スパイファミリー風のオープニングムービーを外注しようとすると、まとまった枚数の写真を求められることがあります。
「お気に入りの写真ならたくさんある」と思っていても、新郎だけ、新婦だけ、ふたり一緒という条件に分けると、必要な写真が足りないことは珍しくありません。横向き写真を指定され、使いたかった縦写真を外すべきか迷うこともあります。
写真35枚を選ぶときは、画質のよい順に並べるのではなく、ムービー内での役割を決めてから選ぶと整理しやすくなります。
写真35枚は3つのグループに分ける
写真を一度に35枚選ぼうとすると、似た構図ばかり残ったり、片方の写真だけ多くなったりします。
最初に、新郎、新婦、ふたりの3グループへ分けてください。
配分の一例は次の通りです。
| パート | 枚数 | 主な内容 |
|---|---|---|
| 新郎 | 7枚 | 一人写真、趣味、家族や友人との写真 |
| 新婦 | 7枚 | 一人写真、趣味、家族や友人との写真 |
| ふたり | 21枚 | 出会い、旅行、日常、前撮り |
| 合計 | 35枚 |
オープニングムービーは、生い立ちを詳しく紹介するプロフィールムービーとは役割が違います。
新郎新婦の幼少期から現在までを均等に並べるより、現在のふたりがわかる写真を多めにしたほうが、入場前の映像としてまとまりやすくなります。
新郎の写真7枚を選ぶ順番
新郎の写真は、前撮りの一人写真だけでそろえる必要はありません。
次のように役割を分けると、7枚でも表情に変化が出ます。
- 顔がはっきり見える一人写真
- 全身が写った写真
- 笑っている自然な写真
- 趣味やスポーツ中の写真
- 家族と写った写真
- 友人と写った写真
- タキシードや前撮りの写真
7種類すべてを用意できなくても問題ありません。
大切なのは、同じ場所で撮った似たポーズの写真を並べすぎないことです。前撮り写真が多い場合は、正面、横顔、歩いている姿、座っている姿など、構図が違うものを残します。
新婦の写真7枚を選ぶ順番
新婦側も、新郎と同じ考え方で選びます。
- 顔がよく見える写真
- 全身が写った写真
- 笑顔や自然な表情
- 趣味や好きなことがわかる写真
- 家族との写真
- 友人との写真
- ドレスや前撮りの写真
ドレス姿の写真が多い場合は、衣装違いだけで選ばず、表情や背景も比べてください。
白いドレスの写真が5枚続くより、日常写真や友人との写真を間に入れたほうが、その人らしさを出せます。
ふたりの写真21枚は出来事ごとに集める
ふたりの写真は枚数が多いため、気に入った順に選ぶと旅行写真や前撮り写真へ偏りがちです。
次のように出来事ごとに候補を集めます。
- 出会った頃
- 初めて撮った写真
- 初めての旅行
- 誕生日や記念日
- 季節の行事
- 共通の趣味
- 日常の食事や外出
- 家族との写真
- 友人との写真
- プロポーズ
- 入籍
- 結婚式準備
- 前撮り
すべての項目を入れる必要はありません。
同じ旅行から10枚選ぶのではなく、旅行ごとに1〜2枚までに絞ると、短い映像でもふたりの時間の流れが伝わります。
最初と最後に使う写真を先に決める
35枚を順番に選ぶ前に、冒頭と最後の写真を決めておくと構成がぶれません。
冒頭には、ふたりの顔がはっきり見え、ムービーの雰囲気が伝わる写真が向いています。
最後には、入場につながる決め写真を使います。
- ふたりが正面を向いている
- タキシードとドレスがよく見える
- 表情が明るい
- 背景が散らかっていない
- 文字を置ける余白がある
- 横長に切っても人物が残る
お気に入りでも、人物が小さく写っている写真は、最後より中盤に使うほうが合うことがあります。
横向き写真が使いやすい理由
結婚式場のスクリーンや一般的なムービーは横長です。横向き写真は画面へ収まりやすく、人物を大きく見せやすい傾向があります。
特に使いやすいのは、次のような写真です。
- 人物が画面の中央付近にいる
- 頭や足元が切れていない
- 左右に少し余白がある
- 背景と人物の境目がわかる
