歌ってみたの公開日が迫っているのに、MIX済み音源と動画を一つのファイルにできない。自分で書き出してみたものの、音がずれる、画質が落ちる、投稿時にエラーが出る。
このような場合は、エンコードだけを外注できます。
ただし、即日で頼むには、音源と動画を送るだけでは足りません。投稿先、公開予定時刻、短尺版の有無、使う場面などが決まっていないと、作業途中で確認が必要になります。
依頼前に素材と指示を一度でそろえられるかが、納品までの時間を左右します。
- 歌ってみたのエンコードとは何をする作業か
- MIX・動画編集・エンコードは別の作業
- 即日依頼では本当の締め切りを伝える
- 即日作業を止めやすい7つの不足
- 投稿先ごとに同じファイルを使えないことがある
- 即日依頼で最初に送る5つのもの
- WAV・MP3・動画ファイルの違いが分からないとき
- 音質を落としたくない場合に伝えること
- 元動画の音声が残っていないかを見る
- 音ずれは最初と最後の両方を見る
- 画質確認は一時停止して行う
- エンコードだけでは直らない問題
- 「投稿できた」と「完成した」は同じではない
- 即日依頼で減らした方がよい作業
- 初稿の修正は一度にまとめる
- 即日で頼めないケースもある
- 依頼文に書く内容
- 投稿直前のエンコードを外注するとき
- まとめ
歌ってみたのエンコードとは何をする作業か
歌ってみたのエンコードは、MIX済みの歌声と映像を組み合わせ、投稿できる動画ファイルへ書き出す作業です。
大まかには次の流れで進みます。
- MIX済み音源を読み込む
- 本家動画や自作映像を読み込む
- 音源と映像の開始位置を合わせる
- 必要に応じて元動画の音声を消す
- 投稿先に合う設定で書き出す
- 再生して音ずれや途切れを確認する
単にファイル形式を変換するだけではありません。
本家動画の冒頭に無音がある、MIX済み音源の開始位置が少し違う、映像と音源の長さが一致しないといった場合は、タイミングも合わせます。
MIX・動画編集・エンコードは別の作業
歌ってみた制作では、似た言葉が並ぶため、どこまで完成しているのか分からなくなることがあります。
| 作業 | 主な内容 |
|---|---|
| MIX | 歌声の音程、タイミング、音量、音質などを整える |
| マスタリング | 完成した音源全体の音量や聞こえ方を整える |
| 動画制作 | イラスト、歌詞、動き、演出などを組み立てる |
| エンコード | 完成音源と動画を合わせて投稿用ファイルにする |
| 短尺編集 | Xなどへ載せる部分を切り出す |
エンコードだけを頼む場合、歌声の音程修正やノイズ除去は通常含まれません。
静止画から歌詞入りMVを作る作業や、複数のイラストを動かす作業も、単純なエンコードとは別です。
依頼前に、現在持っているものが次のどの段階かを伝えます。
- 録音したままの歌声
- MIX済みの音源
- 映像のないイラスト
- 完成済みの動画
- 本家動画のURL
- 投稿直前の動画ファイル
即日依頼では本当の締め切りを伝える
「今日中」「なるべく早く」では、必要な時刻が分かりません。
公開予定が21時でも、その前に概要欄、サムネイル、公開設定を準備するなら、動画は18時までに必要かもしれません。
次の時刻を分けて伝えます。
- 動画を公開する時刻
- 投稿作業を始める時刻
- 完成ファイルが必要な時刻
- 初稿を確認できる時刻
- 修正の連絡ができる最終時刻
たとえば、次のように書きます。
- 公開予定:8月10日21時
- YouTubeへのアップロード開始:18時
- 希望納品:17時
- 初稿確認:受領後30分以内
- 修正連絡:18時まで可能
動画はアップロード後に処理時間がかかることがあります。
完成ファイルが公開時刻の直前に届く予定ではなく、アップロードと確認の時間も残します。
即日作業を止めやすい7つの不足
1.MIX済み音源が完成していない
エンコードは、完成した音源を動画へ合わせる作業です。
MIX担当者から修正版が届く予定なら、どのファイルが最終版なのか確定するまで作業を始めにくくなります。
音源を送る前に、次の点を見ます。
- 歌声の修正が終わっている
- 音量が確定している
- 冒頭や最後の無音が意図した長さになっている
- 曲の途中で音が切れていない
- 以前の修正版と混ざっていない
- ファイルを最後まで再生できる
ファイル名は「final」だけではなく、日付や番号を付けます。
- song_mix_20260810.wav
- song_mix_fix02.wav
