広告バナーを外注したいものの、掲載する文章やレイアウトが決まっていない。商品写真と販売ページはあるが、バナーに何を載せればよいのかわからない。
このような場合は、完成した原稿を渡してデザインだけを頼むのではなく、情報の優先順位や見せ方を含めて相談できる制作先を探します。ただし、「すべておまかせ」と伝えるだけでは、商品やサービスの強みまでは正確に伝わりません。
構成を考えてもらう場合でも、依頼者が用意する情報と、デザイナーに任せる部分を分けておく必要があります。
広告バナーの「構成」とは何を決める作業なのか
広告バナーの構成は、文字や写真をきれいに並べることだけではありません。
主に次の内容を整理します。
- 誰に見せる広告なのか
- 最初に何を伝えるのか
- 商品やサービスのどの特徴を載せるのか
- 価格や期間などの条件をどこに置くのか
- クリック後に何が見られるのか
- 最後にどの行動を促すのか
同じ商品でも、広告の目的によって構成は変わります。
新商品の存在を知ってもらう広告なら、商品名や写真を大きく見せます。申し込みを増やす広告なら、対象者の悩み、得られる結果、料金や特典、申し込みを促す言葉の順番を考えます。
見た目を整える前に、何をどの順番で読ませるかを決める作業が必要です。
構成から頼める範囲は制作先によって違う
「構成から対応」と書かれていても、含まれる作業は同じとは限りません。
| 依頼内容 | 主な作業 |
|---|---|
| デザインのみ | 指定された文章や写真を配置する |
| 情報整理を含む | 提供された文章から掲載内容を絞る |
| 構成提案を含む | 情報の順番や見せ方を考える |
| キャッチコピー提案を含む | メインとなる短い文章を考える |
| 原稿作成を含む | 商品資料などをもとに文章を作る |
特に確認したいのは、文章を短く整える作業と、文章をゼロから作る作業の違いです。
商品ページに書かれている内容から、バナーに載せる部分を選んでもらうだけなら、情報整理に含まれることがあります。一方、商品の特徴を調べ、広告用のキャッチコピーを新しく作る場合は、別の作業として扱われることがあります。
依頼前に、どこまで決まっていて、どこから考えてほしいのかを伝えておくと認識がずれにくくなります。
原稿がなくても商品情報は必要
原稿が完成していなくても依頼はできますが、商品やサービスの情報まで空白のままでは構成を作れません。
最低限、次の情報を用意します。
- 広告する商品やサービス
- 広告を見せたい相手
- バナーを掲載する場所
- クリック後に開くページ
- 広告を見た人に取ってほしい行動
- 最も伝えたい特徴
- 料金、期間、対象地域などの条件
- ロゴ、商品写真、人物写真などの素材
- 掲載してはいけない表現
長い説明文を書く必要はありません。箇条書きで構わないので、事実を渡します。
たとえば美容サロンの予約広告なら、次のようにまとめられます。
- 掲載先:Instagram広告
- 目的:初回予約を増やす
- 対象:近隣に住む30代から40代の女性
- 主な悩み:肩や首の疲れ
- 伝えたい内容:個室、女性スタッフ対応、初回限定メニュー
- クリック後:予約ページ
- 掲載期間:8月末まで
- 避けたい表現:必ず治る、効果を保証する表現
この情報があれば、何を大きく見せ、何を補足に回すかを考えやすくなります。
「おまかせ」だけでは仕上がりがずれやすい
デザインの雰囲気は任せられても、広告の目的までデザイナーが決めることはできません。
「女性向けにおしゃれな感じで」「売れそうなバナーにしてください」といった依頼では、判断材料が不足します。
女性向けといっても、対象が20代なのか60代なのかで写真や色は変わります。高級感を出したいのか、親しみやすさを出したいのかでも見せ方は違います。
参考画像を送る場合も、「このデザインに近づけてください」だけではなく、参考にした部分を書き添えます。
- 写真の明るさを参考にしたい
- 文字の大きさと配置を参考にしたい
- 落ち着いた色の組み合わせを参考にしたい
- 商品写真を大きく見せる構成を参考にしたい
参考画像のどこがよいのかを伝えると、表面的な模倣ではなく、希望に合ったデザインを作りやすくなります。
バナーとリンク先の内容をそろえる
バナーだけを目立たせても、クリック後のページと内容が違えば、申し込みや購入にはつながりにくくなります。
バナーに「初回限定」と書いているなら、リンク先でも対象者や条件がすぐにわかる状態にします。広告では割引を強調しているのに、リンク先で通常料金しか見つからなければ、閲覧者はページを閉じてしまいます。
