商品写真や店舗写真はあるものの、何をテーマに投稿すればよいか決まらない。毎回似たような商品紹介になり、更新が止まっている。このような場合は、Instagram投稿のネタ出しから外注できます。
依頼先へ渡すのは、完成した原稿や細かなデザイン指示だけではありません。商品写真、サービス内容、お客様からよく聞かれる質問などを基に、投稿のテーマや構成を考えてもらう方法があります。
ただし、写真をまとめて送り、「いい感じに投稿を作ってください」だけでは、誰に何を伝える投稿なのか分かりません。
完成原稿を用意する必要はありませんが、事業の内容と投稿で達成したいことは整理しておきます。
インスタ投稿はネタ出しから外注できる
Instagram投稿の外注には、画像のデザインだけを頼む方法と、企画からまとめて頼む方法があります。
| 依頼する範囲 | 発注者が用意するもの | 外注先が担当するもの |
|---|---|---|
| デザインのみ | 原稿、写真、ページ構成 | 画像の制作 |
| 構成とデザイン | 投稿テーマ、要点、写真 | ページ構成、文章の整理、画像制作 |
| ネタ出しから依頼 | 事業情報、写真、投稿目的 | テーマ選定、構成、文章、画像制作 |
| 運用全体 | 事業情報、確認と承認 | 企画、制作、投稿、分析など |
ネタ出しから頼む場合でも、事業について何も知らない相手が、すぐに正確な投稿を作れるわけではありません。
発注者が持っている情報を渡し、その中から投稿に使える題材を探してもらう形です。
写真しかなくても投稿の題材は作れる
写真は、投稿を作るための素材です。投稿テーマそのものではありません。
たとえば、商品写真が一枚ある場合でも、次のような切り口へ広げられます。
- 商品の特徴
- 使い方
- 選び方
- よくある失敗
- 利用する前の注意点
- 他の商品との違い
- 作った理由
- 制作中の様子
- お客様から多い質問
- 利用後の変化
- 保管方法
- 手入れ方法
同じ商品写真を使っても、投稿の目的が違えば内容は変わります。
新商品として紹介する投稿と、購入後の使い方を説明する投稿では、見出しもページ構成も同じにはなりません。
写真の枚数が少ない場合も、文字、図形、簡単な図解を組み合わせて複数ページの投稿にできることがあります。
最初に投稿の目的を一つ決める
ネタ出しを依頼する前に、「Instagramを伸ばしたい」より具体的な目的を決めます。
主な目的は次の通りです。
- 商品やサービスを知ってもらう
- 店舗への来店を増やす
- 予約や問い合わせにつなげる
- 商品の使い方を説明する
- 購入前の不安を減らす
- 発信者の考え方を伝える
- 既存のお客様に再利用してもらう
- 採用応募につなげる
すべてを一つの投稿で達成しようとすると、伝える内容が増えすぎます。
たとえば、美容室の投稿なら、「店舗の認知を広げる投稿」と「予約前の不安を減らす投稿」は分けた方が作りやすくなります。
店舗を知ってもらう投稿
- 店内の雰囲気
- スタッフ紹介
- 得意な施術
- 店舗までの行き方
予約前の不安を減らす投稿
- 施術時間
- 当日の流れ
- 服装や持ち物
- 予約変更の方法
目的が決まれば、使う写真と文章も選びやすくなります。
ネタ出しの材料になる7種類の情報
1.商品やサービスの内容
まず、何を提供しているのかを説明します。
商品名やメニュー名だけでなく、次の内容も渡します。
- 誰が利用するものか
- どのような場面で使うか
- どのような悩みに対応するか
- 利用前と利用後で何が変わるか
- 似た商品やサービスとの違い
- 初めての人が迷いやすい点
公式サイト、パンフレット、販売ページなどがあれば、一緒に共有します。
公開されている文章でも、そのままInstagram投稿へ貼り付けるのではなく、投稿の読み手に合わせて短く整理します。
2.想定しているお客様
投稿を誰に見てほしいかを伝えます。
年齢や性別だけではなく、現在の状況まで書くと、投稿のテーマを決めやすくなります。
- 初めてサービスを利用する人
- 他店と比較している人
- 以前利用したことがある人
- 自分で解決しようとして困っている人
- 必要性は感じているが、まだ申し込む予定がない人
- すでに購入を決め、細かな条件を知りたい人
同じ商品でも、初めて知った人と比較中の人では、必要な情報が違います。
初めて知った人には基本的な説明が必要です。比較中の人には、違い、利用条件、選び方などが求められます。
