ホームページのデザインが完成していても、ドメインやサーバーを制作会社名義で契約していると、自社だけでは管理できないことがあります。
制作会社と連絡が取れなくなった場合、次のような問題が発生します。
- ドメインを更新できない
- サーバーへログインできない
- 別の制作者へ移管できない
- WordPressの管理者権限がない
- サイトデータを取り出せない
- メールアドレスの設定を変更できない
- 制作会社との契約終了後にサイトが消える
ホームページを自社の資産として持つには、見た目や著作権だけでなく、契約名義、ログイン情報、管理権限、データの保管場所まで確認する必要があります。
ホームページが表示されていても自社で管理できるとは限らない
自社の会社名やサービス名が掲載されているからといって、管理権限まで自社にあるとは限りません。
ホームページの運営には、複数の契約とアカウントが関係します。
- 独自ドメイン
- レンタルサーバー
- WordPress
- データベース
- メールサーバー
- アクセス解析
- 問い合わせフォーム
- 外部予約システム
- テーマやプラグイン
これらをすべて制作会社のアカウントで管理していると、依頼者は制作会社を通さなければ変更できません。
制作中は問題がなくても、数年後に担当者が退職したり、制作会社が廃業したりすると管理できなくなります。
重要なのは、「誰が作ったか」よりも「誰の契約で動いているか」です。
ドメインを制作会社名義にするリスク
独自ドメインは、会社サイトのURLとして長期間使用するものです。
名刺、チラシ、看板、SNS、メールアドレスにも使われるため、変更すると影響が広がります。
たとえば、次のようなドメインです。
- example.co.jp
- example.jp
- example.com
ドメインを制作会社名義で取得している場合、依頼者側に管理画面のログイン情報が渡されていないことがあります。
その状態で制作会社と連絡が取れなくなると、更新期限が来ても手続きを進められません。
ドメインが失効すると、ホームページだけでなく、そのドメインを使ったメールも利用できなくなる可能性があります。
ドメインについて確認する項目
- 契約しているサービス名
- 契約者名
- 登録メールアドレス
- ログインID
- 更新期限
- 自動更新の設定
- 支払い方法
- ドメイン移管に必要な情報
- 会社名義で契約されているか
- 担当者個人のメールアドレスを使っていないか
登録メールアドレスは、退職する可能性がある個人のアドレスではなく、会社が継続して管理できるものを使用します。
サーバーを制作会社名義にするリスク
レンタルサーバーには、ホームページの画像、文章、プログラム、データベースなどが保存されています。
制作会社が複数の顧客サイトを一つのサーバーで管理している場合、自社だけの管理画面が用意されていないことがあります。
この状態では、次の作業を自社で行えません。
- サイトデータのバックアップ
- PHPなどの設定変更
- メールアドレスの追加
- SSL証明書の確認
- データベースの管理
- 別サーバーへの移転
- 契約プランの変更
- 支払い情報の確認
制作会社との保守契約を継続する場合でも、契約関係と管理範囲は把握しておく必要があります。
「毎月管理費を払っているから大丈夫」ではなく、契約終了時にデータを受け取れるか確認してください。
WordPressの管理者権限も確認する
WordPressには複数の権限があります。
記事を投稿できるアカウントを持っていても、すべての設定を変更できるとは限りません。
| 権限の状態 | できること | 注意点 |
|---|---|---|
| 投稿用アカウントのみ | お知らせやブログの投稿 | テーマやプラグインを管理できない |
| 編集者権限 | 複数の記事やページを編集 | サイト全体の設定変更は制限される |
| 管理者権限 | テーマ、ユーザー、設定を管理 | 重要な変更もできるため取り扱いに注意 |
| 制作会社だけが管理者 | 依頼者は更新作業のみ | 制作会社との連絡断絶時に移管しにくい |
納品時には、自社が管理するWordPress管理者アカウントを発行してもらいます。
制作会社のアカウントだけを残すのではなく、自社側のメールアドレスで登録された管理者が必要です。
ただし、管理者権限があっても、サーバーやドメインの契約情報がなければ完全な移管はできません。
「ホームページの所有権」で確認すべき4つの要素
ホームページの所有権という言葉は、複数の意味で使われます。
購入前には、次の四つを分けて確認してください。
