Shopifyで越境ECを始めるには、ショップの見た目を作るだけでは足りません。販売する国、表示言語、通貨、決済方法、海外送料、関税の扱いまで決める必要があります。
設定項目が多いため、制作をまとめて外注することはできます。ただし、商品価格や返品条件まで何も伝えずに任せると、完成後に運営できないショップになりかねません。
丸投げしやすい作業と、依頼者が決めるべき内容を分けて考えることが大切です。
Shopify越境ECで丸投げできる作業
制作会社や制作者へ依頼しやすいのは、Shopify上で行う設定とページ制作です。
主な作業には次のものがあります。
- Shopifyストアの初期設定
- トップページや商品ページの作成
- スマートフォン表示の調整
- 販売国の設定
- 言語切り替えの設定
- 通貨表示の設定
- 海外向けの送料設定
- 決済方法の設定補助
- 問い合わせページの作成
- 返品・配送案内ページの作成
- 商品登録
- 必要なアプリの選定と導入
Shopifyには、販売地域ごとに言語、通貨、商品、価格、ドメインなどを分けるための国際販売機能があります。海外販売では、これらを個別に設定していきます。
作業自体は外注できますが、どの国へ何を売るのかは依頼者側で決めなければなりません。
丸投げしても依頼者が決めること
制作を任せる場合でも、事業に関する判断までは制作者が勝手に決められません。
最低限、次の内容を用意します。
1.販売する国
最初から全世界を対象にする必要はありません。
国を増やすほど、次の確認事項も増えます。
- 配送できるか
- 送料はいくらか
- 商品を輸出できるか
- 現地で需要があるか
- 問い合わせに対応できるか
- 返品を受け付けられるか
最初はアメリカだけ、英語圏だけなど、対象を絞ったほうが設定も運営も分かりやすくなります。
2.販売する商品
国内で販売している商品を、そのまま海外へ送れるとは限りません。
食品、化粧品、電池を含む商品、植物、医薬品に近い商品などは、国や配送方法によって扱いが変わります。
制作者には、少なくとも次の情報を渡します。
- 商品名
- 商品説明
- 販売価格
- 重量
- 梱包後のおおよその大きさ
- 原産国
- 素材や成分
- 海外販売から除外する商品
送料や関税の設定では、重量や原産国などの商品情報が必要になります。
3.表示する言語
英語だけにするのか、日本語と英語を切り替えられるようにするのかを決めます。
商品名だけでなく、次の文章も翻訳が必要です。
- 商品説明
- メニュー
- 配送案内
- 返品・返金条件
- よくある質問
- 問い合わせフォーム
- 注文後に送るメール
自動翻訳を使う場合も、ブランド名、素材名、サイズ表記などは人の目で直したほうが安全です。
特に返品条件や配送日数は、意味が変わると購入後のトラブルにつながります。
4.海外向けの販売価格
日本円の商品価格を自動換算して表示する方法と、国ごとに価格を決める方法があります。
海外価格には、国内販売にはない費用も含めて考えます。
- 国際配送費
- 梱包資材
- 決済手数料
- 為替変動
- 返品時の負担
- 海外向け広告費
- 翻訳や問い合わせ対応の費用
国内価格をそのまま換算しただけでは、注文が入動
- 返品時の負担
- 海外向け広告費
- 翻訳や問い合わせ対応るほど利益が減ることもあります。
5.海外送料
送料は、ショップ制作の中でも依頼者側の情報が必要になりやすい部分です。
制作者はShopifyへの設定を行えますが、実際にいくらで送れるかは、商品、箱の大きさ、重量、配送会社、送り先によって変わります。
| 設定方法 | 特徴 |
|---|---|
| 一律送料 | 分かりやすいが、遠い国への配送で赤字になりやすい |
| 国・地域別送料 | 実際の送料に近づけやすい |
| 重量別送料 | 重い商品と軽い商品を分けられる |
| 購入金額別送料 | 一定金額以上を送料無料にできる |
| 配送会社の計算送料 | 条件に応じた送料を表示できるが、利用条件の確認が必要 |
