クリニックの院内案内ピクトグラムを制作依頼するには?JISで足りない表示の整理法

デザイン系の依頼

クリニックの院内案内を整える際、無料素材や既製のピクトグラムを組み合わせる方法があります。

しかし、受付は線画、診察室は塗りつぶし、会計は立体的なイラストという状態になると、院内全体の統一感が失われます。

また、処置室、採血、発熱患者用入口など、クリニック固有の案内は、希望に合う既製素材が見つからないこともあります。

このような場合は、必要な表示を一覧化し、線の太さ、形、配色を統一したオリジナルピクトグラムとして制作依頼する方法があります。

シンプル&ミニマルなピクト・アイコン制作します

 

標準ピクトグラムとオリジナルピクトグラムの違い

ピクトグラムには、広く共通して使われている案内用図記号と、施設ごとに制作するオリジナルデザインがあります。

国土交通省は、公共施設や交通施設などで使われる案内用図記号としてJIS Z8210を案内しています。文字や言語に頼らず情報を伝え、高齢者、障害のある人、外国人にも理解しやすい表示方法として使われています。

種類 主な用途 特徴
JIS等の標準図記号 トイレ、エレベーター、非常口など 多くの人が意味を理解しやすい
既製ピクトグラム Webサイト、資料、簡易案内 安価だがデザインを統一しにくい
オリジナルピクトグラム 診療内容、院内設備、独自サービス 用途や施設の雰囲気に合わせられる
イラスト 説明資料、子ども向け案内 表情や状況を詳しく表現できる
ロゴマーク クリニックやサービスの識別 施設そのものを象徴する

トイレや避難経路など、意味が広く共有されている表示は、独自性より認識しやすさを優先します。

一方、クリニック独自の設備や行動を示す場合は、オリジナルピクトグラムが適しています。

クリニックでオリジナル制作が必要になりやすい表示

既製品で対応しにくいのは、そのクリニック特有の設備や患者の行動を表す表示です。

具体例は次のとおりです。

  • 初診受付
  • 再診受付
  • 自動受付機
  • 診察室
  • 処置室
  • 採血室
  • 点滴室
  • 検査室
  • レントゲン室
  • 内視鏡室
  • 発熱患者用入口
  • 一般患者用入口
  • 会計
  • 処方箋受付
  • 予約窓口
  • 問診票記入場所
  • ベビーカー置き場
  • 車椅子待機場所
  • キッズスペース
  • 授乳室
  • おむつ交換場所

院内サインでは、文字の大きさ、背景とのコントラスト、視認性に加え、内容を直感的に理解できるピクトグラムの使用が有効とされています。

名称だけでは理解しにくい設備も、形で意味を補足できます。

既製アイコンを寄せ集めると統一感がなくなる

無料素材や素材集は便利ですが、別々の制作者が作ったアイコンを混在させると、細部がそろいません。

ばらつきが出やすい項目は次のとおりです。

  • 線の太さ
  • 角の丸み
  • 人物の頭身
  • 塗りつぶしと線画
  • アイコン内の余白
  • 視点や向き
  • 使用する色
  • 図形の細かさ
  • 枠の有無
  • 矢印の形

受付だけ細い線で、診察室は太い線になっていると、同じ施設の案内表示に見えにくくなります。

複数のピクトグラムを同時に制作する場合は、先に共通ルールを決めます。

  • 線画または塗りつぶし
  • 基本の線幅
  • 角を丸くするか
  • 人物を使うか
  • 正方形または円形の枠
  • 白黒またはカラー
  • 背景色
  • 文字を併記するか