- 顔に強い影がない
- 大きく表示してもぼやけない
横向きであっても、人物が端に寄りすぎている写真は、映像のレイアウトによって顔が切れることがあります。
候補写真を送るときは、「背景の建物も残したい」「ドレスの裾まで見せたい」など、切ってほしくない部分も書いておきます。
縦向き写真しかない場合
横向き写真が足りなくても、縦写真をすべて外す必要はありません。
縦写真には次の使い方があります。
- 2枚または3枚を横に並べる
- 画面中央に置き、左右へ文字を入れる
- 背景に同じ写真をぼかして表示する
- 写真フレームの中へ入れる
- 人物の顔を中心に横長へ切り取る
縦写真を横長に切る場合は、顔、髪型、衣装のどこまで残るかを見ます。
全身写真を無理に横長へすると、頭や足元が切れます。全身を見せたい写真は縦のまま使い、別の写真や装飾と組み合わせたほうが自然です。
前撮り写真がない場合
スパイファミリー風のオープニングムービーには、前撮り写真が必須というわけではありません。
次の写真でも構成できます。
- 入籍日に撮った写真
- 旅行先で撮った写真
- 友人に撮ってもらった全身写真
- 結婚式準備中の写真
- 顔合わせ後の写真
- 日常のツーショット
- セルフタイマーで撮った写真
前撮り写真がない場合は、ムービー用に数枚だけ撮り足す方法もあります。
明るい場所でスマートフォンを横向きにし、人物の周囲へ少し余白を残して撮ります。正面写真だけでなく、歩く、振り返る、背中合わせになるなど、ポーズを変えておくと選びやすくなります。
横向き写真を撮り足すときの構図
ムービー用に撮り足すなら、普段の記念写真より少し引いて撮ります。
画面いっぱいに顔を入れると、映像内で文字や装飾を置く場所がなくなるためです。
撮っておきたい構図は次の通りです。
- ふたりが中央に並ぶ
- 新郎が左、新婦が右に立つ
- 新郎が右、新婦が左に立つ
- 背中合わせになる
- 歩いているところを撮る
- ふたりで同じ方向を見る
- 片方だけがカメラを見る
- 画面の左右に余白を残す
背景は白い壁でなくても構いません。
公園、街並み、カフェの外観などを使う場合は、通行人や看板が大きく写り込まない場所を選びます。
同じポーズの前撮り写真を減らす
前撮りでは短時間に多くの写真を撮るため、候補が似た構図に偏りやすくなります。
次の順番で減らしてください。
- 目を閉じている写真を外す
- 表情が硬い写真を外す
- 顔が小さすぎる写真を外す
- 同じ場所、同じポーズから一枚を残す
- 衣装違いより構図の違いを優先する
- 冒頭と最後の写真を残す
前撮り写真を減らした分、日常の写真を入れると、新郎新婦の普段の雰囲気も伝わります。
集合写真は人数と表示サイズを見る
友人や家族との集合写真は、ゲストにも喜ばれやすい素材です。
ただし、人数が多い写真を小さな枠へ入れると、誰が写っているのかわからなくなります。
集合写真を使うなら、次の点を見ます。
- 人数が多すぎない
- 新郎新婦がどこにいるかわかる
- 顔が暗くつぶれていない
- 別の写真と重ねても見える
- 内輪だけにしか伝わらない写真ではない
大人数の写真は一画面へ一枚、小人数の写真は別の写真と並べるなど、人数に合わせて使い分けます。
コメントは短い言葉に絞る
テンポの速いオープニングムービーでは、長いコメントを読む時間がありません。
文章を入れる場合は、一度見ただけで意味が伝わる長さにします。
| 長いコメント | 短くしたコメント |
|---|---|
| 本日は私たちの結婚披露宴にお越しいただきありがとうございます | 本日はお越しいただき、ありがとうございます |
| これから楽しい披露宴が始まりますので最後までお楽しみください | まもなく披露宴が始まります |
| ふたりらしい笑顔いっぱいの家庭を築いていきたいと思います | 笑顔の絶えない家庭を築きます |
| おいしい料理と飲み物を用意しましたので楽しんでください | 料理とお酒もお楽しみください |