3.お客様からよく聞かれる質問
日頃の問い合わせには、投稿ネタが多く含まれています。
- 予約は何日前まで必要か
- 初めてでも利用できるか
- どれくらい時間がかかるか
- 何を持っていけばよいか
- 子どもと一緒に行けるか
- 支払い方法は何があるか
- 変更やキャンセルはできるか
- 商品はどれくらい持つか
- 自分に合う種類が分からない
- 使用後の手入れは必要か
同じ質問を何度も受けているなら、それだけ事前に知りたい人が多い内容です。
問い合わせへの回答文、メール、接客用の資料なども、投稿企画の材料になります。個人名や注文情報は消してから渡します。
4.お客様が迷いやすいこと
質問されていなくても、購入や予約の前に迷われやすい点があります。
- どの商品を選べばよいか
- 自分が対象になるか
- 料金以外に必要なものがあるか
- 予約後に何が起きるか
- 失敗や痛みがないか
- 初心者でも使えるか
- 他の方法と何が違うか
外注先に「よくある迷い」を伝えると、単なる商品紹介ではなく、選び方や不安解消の投稿を作れます。
5.選ばれている理由
自社では当たり前になっていることが、投稿の題材になる場合があります。
- 対応が早い
- 少量から注文できる
- 一人ずつ相談して決める
- 店内が静か
- 夜でも予約できる
- 素材を選べる
- 納品後も使い方を説明する
- 子ども連れで利用できる
- 駅から近い
- オンラインで完結する
「高品質」「丁寧」「安心」だけでは内容が伝わりません。
何をどのように行っているから、そう言えるのかまで説明します。
6.発信してはいけない内容
ネタ出しを任せる場合は、使ってはいけない言葉や情報も伝えます。
- 公開前の商品
- お客様の個人情報
- 社内だけで使う資料
- 許可を取っていない写真
- 断定できない効果
- 競合を否定する表現
- 実際には提供していないサービス
- 古い料金や受付条件
- 社内で使用を禁止している言葉
写真にお客様やスタッフが写っている場合は、投稿へ使ってよいかも分けます。
画像の一部に住所、電話番号、車のナンバー、パソコン画面などが写り込んでいないかも見ておきます。
7.過去に反応がよかった投稿
すでにアカウントを運用している場合は、過去の投稿も共有します。
見るのは、いいねの数だけではありません。
- 保存が多かった投稿
- 問い合わせにつながった投稿
- 店頭で話題になった投稿
- 最後まで見られたリール
- コメントが多かった投稿
- 反応が少なかった投稿
- 自社では作りやすかった投稿
「この投稿がよかった」と伝えるだけでなく、なぜ残したいのかも書きます。
デザインがよかったのか、内容が分かりやすかったのか、問い合わせにつながったのかで、次に生かす部分が変わります。
手元にある素材を一覧にする
依頼前に、使用できる素材をまとめます。
| 素材 | 具体例 |
|---|---|
| 商品写真 | 正面、使用中、細部、サイズ比較 |
| 店舗写真 | 外観、店内、入口、設備 |
| スタッフ写真 | 接客中、作業中、プロフィール |
| 動画 | 施術、作業工程、使い方、店内紹介 |
| 文章 | 商品説明、よくある質問、接客資料 |
| お客様の声 | アンケート、レビュー、感想 |
| 数字 | 所要時間、サイズ、期間、数量 |
| 図や資料 | メニュー表、工程表、比較表 |
外注先へ送るときは、ファイル名から内容が分かるようにします。
「IMG_3021」ではなく、「店舗入口」「商品A使用中」「作業前」のように変更すると、どの投稿に使う写真か判断しやすくなります。
素材が多い場合は、すべてを一度に送るより、フォルダを分けます。
- 商品
- 店舗
- スタッフ
- お客様の声
- 使用方法
- 今回は使わない写真
使用を優先したい素材には印を付けます。
一つの商品から複数の投稿を作る
投稿ネタが少ないと感じる原因の一つは、商品一つにつき紹介投稿を一つしか作っていないことです。
たとえば、オーダー商品であれば、次のように分けられます。
- 商品の特徴
- 注文から完成までの流れ
- 注文前に決めること
- 素材の選び方
- サイズの選び方
- よくある注文ミス
- 完成後の手入れ
- 制作中の様子
- 過去の制作例
- お客様から多い質問
店舗サービスでも同じです。