構成を依頼するときは、リンク先のURLも渡します。
まだページを公開していない場合は、次のいずれかを共有します。
- テスト用ページ
- ページの画面画像
- ページ構成がわかる資料
- 掲載予定の文章
- 商品説明書や営業資料
バナーとリンク先を別々に考えず、同じ内容を短くしたものとして作ると、広告からページへ自然につながります。
初稿では見た目より情報の順番を見る
最初のデザイン案が届いたら、色や写真の好みだけで判断しないようにします。
先に見るのは、次の部分です。
| 確認する部分 | 見るポイント |
|---|---|
| メインの言葉 | 最初に伝えたい内容になっているか |
| 情報の順番 | 商品名、特徴、条件の順番が自然か |
| 文字量 | 小さな画面でも読める量か |
| 写真 | 商品や対象者を誤解させないか |
| ボタン周辺 | クリック後の内容が想像できるか |
| リンク先との関係 | 広告とページの内容が一致しているか |
スマートフォン向けの広告では、パソコン画面で拡大して見るだけでなく、実際の表示サイズに縮小して確認します。
細い文字や小さな注意書きは、制作画面では読めても、広告として表示すると見えないことがあります。
修正は変更箇所と理由をセットで伝える
「もっと目立たせてください」「少し違う感じです」という修正指示では、どこをどう変えるのかが伝わりません。
次のように、変更箇所と理由を一緒に書きます。
- 商品名より初回料金を大きくしたい。価格を見て検討する人が多いため
- 背景を暗くしたい。掲載ページの白い背景に埋もれているため
- 人物写真を小さくしたい。商品そのものを中心に見せたいため
- ボタンの文言を「詳しく見る」に変えたい。リンク先が購入画面ではなく説明ページのため
修正理由がわかれば、指定した部分だけでなく、周辺の文字や配置も合わせて調整できます。
反対に、初稿を見てから対象者や広告の目的を変更すると、構成から作り直すことになります。依頼前に決める部分と、初稿後に調整する部分を分けておくと進めやすくなります。
広告バナー制作を依頼する場合に整理すること
依頼文を書く前に、次の項目を一つのメモにまとめます。
使用場所とサイズ
Google広告、Yahoo!広告、Instagram、LINE、Webサイト内など、掲載場所を伝えます。
必要な縦横サイズがわからない場合は、広告の管理画面や掲載先の仕様を確認します。複数サイズが必要なときは、最初から一覧にしておきます。
広告の目的
認知を広げたいのか、商品ページを見てもらいたいのか、予約や購入を増やしたいのかを決めます。
目的が複数ある場合は、最も優先するものを一つ選びます。
対象者
年齢や性別だけでなく、どのような状況で商品を探している人なのかを書きます。
「30代女性」よりも、「仕事帰りに通える近隣のサロンを探している30代女性」としたほうが、写真や言葉を選びやすくなります。
掲載する事実
商品名、料金、期間、対象者、開催日、場所など、間違えると困る情報をまとめます。
数字や日付は、依頼文と添付資料で内容が食い違っていないか見直します。
使用できる素材
ロゴ、写真、イラスト、ブランドカラー、以前使用した広告などをまとめます。
写真の利用許可や素材サイトの利用条件も確認します。インターネット上で見つけた画像を、そのまま広告に使うことは避けます。
納品後の使い方
画像だけでよいのか、後から文字を変えられる編集用データも必要なのかを決めます。
広告期間や料金を頻繁に変更する場合は、納品後の修正方法まで考えておきます。
確認担当者
社内で複数人が確認する場合は、意見をまとめてから修正を依頼します。
担当者ごとに異なる指示を送ると、修正のたびに方向が変わります。最終的に判断する人を決めておくと、やり取りが長引きません。
まとめ
広告バナーは、完成した原稿がなくても構成から依頼できます。
ただし、商品情報や対象者、広告の目的まで制作側に任せることはできません。依頼者は広告の材料となる事実を用意し、デザイナーには情報の優先順位や見せ方を考えてもらいます。
依頼前には、掲載場所、サイズ、対象者、伝えたい内容、リンク先、使用素材を整理します。初稿が届いた後は、好みだけでなく、最初に読ませたい内容やリンク先とのつながりを確認します。
原稿を完璧に仕上げてから依頼する必要はありません。何が決まっていて、どこから提案してほしいのかを明確にすることが、構成から外注するときの基本です。

