで、ロゴとサイトの雰囲気をそろえたい場合に使えます。
コーディング
デザインとセットの場合、HTMLやCSSなどによるコーディングも相談できます。
ただし、次の作業は別途見積もりです。
- サーバーへのアップロード
- 公開作業
- 問い合わせフォーム
- WordPress構築
- 特殊な機能
- 外部システムとの連携
公開まで依頼したい場合は、必要な作業をすべて伝えて総額を確認します。
修正回数無制限の範囲を確認する
サービスでは修正回数無制限と案内されていますが、大幅な修正は対象外です。
一般的な調整として相談しやすいのは次の内容です。
- 色の調整
- 文字サイズの変更
- 写真の差し替え
- 余白の調整
- ボタンの見た目
- 軽微な文章変更
- 一部要素の位置変更
別途料金になりやすいのは次の変更です。
- ターゲットの変更
- サイト目的の変更
- ページ構成の全面変更
- 掲載内容の大量追加
- デザイン完成後の方向転換
- 参考サイトの全面変更
- 事業コンセプトの変更
ムードボードで方向性を確認してから本制作へ進めば、大幅修正を減らせます。
初稿を見てイメージと違った場合の伝え方
「イメージと違う」だけでは、デザイナーが修正点を判断できません。
次のように具体化します。
- 想定より明るいため、彩度を落としたい
- 親しみやすさより専門性を強めたい
- 写真が若者向けに見えるため変更したい
- 余白が少なく、情報量が多く見える
- 文字が細く、信頼感より繊細な印象が強い
- 競合サイトと配色が似ている
- 商品より人物写真が目立っている
- 高級感が強く、価格が高く見える
理由まで伝えると、別の色や写真を使った改善案を提案してもらいやすくなります。
見積もり相談で送る内容
相談時は、次の情報をまとめます。
「法人向けサービスのWebサイトデザインを検討しています。
デザインの希望をうまく言葉にできないため、本制作前にムードボードの作成も依頼したいです。
サイトの目的は、サービス内容を説明し、問い合わせを獲得することです。対象者は中小企業の経営者と管理部門担当者です。
希望する印象は、信頼感、専門性、先進性です。一方で、固すぎる官公庁風のデザインや、原色を多く使ったデザインは避けたいです。
参考サイトを3件添付します。A社は配色、B社は写真の使い方、C社は余白を参考にしたいです。
トップページと下層ページ3ページを想定しています。PC・スマートフォン版のデザインと、必要に応じてワイヤーフレーム作成も相談したいです。
原稿とロゴは用意済みですが、写真素材はありません。デザインのみの場合と、コーディングを含めた場合の見積金額、初稿予定日、最終納品予定日をご提示ください。」
決まっていない項目は、「相談して決めたい」と明記します。
デザインの方向性を共有するチェックリスト
購入前に次の項目を確認してください。
- Webサイトの目的
- ターゲット
- 最優先で与えたい印象
- 避けたい印象
- ブランドカラー
- 使用できるロゴ
- 使用できる写真
- 参考サイト
- 競合サイト
- ムードボードの必要性
- ワイヤーフレームの必要性
- PC・スマホ版の範囲
- ページ数
- 納品形式
- コーディングの有無
- WordPressの有無
- 公開作業の有無
- 修正範囲
- 納期
- ポートフォリオ掲載の可否
すべてを自分で決める必要はありません。
未定の部分と、譲れない条件を分けて伝えることが重要です。
言葉にできないイメージは視覚化して共有する
Webデザインのイメージをうまく説明できない場合は、抽象的な言葉だけで発注せず、参考サイトやムードボードを使って視覚化します。
特に確認したいのは次の項目です。
- サイトの目的
- ターゲット
- 与えたい印象
- 避けたい印象
- 色
- 写真
- 書体
- 参考サイト
- 競合との差
- PCとスマホの見せ方
ムードボードで方向性を確認し、ワイヤーフレームで情報構成を決めてから本デザインへ進めば、完成後の大幅な修正を減らせます。
デザインの希望を言葉にできない場合も、事業内容、参考サイト、与えたい印象、避けたい表現を伝えて相談できます。
ムードボード、ワイヤーフレーム、PC・スマホ版、コーディング、公開作業の範囲を確認し、見積もりに納得してから購入へ進んでください。