整体院なら、施術メニューの紹介だけでなく、初回来店の流れ、服装、施術前に伝えること、予約変更、店舗までの道順などへ広げられます。
商品の数を増やさなくても、検討中、利用直前、利用後という段階に分ければ、題材を増やせます。
投稿のネタを4つの役割に分ける
企画案を確認するときは、同じ種類の投稿に偏っていないかを見ます。
知ってもらう投稿
まだ商品や店舗を知らない人向けです。
- 商品の特徴
- 店舗紹介
- スタッフ紹介
- 作っている様子
- 発信者の考え方
理解してもらう投稿
興味はあるものの、内容が分からない人向けです。
- 利用方法
- 注文の流れ
- 選び方
- 他の方法との違い
- よくある質問
不安を減らす投稿
購入や予約を迷っている人向けです。
- 初めて利用するときの流れ
- 失敗しやすい点
- 事前に用意するもの
- 変更やキャンセル
- お客様の感想
行動につなげる投稿
次の行動が分かる投稿です。
- 予約方法
- 申し込み期限
- イベント告知
- 新商品の案内
- 受付状況
- 来店までの道順
商品紹介と告知ばかり続けると、利用前の疑問に答える投稿が不足します。
外注先から企画案を受け取ったら、4つの役割が混ざっているかを見ます。
フィード投稿とリールは題材で選ぶ
同じ内容でも、フィード投稿とリールでは見せ方が異なります。
| 向いている内容 | フィード投稿 | リール |
|---|---|---|
| 手順の説明 | 順番を静止画で読ませる | 実際の動きを見せる |
| 商品紹介 | 特徴や比較を整理する | 使用中の様子を見せる |
| 店舗紹介 | 写真と文章で案内する | 店内を歩く映像を見せる |
| よくある質問 | 複数の回答をまとめる | 一つの質問へ短く答える |
| 制作工程 | 工程をページで分ける | 変化を短時間で見せる |
| お客様の声 | 内容を読みやすく整理する | 本人の声や利用風景を見せる |
手元に短い動画が多ければ、リールへ使える題材があります。
写真と詳しい説明が多い場合は、複数ページのフィード投稿へまとめやすくなります。
流行している形式へ無理に合わせるより、手元の素材で内容が伝わる方を選びます。
企画から頼む場合も自社で決める部分は残す
すべてを外注先へ任せると、確認時に判断できなくなることがあります。
自社で決める部分と、外注先へ任せる部分を分けます。
自社で決めること
- 投稿の目的
- 誰に見てほしいか
- 正しい商品情報
- 公開してよい情報
- 使ってはいけない表現
- 投稿後の案内先
- 最終的な公開判断
外注先へ任せやすいこと
- 投稿テーマの候補
- ページ構成
- 見出しの短縮
- 写真の選び方
- 文字の配置
- 色や装飾
- リールの場面構成
- キャプションのたたき台
発注者がデザインの細部まで指定する必要はありません。
一方で、商品情報や利用条件の正しさは、外注先だけでは判断できません。投稿前に必ず自社で読みます。
最初に企画一覧を出してもらう
いきなり画像制作へ進むより、先に投稿テーマと構成を出してもらう方が、方向のずれを直しやすくなります。
企画一覧には、次の内容があると確認しやすくなります。
- 投稿タイトル
- 想定する読み手
- 投稿の目的
- 使用する素材
- ページのおおまかな流れ
- 最後に案内する内容
- フィードかリールか
たとえば、次のような形です。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 投稿タイトル | 初めて来店するときの流れ |
| 読み手 | 予約を検討している初回利用者 |
| 目的 | 来店前の不安を減らす |
| 素材 | 外観、受付、施術室の写真 |
| 構成 | 予約、来店、受付、案内、終了 |
| 最後の案内 | 予約方法 |
| 形式 | 6ページのフィード投稿 |
この段階なら、「商品紹介より予約前の疑問を先に扱いたい」といった変更をしやすくなります。
画像が完成してからテーマを変えると、文章や写真の選び直しが必要です。
初稿で見るべき場所
最初のデザインが届いたら、細かな装飾より先に内容を見ます。
- 誰向けの投稿か分かるか
- 一枚目で内容を判断できるか
- 商品情報に誤りがないか
- ページの順番が自然か
- 一投稿に内容を詰め込みすぎていないか
- 最後まで読む理由があるか
- 投稿後に何をすればよいか分かるか
- 使用してはいけない写真が入っていないか