1点ずつ別々に考えるのではなく、シリーズとして設計することが重要です。

ピクトグラムを使う場所から決める

同じピクトグラムでも、使用場所によって必要な細かさやデータ形式が変わります。

壁面やドアのサイン

離れた場所から見るため、細かな装飾より単純な形を優先します。

確認したい項目は次のとおりです。

  • 実際に掲示する大きさ
  • 見る距離
  • 背景となる壁やドアの色
  • 文字を併記するか
  • プレートやカッティングシートに加工するか

院内の案内図

フロアマップへ多数のアイコンを配置する場合は、小さくしても判別できる必要があります。

線が細すぎるデザインや、内部に細かな模様があるデザインは不向きです。

Webサイト

診療科目、設備、アクセス、院内紹介などに使用します。

スマートフォンでも見やすいよう、複雑な説明を1つのアイコンへ詰め込まないことが重要です。

パンフレットや診察案内

印刷物では、背景色や印刷方法によって見え方が変わります。

白黒印刷する可能性がある場合は、色がなくても意味が伝わる形にします。

デジタルサイネージ

画面表示では色や動きを使えますが、ほかの媒体にも展開するなら、静止画でも成立する基本形を用意します。

先にJIS図記号を確認する

トイレ、非常口、エレベーターなど、すでに標準的な図記号があるものを独自に描き直すと、利用者が意味を判断しにくくなる場合があります。

まず、標準図記号で対応できる表示と、独自制作が必要な表示を分けます。

表示内容 基本方針
非常口・避難経路 法令や標準に沿った表示を優先
トイレ 一般に認識されている形を優先
エレベーター 標準図記号を優先
車椅子対応設備 標準的な表示を確認
受付 院内デザインに合わせて制作可能
採血・点滴 独自制作を検討
発熱患者用動線 独自制作を検討
特殊な検査設備 独自制作を検討
独自サービス オリジナル制作が適する

公共性や安全性が高い表示は、ブランドカラーへ変更することより、正しく認識されることを優先してください。

制作依頼前に一覧表を作る

必要なピクトグラムを思いつくたびに追加すると、デザインルールが変わりやすくなります。

最初に一覧表を作り、用途と優先度を整理します。

名称 使用場所 必要数 文字併記
受付 入口・案内図 1 あり メインカラー
診察室 各ドア 3 あり 白黒
採血 ドア・案内図 1 あり 白黒
会計 受付カウンター 1 あり メインカラー
発熱患者入口 屋外・入口 1 あり 注意色
キッズスペース 待合室 1 あり カラー

同じデザインを複数の場所で使う場合は、制作点数と設置枚数を分けてください。

ピクトグラムは1点でも、ドア、案内図、Webサイトへ複数回使用できます。

デザイナーへ伝える7項目

1.表示したい行動や場所

「医療関係のアイコン」と広く伝えるのではなく、何を表したいかを書きます。

  • 受付で保険証を提示する
  • 採血を受ける
  • 会計をする
  • 問診票を書く
  • 発熱患者が専用入口から入る

場所の名称だけではなく、必要に応じて具体的な行動も伝えます。

2.主な利用者

利用者によって、適した表現が変わります。

  • 高齢者が多い
  • 子どもと保護者が多い
  • 外国人患者が利用する
  • 視力が低下している人へ配慮したい
  • 初めて来院する人が多い

国土交通省も、案内用図記号は高齢者や障害のある人、外国人にも理解しやすい情報提供手法として案内しています。

3.希望するテイスト

「シンプル」だけではなく、避けたい印象まで伝えます。

  • 医療機関らしい清潔感
  • 冷たすぎない
  • 子ども向けに寄りすぎない
  • 高級感より親しみやすさ
  • 線が細すぎない
  • かわいすぎない
  • キャラクター風にしない