1.ドメインの契約名義
URLを継続して使えるかに関係します。
自社名義で契約し、自社で更新できる状態にします。
2.サーバーの契約名義
サイトデータを置く場所の契約です。
自社が契約者であれば、制作会社を変更しても同じサーバーを使い続けられます。
3.サイトデータの管理権限
WordPress、画像、文章、データベース、バックアップなどを受け取れるか確認します。
制作会社独自のシステムを利用する場合は、契約終了後も利用できるか確認が必要です。
4.デザインや素材の利用条件
ロゴ、写真、イラスト、フォント、文章などには、それぞれ利用条件があります。
特に有料素材は、納品後も依頼者が利用できる範囲を確認します。
契約名義と著作権は別の問題です。
デザインの利用権があっても、ドメインへログインできなければサイトを維持できません。
制作会社名義と自社名義の違い
| 確認項目 | 制作会社名義 | 自社名義 |
|---|---|---|
| ドメイン更新 | 制作会社へ依頼 | 自社で手続き可能 |
| サーバー契約 | 制作会社の契約に依存 | 自社で契約を継続可能 |
| 制作者の変更 | 移管手続きが必要 | 新しい制作者を招待しやすい |
| 支払い情報 | 制作会社が管理 | 自社で確認可能 |
| 契約終了時 | データ受け渡し条件の確認が必要 | アカウントを保持できる |
| 連絡不能時 | サイト維持が難しくなる場合がある | 別の制作者へ相談しやすい |
| 管理の手間 | 少ない | 契約情報の社内管理が必要 |
制作会社名義にも、依頼者が契約や設定を行わなくてよい利点はあります。
ただし、長期的な事業サイトでは、制作会社を変更できる状態を残す方が安全です。
制作会社名義になっているか確認する方法
現在のサイトが誰の契約になっているか分からない場合は、次の順番で確認します。
契約時のメールを探す
社内メールを検索し、次の言葉を確認します。
- ドメイン
- サーバー
- 契約完了
- 更新期限
- WordPress
- SSL
- お支払い
- 管理画面
請求書だけでなく、契約完了メールや更新通知が届いているか確認してください。
制作会社から受け取った資料を確認する
納品書、マニュアル、パスワード一覧、保守契約書などを探します。
確認する情報は次のとおりです。
- サーバー会社名
- ドメイン管理会社名
- WordPressのURL
- ログインID
- 管理者メール
- バックアップ方法
- 保守契約の終了条件
社内の支払い履歴を確認する
ドメインやサーバーを自社契約していれば、年額または月額の請求履歴が残っている可能性があります。
制作会社への一括支払いしか見つからない場合は、制作会社側で契約している可能性があります。
制作会社へ質問する
次のように具体的に確認します。
「現在のホームページについて、ドメインとレンタルサーバーの契約名義、契約サービス名、更新期限をご案内ください。
また、WordPressの管理者アカウント、サイトデータのバックアップ、別の制作会社へ移管する場合に必要な手続きも確認したいです。」
「所有権はありますか」とだけ質問すると、デザインの権利について回答され、契約名義が確認できない場合があります。
制作会社と連絡が取れない場合に確認すること
制作会社から返信がない場合も、すぐにサイトを作り直す必要はありません。
まず、社内に残っている情報を集めます。
- WordPressへログインできるか
- サーバー会社が分かるか
- ドメイン管理会社が分かるか
- 契約メールが残っているか
- 自社名義の請求履歴があるか
- バックアップデータがあるか
- FTP情報を受け取っているか
- データベース情報があるか
- ドメインの更新期限が迫っていないか
- メールアドレスが同じドメインを使っているか
WordPressへログインできるだけでは、サイト全体を移転できないことがあります。
ログイン可能なうちに、記事、画像、固定ページなどの情報を確認し、必要に応じて保存します。
古いホームページをWordPressへ移行する選択肢
ホームページビルダー、FC2ホームページ、古いHTMLサイトなどは、更新方法を知っている人がいなくなると放置されやすくなります。
現在のサイトを維持するより、管理しやすいWordPressへ移行した方がよいケースがあります。
移行を検討する状態
- スマートフォンに対応していない
- 更新用パソコンが限定されている
- 制作ソフトが古く起動できない
- FTP情報が分からない
- 担当者の退職後に更新できない
- お知らせを追加するだけでHTML編集が必要