Shopifyでは、販売先を有効なマーケットへ追加し、その国を含む配送エリアと配送料を設定します。マーケットだけを有効にし412390search7turn412390search13
6.関税を誰が負担するか
海外発送では、商品代金と送料のほかに関税や輸入時の税金がかかることがあります。
購入者が受け取り時に払うのか、ショップ側があらかじめ集めるのかによって、表示や案内が変わります。
少なくとも、配送案内には次の内容を載せます。
- 関税が発生することがある
- 誰が支払うのか
- 支払いを拒否された場合の扱い
- 返送された場合の送料負担
- 商品代金を返金する条件
関税額は商品、原産国、配送先などで変わるため、制作担当者だけに判断を任せるものではありません。必要に応じて配送会社、税関、税務の専門家へ確認します。
7.返品と問い合わせの対応方法
海外から返品されると、商品代金より返送料が高くなることがあります。
制作前に次の内容を決めます。
- 返品を受け付ける期間
- 購入者都合の返品を認めるか
- 不良品の判断方法
- 返送料を誰が負担するか
- 返金する金額
- 関税や送料を返金するか
- 問い合わせに使う言語
- 返信する時間帯
返品先住所を日本にするのか、海外の倉庫を使うのかによっても条件は変わります。
「丸投げ」の範囲は依頼先によって違う
越境EC制作と書かれていても、依頼できる範囲は同じではありません。
| 作業 | 制作に含まれやすい | 別途確認が必要 |
|---|---|---|
| ページのデザイン | ○ | |
| Shopifyの初期設定 | ○ | |
| スマホ対応 | ○ | |
| 言語切り替え | ○ | |
| 翻訳文の作成 | ○ | |
| 商品登録 | ○ | |
| 海外送料の設定 | ○ | |
| 配送会社との契約 | ○ | |
| 関税や税金の判断 | ○ | |
| 海外向け広告運用 | ○ | |
| 納品後の商品更新 | ○ | |
| 海外からの問い合わせ対応 | ○ |
「越境ECサイト一式」とだけ伝えず、必要な作業を一覧にして見積もりを取ります。
依頼前に用意すると進みやすい資料
最初から完璧な資料を作る必要はありません。
次の内容を一つの文書や表にまとめておくだけでも、見積もりのずれを減らせます。
- 販売したい国
- 対応したい言語
- 商品数
- 商品写真の有無
- 商品説明文の有無
- 希望するデザイン
- 参考にしたいショップ
- 予定している配送会社
- 商品の重量と箱の大きさ
- 希望する決済方法
- 公開したい時期
- 納品後に自分で更新したい部分
商品情報がまだそろっていない場合は、何をいつまでに用意できるかも伝えます。
完成後の運営方法まで確認する
越境ECサイトは、公開して終わりではありません。
公開後には次の作業が発生します。
- 商品の追加と在庫更新
- 価格の変更
- 為替変動への対応
- 注文確認
- 海外発送
- 追跡番号の連絡
- 問い合わせ対応
- 返品や返金
- アプリの更新
- 売上やアクセスの確認
自分で管理画面を触る予定なら、納品時に操作方法も確認しておきます。
特に、商品登録、送料変更、注文処理、返金の方法は、実際の運営で使う場面が多い項目です。
Shopify越境ECの制作を外注する場合
依頼先を選ぶときは、完成画面のきれいさだけでなく、海外送料、言語、通貨、決済などをどこまで設定できるかを確認します。
また、納品後に質問できる期間、修正の範囲、自分で用意する資料も見積もり前に聞いておくと、制作途中の追加作業を減らせます。
まとめ
Shopify越境ECの制作は、ページ作成から販売国、言語、通貨、送料の設定までまとめて外注できます。
ただし、販売する商品、対象国、価格、返品条件、関税の扱いなど、事業者にしか決められない内容は残ります。
依頼前には「何も分からないので全部任せたい」だけで終わらせず、販売国、商品数、配送方法、対応言語を伝えてください。依頼先が設定する部分と、自分で判断する部分を先にけておくと、完成後に使いやすい越境ECサイトになります。