4.ブランドカラー

ロゴやWebサイトですでに使っている色がある場合は、色番号を共有します。

RGB、CMYK、HEXなど、分かる範囲で構いません。

白黒版も必要なら、最初から伝えてください。

5.使用サイズ

小さなWebアイコンと、大きな壁面サインでは適した細かさが異なります。

  • Webで32ピクセル程度
  • パンフレットで20ミリ程度
  • ドアサインで150ミリ程度
  • 壁面で300ミリ以上

複数サイズで使う場合は、最小サイズでも判別できる形にします。

6.希望する納品形式

使用先に合わせて選びます。

形式 主な用途
AI 看板制作、サイズ変更、色変更
PDF 印刷会社や社内への共有
PNG Webサイト、資料、背景透過
JPG 確認用、背景付き画像
SVG Web表示、拡大縮小
白黒データ モノクロ印刷、単色サイン

看板会社やWeb制作会社へ渡す予定がある場合は、先に必要形式を確認してください。

7.実績掲載の可否

制作物がポートフォリオへ掲載される可能性があります。

開院前の情報、施設名、独自設備などを公開したくない場合は、依頼前に非掲載を希望すると伝えます。

ピクトグラムとイラストのどちらを選ぶ?

ピクトグラムは、状況を単純な形へ置き換えて伝えるものです。

細かな表情や複雑な場面を説明する場合は、イラストの方が適しています。

表現したい内容 向いている形式
受付・会計・診察室 ピクトグラム
進行方向・禁止事項 ピクトグラム
設備の有無 ピクトグラム
手順を詳しく説明する イラスト・図解
患者の感情を表す イラスト
複雑な治療内容を説明する 医療イラスト・図解
キャラクターを使う イラスト

今回紹介しているサービスは、状況を単純化したピクトグラムやアイコンの制作を前提としており、細かな表情や動作、手描きイラストは対応外と案内されています。

依頼内容がピクトグラムの範囲に収まるか、購入前に確認してください。

白黒とカラーはどちらがよい?

院内のすべてをカラーにする必要はありません。

白黒は、複数媒体へ展開しやすく、印刷や看板加工でも扱いやすい方法です。

カラーは、診療科目やエリアを区別したい場合に向いています。

白黒が向いているケース

  • ドアや壁面へ単色で施工する
  • 院内全体を落ち着いた印象にしたい
  • 白黒印刷でも使用する
  • Webや印刷物で色を変更して使いたい
  • 多数のアイコンを統一したい

カラーが向いているケース

  • 階やエリアを色分けする
  • 子ども向け施設で親しみを出す
  • 発熱患者用など注意を促したい
  • ブランドカラーを強く見せたい
  • 診療科目を色で区別したい

色だけで意味を区別すると、白黒印刷や色覚の違いによって判断しにくくなることがあります。

形や文字でも違いが分かるようにします。

制作点数はカテゴリーごとに考える

受付、診察、検査、設備など、複数のカテゴリーがある場合は、最初にグループ分けします。

例として、次のように整理できます。

受付・事務

  • 受付
  • 会計
  • 予約
  • 問診票
  • 保険証確認

診療・検査

  • 診察
  • 採血
  • 点滴
  • レントゲン
  • 内視鏡

院内設備

  • 待合室
  • キッズスペース
  • 授乳室
  • おむつ交換
  • 自動販売機

注意・案内

  • 携帯電話禁止
  • 飲食禁止
  • マスク着用
  • 発熱患者入口
  • 一般患者入口

同じカテゴリー内では、人物の向きや道具の描き方をそろえます。

今回のサービスでは、同じカテゴリーのアイテムを追加制作する有料オプションが1カテゴリー2,500円と案内されています。

今回のサービスで依頼できる内容

今回紹介しているサービスでは、オリジナルのピクトグラムとアイコンを依頼できます。

掲載されている主な条件は次のとおりです。

  • オリジナルデータを制作
  • 基本は白黒
  • 希望に応じてカラー対応
  • 著作権譲渡
  • 商用利用可能
  • 修正回数は無制限
  • ラフ提案は1案
  • AI・PDF・JPG・PNG形式で納品
  • 病院・クリニックの院内表示にも対応
  • Webサイト、会社案内、看板、資料にも利用可能