- 制作会社へ毎回修正を依頼している
- 古いページが検索結果に残っている
移行時には、古いサイトの文章をすべてコピーするのではなく、現在も必要な情報を選びます。
会社情報、サービス内容、料金、写真、問い合わせ先が古い場合は、移行前に修正してください。
移行前に残す情報と削除する情報を分ける
古いホームページには、現在使っていない情報が混在しています。
次の三つに分類すると整理しやすくなります。
新サイトへ残す
- 現在の会社概要
- 提供中のサービス
- 利用中の問い合わせ先
- 有効な実績
- 現在のスタッフ情報
- アクセス情報
- よくある質問
内容を修正して残す
- 古い料金
- 変更前の営業時間
- 過去の対応地域
- 表現が分かりにくいサービス説明
- 画質の低い写真
- 古い代表者メッセージ
削除を検討する
- 終了したキャンペーン
- 提供していないサービス
- 退職者の情報
- 古い求人
- リンク切れ
- 同じ内容の重複ページ
- 更新予定のない空のブログ
移行するページ数が増えると、制作期間や費用にも影響します。
見積もり時に、移行対象のURLを一覧で共有してください。
新しい制作を依頼する前の管理確認表
購入前に、次の項目を確認します。
| 項目 | 希望する状態 |
|---|---|
| ドメイン | 自社名義で契約 |
| サーバー | 自社名義で契約 |
| 登録メール | 会社管理のメールアドレス |
| WordPress | 自社の管理者アカウントを発行 |
| バックアップ | 保存場所と復元方法を確認 |
| 更新方法 | マニュアルを受け取る |
| 有料素材 | 納品後の利用条件を確認 |
| 制作会社変更 | 移管時に必要な情報を確認 |
| 保守契約 | 対応内容と解約条件を確認 |
| 実績掲載 | 掲載不可の場合は事前相談 |
見積もり金額だけでなく、納品後に何が残るかまで比較してください。
サーバーとドメインを自分で契約するWordPress制作
紹介するサービスでは、ホームページの所有権を利用者側に残すため、レンタルサーバーと独自ドメインを依頼者本人が契約する方針を採用しています。
契約方法が分からない場合は、取得方法やサービス選びについて相談できます。
制作内容には、次のような対応が含まれています。
- 更新しやすいWordPressサイト
- スマートフォン対応
- 修正回数無制限
- 更新方法マニュアル
- 文章やキャッチコピーの作成サポート
- Adobe Stockの画像素材
- シンプルなロゴ作成
- セキュリティ対策
- バックアップ設定
- アクセス解析の導入
- 完成後の運営相談
ホームページビルダー、FC2ホームページ、古いHTMLサイトからのリニューアルにも対応しています。
予約システム、ショッピング機能、イベントカレンダー、多言語化、LINE連携、会員制機能などは、有料オプションとして相談できます。
受付状況、制作範囲、納期、追加費用は、購入前の見積もり相談で確認してください。
見積もり相談で送るメッセージ例
「現在のホームページが制作会社名義のサーバーとドメインで運用されており、将来的な移管に不安があります。
次回は、ドメインとサーバーを自社名義で契約し、WordPressの管理者権限とバックアップを自社で保有できる状態にしたいです。
現在のサイトは○○で制作されており、残したいページはトップ、会社概要、サービス紹介、実績、問い合わせです。
現在分かっているログイン情報はWordPressのみです。既存サイトから移行可能か、事前に確認すべき情報、制作費、納期をご案内ください。」
現在の契約状態が分からない場合は、分からないこと自体を伝えてください。
制作前に確認できる情報を整理してもらうことで、移行可能か判断しやすくなります。
ホームページを自社の資産として残す
ホームページの管理で重要なのは、制作会社を一切頼らないことではありません。
必要なときに別の制作者へ相談できる状態を残すことです。
そのためには、次の条件を揃えます。
- ドメインを自社名義で契約する
- サーバーを自社名義で契約する
- 会社管理のメールアドレスを使う
- WordPressの管理者権限を持つ
- ログイン情報を社内で保管する
- バックアップを取得できるようにする
- 更新方法のマニュアルを受け取る
- 移管時に必要な情報を確認する
制作会社へ管理を任せる場合でも、契約名義とデータの受け渡し条件を把握しておけば、連絡不能や契約終了時のリスクを減らせます。
ホームページを作る前に、デザイン案だけでなく「完成後に誰が契約を持つか」を確認してください。