写真へ入れる言葉も、「沖縄旅行」「前撮り」のような説明だけではなく、ふたりらしい一言にすると印象に残ります。
作品を思わせる演出と作品素材の使用は別
スパイ映画や秘密任務を思わせる雰囲気は、一般的なデザイン要素でも作れます。
- 暗号風の文字
- 秘密書類
- 赤いスタンプ
- 地図や作戦図
- 緑、赤、黒を使った配色
- ミッション形式の見出し
- スーツ姿の新郎新婦
- 軽快な場面転換
一方、実在作品のロゴ、キャラクター画像、アニメ映像、固有の衣装や台詞をそのまま使うこととは別です。
文化庁は、既存作品をもとにした二次創作にあたる場合、原則として権利者の許諾や公開されている利用ガイドラインの確認が必要だと案内しています。
どの素材を使う予定なのか、完成映像をSNSへ投稿する予定があるのかも、制作前に伝えてください。
BGMを映像へ入れる場合
市販音源をムービーへ収録する場合は、会場でBGMとして再生する場合とは扱いが異なります。
ISUMによると、結婚式用映像へ市販音源を収録する際は、作詞家・作曲家の著作権と、レコード会社などが持つ著作隣接権の手続きが必要です。
依頼前に次の点を整理します。
- 使用する曲
- 音源を誰が用意するか
- ISUM申請を誰が行うか
- 式場がISUM登録事業者と契約しているか
- 映像終了後の入場曲
- 完成映像をSNSへ公開するか
「式場で流せる曲」と「ムービーに収録できる曲」は同じとは限りません。曲を先に決めている場合は、制作を始める前に式場と制作側の両方へ伝えます。
式場へ聞いておく内容
写真を提出する前に、式場の上映条件を確認します。
- 画面比率は16対9か4対3か
- MP4データを持ち込めるか
- DVDやBlu-rayが必要か
- 映像の前後に黒画面が必要か
- 文字を置いてよい範囲
- 音楽の手続き方法
- 完成品の提出期限
- 本番前に試し再生できるか
式場から映像持ち込みの案内を受け取っている場合は、内容を自分で書き直さず、そのまま制作する人へ送ります。
写真ファイルの整理方法
写真が決まったら、送信前にファイル名を変えます。
- 01_新郎_一人写真
- 02_新郎_友人
- 03_新婦_一人写真
- 04_新婦_家族
- 05_ふたり_初旅行
- 06_ふたり_日常
- 07_ふたり_前撮り
- 08_最後に使いたい写真
候補写真を多めに送る場合は、フォルダも分けます。
- 必ず使いたい
- できれば使いたい
- 構成に合えば使いたい
- 使用しなくてもよい
- 横向きへ切り取ってよい
- 縦向きのまま使いたい
加工済みの写真だけでなく、元データも残してください。制作中に別の切り取り方が必要になった場合、元データがあるほうが調整しやすくなります。
制作前にまとめる情報
写真35枚とあわせて、次の内容も一つにまとめます。
- 挙式日
- 式場への提出期限
- 希望する完成日
- 画面比率
- 納品形式
- 新郎新婦の名前
- ローマ字表記
- 写真を使う順番
- 冒頭に使いたい写真
- 最後に使いたい写真
- コメント
- 使用する曲
- 音楽申請を誰が行うか
- 式場からの注意事項
- 避けたい色や演出
- SNSへ投稿する予定
「スパイ風にしたい」だけでなく、かっこよさを重視するのか、コミカルにしたいのかも書いておくと、希望する雰囲気を伝えやすくなります。
まとめ
スパイファミリー風オープニングムービーの写真35枚は、新郎、新婦、ふたりの3グループへ分けると選びやすくなります。
横向き写真を中心にしながら、縦写真は複数枚を並べる、背景を加える、写真フレームに入れるといった方法で使えます。横向き写真が足りなければ、日常写真を探すか、スマートフォンで数枚撮り足してください。
写真のきれいさだけで選ばず、一人写真、家族や友人との写真、日常、旅行、前撮りに役割を分けます。最初と最後に使う写真を先に決めておけば、似た写真ばかり残るのも防げます。
最後に、式場の画面比率、納品形式、音楽の手続き、作品素材の扱いを確認し、ファイル名と優先順位を整理してから制作へ進めてください。