掲載価格は4,000円(税抜)で、追加カテゴリー制作は2,500円と表示されています。価格や対応範囲は変更される可能性があるため、購入画面で最新条件を確認してください。

シンプル&ミニマルなピクト・アイコン制作します

 

見積もり相談で送る文章の例

次のようにまとめると、依頼内容を判断してもらいやすくなります。

  • 施設:内科クリニック
  • 使用目的:院内のドアサインとWebサイト
  • 必要なピクトグラム:受付、診察室、採血室、処置室、会計
  • 主な利用者:高齢の患者が多い
  • 希望テイスト:清潔感があり、太めの線で分かりやすい
  • 希望カラー:基本は濃紺、白黒版も希望
  • 避けたい印象:子ども向け、細かいイラスト、立体的な表現
  • 文字併記:あり
  • 使用サイズ:ドアサイン150ミリ、Webサイト64ピクセル
  • 希望形式:AI、PDF、PNG
  • 参考資料:ロゴ、Webサイト、院内写真
  • 希望納期:○月○日
  • 実績掲載:不可または可

イメージ画像がない場合でも、院内写真、ロゴ、現在使っている案内表示を送ると、雰囲気を共有しやすくなります。

制作依頼で避けたい失敗

必要なアイコンを1点ずつ後から追加する

後から追加するたびに、線や構図のルールを確認する必要があります。

可能な範囲で一覧化し、シリーズとして相談します。

使用サイズを伝えない

大きな画面で見やすくても、ドアプレートやWebサイトで縮小すると線がつぶれる場合があります。

最小使用サイズを伝えてください。

JIS図記号まで独自化する

広く認識されている安全・公共表示は、独自デザインに変えることで分かりにくくなる場合があります。

標準図記号とオリジナルを使い分けます。

無料素材を参考画像としてそのまま送る

参考にしたい箇所を指定してください。

  • 線の太さ
  • 人物の頭身
  • 角の丸み
  • 余白
  • 塗りつぶし方

既存デザインをそのまま複製する依頼ではなく、施設に合うオリジナル制作として相談します。

デザインと看板施工を混同する

ピクトグラムのデータ制作と、プレート印刷、カッティングシート加工、設置工事は別作業です。

今回紹介しているサービスはデザインデータの提供が中心です。

施工まで必要な場合は、納品データを看板会社へ渡せる形式にしてもらいます。

納品後の確認項目

納品されたら、画像を拡大して見るだけでなく、実際の使用サイズでも確認します。

  • 離れた位置から意味を判断できる
  • 小さくしても線がつぶれない
  • アイコン同士の線幅がそろっている
  • 人物や道具の描き方が統一されている
  • 背景色とのコントラストが十分にある
  • 白黒でも意味が伝わる
  • 文字と組み合わせても見やすい
  • AIやPDFを看板会社が開ける
  • PNGの背景が透過されている
  • 使用範囲と著作権条件を確認した

院内へ設置する前に、普通紙へ実寸で印刷し、受付や廊下から見えるか確認する方法もあります。

まとめ

クリニックの院内案内ピクトグラムを制作依頼するときは、最初に標準図記号で対応する表示と、オリジナル制作する表示を分けます。

整理する項目は次のとおりです。

  • 必要なピクトグラムの一覧
  • 使用する場所
  • 実際の表示サイズ
  • 主な利用者
  • 白黒またはカラー
  • 線画または塗りつぶし
  • 文字併記の有無
  • 必要なファイル形式
  • 看板施工を担当する会社
  • 実績掲載の可否

受付、採血、処置、会計などをシリーズとして制作すれば、院内サイン、案内図、Webサイト、パンフレットへ統一して展開できます。

シンプル&ミニマルなピクト・アイコン制作します

 

現在の院内写真、ロゴ、必要な表示の一覧、使用サイズをまとめ、希望する点数と納品形式を購入前に相談してください。

タイトルとURLをコピーしました