- song_mix_final_approved.wav
修正のたびに「最終」「最終2」「本当の最終」と増やすより、番号を付けた方が見分けやすくなります。
2.使用する動画が決まっていない
本家動画を使うのか、自作MVを使うのか、静止画を使うのかで作業は変わります。
外注先へは、次のいずれかを渡します。
- 使用許可のある動画ファイル
- 配布元が指定している動画データ
- 自分で制作したMV
- イラストと簡単な表示方法
- 使用したい動画の案内URL
URLだけを送る場合は、その動画をどのように入手し、再利用してよいのかも確認します。
動画が公開されていることと、歌ってみたへ自由に使えることは同じではありません。配布元や権利者が示している利用条件を見ます。
3.音源と動画の開始位置が分からない
音源と動画の長さが同じでも、先頭位置が合うとは限りません。
よくあるのは次の状態です。
- 動画の冒頭に数秒のロゴがある
- 音源の先頭に無音がある
- カウント音を削除した位置が違う
- 本家動画とオフボーカルの開始位置が違う
- MIX時に曲の前後が短くなっている
希望する開始位置がある場合は、秒数で伝えます。
- 動画の3.2秒から音源を開始
- 最初のロゴが終わってから歌を入れる
- 音源の先頭0.8秒を削る
- 最後の余韻は映像終了まで残す
分からない場合は、「本家動画と同じ位置に合わせたい」と書きます。
4.投稿先が決まっていない
YouTube、ニコニコ動画、Xでは、投稿できる動画の長さ、容量、比率などが同じではありません。
YouTubeでは、MP4コンテナ、H.264映像、AAC-LCなどの音声が推奨され、録画時と同じフレームレートでのアップロードが案内されています。
Xでは、一般アカウントとPremiumで投稿可能な長さや容量が異なります。一般アカウントについて、公式ヘルプでは最大140秒、最大512MBと案内されています。
「SNS用」とだけ書かず、投稿する場所をすべて伝えます。
- YouTube
- ニコニコ動画
- X
- 別の動画サイト
- 複数サイトへ同時投稿
一つの完成ファイルをすべての投稿先へ使うのか、投稿先ごとに別ファイルを作るのかも決めます。
投稿先ごとに同じファイルを使えないことがある
長尺動画をYouTubeとニコニコ動画へ投稿し、その一部をXでも告知したい場合、X用は単なる容量変更では済まないことがあります。
| 用途 | 主に必要になるもの |
|---|---|
| YouTube用 | 曲全体を収録した横長動画 |
| ニコニコ動画用 | 曲全体を収録した投稿用動画 |
| X告知用 | 見せ場を短く切り出した動画 |
| 縦型SNS用 | 縦長画面に合わせた再配置 |
| ティザー用 | 公開日や案内を入れた短い予告 |
X用では、どの場面を使うかを決めます。
- サビ
- 歌い出し
- 高音部分
- イラストが切り替わる場面
- 最も見てほしい歌詞
- 曲名が表示される場面
「良いところを切り取ってください」だけでは、歌い手が見せたい部分と違うことがあります。
開始秒と終了秒を指定すると確実です。
- 1分02秒から1分42秒
- 2番サビの直前から40秒
- 曲名表示を含めて30秒
- 最後はフェードアウト
即日依頼で最初に送る5つのもの
1.MIX済み音源
できれば圧縮前の音源を送ります。
依頼先から形式の指定がある場合は、その形式に合わせます。自分で別形式へ変換すると、不要な再圧縮が入ることがあります。
ファイル共有サービスを使う場合は、次の点も見ます。
- ダウンロード期限
- パスワード
- ファイル名
- 正しい音源か
- ダウンロードできるか
期限が当日中に切れる設定では、作業開始時に取得できないことがあります。
2.動画素材
動画ファイルがある場合は、元の画質に近いデータを送ります。
メッセージアプリを経由した動画は、自動で圧縮されることがあります。制作時のファイルや、共有サービスに保存したデータを使います。
URLを送る場合は、次の内容も添えます。
- 曲名
- 本家動画
- 配布元
- 使用条件
- 使用する映像の版
- 歌詞や映像の変更があるか
同じ曲に複数の公式動画がある場合は、間違えないようにします。
3.投稿先
投稿するサイトをすべて書きます。
一つのサイトだけなら、そのサイト名を書きます。
複数ある場合は、必要なファイルを分けます。
- YouTube用:フル動画
- ニコニコ動画用:フル動画
- X用:サビ部分
- その他:必要なし
4.希望納品時刻
日付だけでなく、時刻も伝えます。