「何となく違う」と伝えるだけでは、直す場所が分かりません。
次のように具体的に伝えます。
- 一枚目を見ても店舗向けの内容だと分からない
- 三ページ目と四ページ目の説明が重複している
- 初心者向けなので専門用語を減らしたい
- 予約前に必要な持ち物を追加したい
- 商品写真より使用中の写真を大きくしたい
方向が違う場合は、色や文字サイズの修正より先に、企画と構成を戻します。
投稿作成と運用代行の範囲を混同しない
投稿画像やリールの制作を依頼しても、Instagramアカウントの運用全体が含まれるとは限りません。
見積もり前に、次の作業が含まれるかを分けます。
- 投稿テーマの企画
- 画像制作
- リール編集
- キャプション作成
- ハッシュタグの提案
- Instagramへの投稿作業
- 投稿日時の設定
- コメントへの返信
- DMへの返信
- 数値の分析
- 翌月の改善案
- 広告の設定
画像や動画の納品までであれば、公開作業は発注者が行います。
投稿作業まで頼む場合は、ログイン情報の扱い、投稿前の承認方法、誤投稿があった場合の連絡方法も決めます。
納品後に自分で直す予定があるか
完成したJPGやPNGは、そのまま投稿できますが、文字や写真を自分で変更することは簡単ではありません。
今後も同じデザインを使い回したい場合は、編集できるテンプレートが必要です。
完成画像で受け取る方法
- そのまま投稿できる
- 自分で編集する作業がない
- デザインが崩れにくい
- 内容を変えるたびに再依頼が必要
編集用テンプレートで受け取る方法
- 日付や写真を自分で変えられる
- 同じデザインを繰り返し使える
- 操作方法を覚える必要がある
- 編集内容によっては統一感が崩れる
毎回企画から任せたいなら、完成画像での納品でも進められます。
告知日や料金などを自社で頻繁に変えるなら、どの部分を編集できる状態で受け取るかを相談します。
素材不足を防ぐために日頃から撮っておくもの
投稿作成を継続して外注する場合は、普段の業務中に素材を残します。
特別な撮影日を作らなくても、次の写真や動画が役立ちます。
- 店舗の外観
- 開店前の店内
- 商品を並べている様子
- 作業中の手元
- 梱包している様子
- 道具や材料
- 使用前と使用後
- 季節ごとの店内
- スタッフの後ろ姿
- 新商品が届いた場面
- よく使う設備
- お客様へ渡す資料
一つの場面を、縦、横、近く、遠くから撮ります。
写真には余白を残しておくと、文字を入れやすくなります。動画は数秒で切らず、動作の前後も含めて少し長めに撮ります。
使用許可が必要な人や場所が写る場合は、撮影時点で公開できるかを分けておきます。
投稿のネタ出しから依頼するときにまとめる情報
企画から外注する場合は、次の内容を一枚の資料へまとめます。
事業について
- 商品やサービス
- 主なお客様
- 選ばれている理由
- 公式サイトや販売ページ
- よくある質問
- 競合との違い
投稿について
- 投稿の目的
- 見てほしい人
- 希望する投稿本数
- フィードとリールの希望
- 過去に反応がよかった投稿
- 避けたいデザインや表現
素材について
- 使用できる写真
- 使用できる動画
- お客様の声
- パンフレットや説明資料
- 使用できない写真
- 追加撮影できるか
進め方について
- 企画を先に確認するか
- 誰が内容を確認するか
- 返信できる曜日
- 希望納期
- 修正内容の伝え方
- 納品形式
- 投稿作業の有無
写真の品質や枚数に不安がある場合は、依頼前に素材を一部見せます。
不足している素材を追加撮影するのか、文字や図形で補うのかも、制作開始前に決めておきます。
まとめ
Instagram投稿は、完成原稿がなくても、ネタ出しや構成から外注できます。
必要なのは、きれいに整理された企画書ではありません。商品やサービスの内容、見てほしい人、よくある質問、手元にある写真など、事業の中にある情報です。
商品一つでも、特徴、選び方、使い方、失敗例、お客様の声などへ分ければ、複数の投稿を作れます。
依頼時には、変えてはいけない商品情報と、外注先へ任せるデザイン部分を分けます。画像を作る前に企画一覧を確認すれば、完成後の大きなやり直しも減らせます。
「投稿することがない」のではなく、普段の説明や問い合わせが、まだ投稿用に整理されていないだけかもしれません。まずは手元の写真、質問、資料を集め、どの情報を誰へ届けるかを決めるところから始めます。