即日対応できるかどうかは、依頼した時間、動画の長さ、素材の状態、修正の有無で変わります。
「今日中に可能ですか」と聞くときも、必要な時刻を添えます。
5.短尺版の指示
X用などの短い動画が必要なら、次の内容を決めます。
- 使用する開始位置
- 使用する終了位置
- フェードインの有無
- フェードアウトの有無
- 曲名を入れるか
- 公開日を入れるか
- 音量を変えるか
- 横長のまま使うか
長尺版が完成してから短尺版を追加すると、納期に影響します。
最初から必要だと分かっている場合は、同時に伝えます。
WAV・MP3・動画ファイルの違いが分からないとき
ファイル形式を自分で判断できなくても、無理に変換する必要はありません。
現在持っているファイルを伝え、どれを送ればよいか聞きます。
WAV
MIX担当者から納品されることが多い音声ファイルです。
MP3よりファイル容量は大きくなりますが、音質を保った状態で次の作業へ渡しやすくなります。
MP3
容量が小さく、確認や共有には便利です。
ただし、すでに圧縮された音源を再び動画へ圧縮すると、元のWAVから作る場合より不利になることがあります。
MP4
映像と音声を一つに入れられる動画ファイルです。
拡張子がMP4でも、中で使われている映像や音声の方式は同じとは限りません。
「MP4だから必ず投稿できる」と考えず、投稿先で再生・処理できる形に書き出します。
音質を落としたくない場合に伝えること
YouTubeはアップロードされた動画を再処理するため、手元の動画と公開後の動画は完全に同じデータではありません。YouTube公式も、再生向けに動画を再エンコードすると説明しています。
そのため、投稿前の時点で何度も圧縮を重ねない方が安全です。
依頼時には、次の状態を伝えます。
- MIX済みWAVがある
- MP3しか残っていない
- すでに動画へ書き出したファイルがある
- 元の動画データがある
- 再圧縮を避けたい
- 画質より容量を小さくしたい
- 音質を優先したい
完成動画を受け取った後、自分で別ソフトへ読み込み、再度書き出すと、さらに圧縮される場合があります。
文字や公開日を入れる予定があるなら、エンコード前にまとめて伝えます。
元動画の音声が残っていないかを見る
本家動画には、元の歌声や音源が入っています。
歌ってみた用へ差し替える場合、元動画の音声を消し、MIX済み音源を入れる必要があります。
確認時には、次の点をイヤホンでも聞きます。
- 本家ボーカルが薄く残っていない
- 同じ伴奏が二重に鳴っていない
- 左右どちらかだけ音が大きくない
- 曲の途中で音量が変わっていない
- 冒頭と最後に不要な音がない
- 音が割れていない
スマートフォンのスピーカーだけでは、薄く残った音声に気づきにくいことがあります。
音ずれは最初と最後の両方を見る
冒頭だけ合っていても、後半で少しずつずれる場合があります。
完成後は少なくとも次の三か所を再生します。
- 歌い出し
- 曲の中盤
- 最後の歌詞や余韻
口の動きがある動画や、歌詞が細かく切り替わる動画では、ずれを見つけやすくなります。
ずれを伝えるときは、「全体的に変」ではなく秒数を書きます。
- 1分24秒付近から歌詞表示が早い
- 2分10秒の入りが少し遅い
- 最後の音が切れている
- 冒頭に約0.5秒の空白が欲しい
修正箇所を再生時間で伝えると、同じ場面を探しやすくなります。
画質確認は一時停止して行う
動画を流したまま見るだけでは、細かな画質の崩れを見落とします。
次の場面で一時停止します。
- イラストの顔
- 細い文字
- 暗い背景
- 光や粒子が多い場面
- 画面が大きく動く場面
- グラデーションの背景
- 歌詞が切り替わる瞬間
特に暗い背景や細かな模様は、圧縮による乱れが見えやすい部分です。
元動画と完成動画を同じ大きさで比べます。
エンコードだけでは直らない問題
次の問題は、書き出し設定だけでは直せないことがあります。
- 元の動画自体が低画質
- 元音源にノイズが入っている
- MIX済み音源が音割れしている
- イラストが小さい
- 動画のフレームが欠けている
- 歌詞の誤字がある
- 映像内の日付が古い
- 使用許可のない素材が入っている
低画質動画を高い解像度で書き出しても、元にない細部は戻りません。
元データに問題がある場合は、エンコードではなく、MIX担当者や動画制作者へ戻して直す必要があります。
「投稿できた」と「完成した」は同じではない
エラーなくアップロードできても、そのまま公開せず、投稿サイト上で見ます。
YouTubeの場合は、少なくとも次の点を確認します。
- 高画質処理が終わっている
- 冒頭から再生できる
- 音声が左右から聞こえる
- 画質を切り替えられる
- 動画の最後まで再生できる
- サムネイルと動画が合っている
- 公開範囲が希望どおりになっている
X用は、投稿前のプレビューでも再生します。
- 意図した場面から始まる
- 文字が小さすぎない
- 最後が不自然に切れない
- 縦横比が崩れていない
- 容量や長さの条件内に収まる
- 音声が再生される
投稿先へ載せた後の再生確認まで含めて、公開準備と考えます。
即日依頼で減らした方がよい作業
公開まで時間がない場合は、必要な作業を絞ります。
優先するもの
- フル動画のエンコード
- 音源と動画の同期
- 投稿先に合うファイル
- 音ずれの確認
- 公開に間に合う納品
後から追加しやすいもの
- 複数の告知動画
- 縦型への作り直し
- 歌詞の追加
- 複雑な演出
- 新しいMVの制作
- 複数パターンの書き出し
- 公開後のお礼動画
YouTube、ニコニコ動画、X、縦型SNSのすべてを同時に頼むより、まず公開の中心になるフル動画を完成させる方法もあります。
初稿の修正は一度にまとめる
短納期では、修正を小分けに送るほど完成が遅れます。
次の項目に分けて確認します。
音声
- 開始位置
- 音量
- 音切れ
- 本家音声の残り
- 左右のバランス
映像
- 開始位置
- 画質
- 歌詞の表示
- 画面の欠け
- 最後の余韻
書き出し
- 投稿先
- ファイル名
- 動画の長さ
- ファイル容量
- 短尺版の範囲
修正内容は一つのメッセージへまとめます。
例:
- 0分03秒の歌い出しを約0.2秒早める
- 1分42秒の歌詞表示が一行ずれている
- 最後の黒画面を2秒残す
- X版は1分05秒から1分45秒へ変更
- X版の最後だけフェードアウトを入れる
即日で頼めないケースもある
素材がそろっていても、次の状態では当日中の完成が難しくなることがあります。
- MIXがまだ終わっていない
- 動画を一から作る必要がある
- 歌詞をすべて入れる必要がある
- 使用素材が大量にある
- 複数人の歌を合わせる必要がある
- 投稿先ごとに大きく編集を変える
- 権利関係の確認が終わっていない
- 何度も内容を変える予定がある
相談時に素材を一緒に見せれば、エンコードだけで済むのか、別の作業が必要なのかを判断してもらいやすくなります。
依頼文に書く内容
初回の連絡では、次の内容をまとめます。
公開予定
- 公開日
- 公開時刻
- 希望納品時刻
- 初稿を確認できる時間
投稿先
- YouTube
- ニコニコ動画
- X
- その他
音源
- MIX済みか
- ファイル形式
- 再修正の予定
- 共有URL
動画
- 本家動画
- 自作MV
- 静止画
- 使用条件
- 共有URL
短尺版
- 必要か
- 使用する範囲
- フェードの有無
- 希望する比率
そのほか
- 曲名
- クレジット
- 投稿サイトごとの希望
- 不明な点
- 修正予定の有無
依頼文は次のようにまとめられます。
「歌ってみた動画のエンコードをお願いします。8月10日21時に公開予定で、YouTubeへのアップロード時間を考え、17時までの納品を希望しています。MIX済みWAVと、使用許可を確認済みの本家動画を共有します。YouTubeとニコニコ動画はフル版、Xは1分02秒から1分42秒を使用してください。X版は最後に1秒程度のフェードアウトを希望します。初稿は受領後30分以内に確認できます。」
投稿直前のエンコードを外注するとき
依頼前には、MIX済み音源、使用する動画、投稿先、希望納品時刻をそろえます。
X用などの短い動画も必要なら、使う開始位置と終了位置まで決めます。
現在持っている素材でエンコードだけができるのか分からない場合は、ファイル形式を自分で変えず、音源と動画の状態をそのまま伝えます。
まとめ
歌ってみたのエンコードを即日で依頼するときは、完成したMIX音源と動画を送るだけでなく、投稿先と本当の締め切り時刻を伝えます。
YouTube、ニコニコ動画、Xでは使い方が異なります。フル動画と短い告知動画が必要なら、それぞれの用途も分けます。
作業を止めやすいのは、MIXの再修正、使用動画の未確定、短尺版の範囲不足です。最初の連絡で確定情報と未確定情報を分けておきます。
初稿では、歌い出し、中盤、最後の三か所を再生し、音ずれ、音切れ、本家音声の残りを見ます。修正は秒数を付けて一度にまとめます。
短納期だから説明を省くのではなく、作業に必要な情報を最初にそろえることが、完成までの時間を最も短くします。

