事業が増えて何の会社か分からないHPに|複数事業を1サイトへまとめる設計

Web制作系の依頼

新しい事業を始めるたびに、既存ホームページへページやバナーを追加する。

数年後には、電気工事、人材紹介、警備、飲食、コンサルティングなど、異なる事業が同じトップページに並びます。

会社の実態は成長しているのに、ホームページを初めて見た人には「結局、何を頼める会社なのか」が伝わりません。

この状態で必要なのは、さらに説明を足すことではありません。

複数事業に共通する会社の価値を決め、訪問者が自分に関係する事業へ迷わず進めるように、ホームページ全体を組み直すことです。

トップセールス&マーケターが戦略的HPを制作します

 

事業間の共通点や競合との差が社内で言語化できていない場合は、デザイン制作から始めず、ヒアリングと戦略整理を含む制作サービスへ相談する方法があります。

複数事業を並べるだけでは会社の価値は伝わらない

複数事業を展開する会社のホームページで起こりやすい失敗は、事業を同じ大きさで並べることです。

たとえば、トップページに次の内容が並んでいるとします。

  • 建設工事
  • 人材派遣
  • 警備
  • 飲食店運営
  • 不動産管理
  • 経営コンサルティング

社内では、各事業を始めた経緯や相乗効果を理解しています。

しかし、初めて会社を知った人には、その関係が見えません。

説明がないまま事業名を並べると、次の疑問が残ります。

  • 本業はどれなのか
  • どの事業に強いのか
  • なぜ異なる事業を一つの会社が行っているのか
  • 依頼先として専門性があるのか
  • 問い合わせ先は事業ごとに違うのか
  • 他社ではなく、この会社へ頼む理由は何か

事業数が問題なのではありません。

異なる事業をつなぐ会社の考え方が、ホームページ上に表示されていないことが問題です。

最初に決めるのは主力事業ではなく共通軸

複数事業を整理するとき、「どの事業を一番大きく載せるか」から考えると社内調整が難しくなります。

売上、歴史、社員数、将来性によって、主力と考える事業が変わるためです。

先に決めるべきなのは、各事業の上に置く共通軸です。

共通軸には、次のような種類があります。

顧客を共通軸にする

異なるサービスでも、同じ顧客へ提供している場合に使えます。

例として、建設会社が次の事業を行っているケースがあります。

  • 建物の施工
  • 設備保守
  • 警備
  • 清掃
  • 人材提供

これらはすべて、法人顧客の施設運営を支える事業としてまとめられます。

トップページでは個別業務を並べるのではなく、「企業の施設運営をまとめて支援する会社」と表現できます。

解決する課題を共通軸にする

対象業界が異なっていても、解決している課題が共通している場合に使います。

たとえば、次のサービスを提供する会社です。

  • 業務システム開発
  • AI導入支援
  • Webサイト制作
  • 採用支援
  • 研修

個別に見ると別事業ですが、「人手不足と業務停滞を解消する」という課題でつなげられます。

保有する強みを共通軸にする

会社独自の資産や能力から事業を整理する方法です。

  • 地域で築いたネットワーク
  • 専門技術
  • 製造設備
  • 営業力
  • 顧客データ
  • 物流網
  • 資格保有者
  • 長年の業界経験

たとえば、電気工事会社が人材事業や警備事業を展開している場合、「現場を止めないための人材・設備・安全を一括提供する会社」という軸を作れます。

会社が目指す未来を共通軸にする

現在の事業内容より、将来実現したい状態でまとめる方法です。

  • 地域の暮らしを維持する
  • 中小企業の事業継続を支える
  • 子育て世帯の負担を減らす
  • 働く人の選択肢を増やす
  • 地域資源を次世代へ残す

抽象的なスローガンだけでは伝わりません。

共通軸の直後に、各事業がどのような役割を担うかを示す必要があります。

1サイトにまとめるか事業別に分けるか

複数事業があるからといって、必ずサイトを分ける必要はありません。

判断基準は、事業数ではなく、顧客と問い合わせ目的の違いです。

判断項目 1サイトにまとめやすい 事業別サイトが向いている
顧客 同じ企業や担当者 顧客層がまったく異なる
課題 共通する課題を解決 各事業で課題が異なる
商談窓口 同じ営業部門 担当部署や会社が異なる
ブランド 会社名の信頼を使う 独立ブランドとして売る
集客方法 会社名や紹介が中心 事業ごとにSEOや広告を行う
更新担当 同じ担当者 事業部ごとに管理する
掲載量 各事業を数ページで説明可能 各事業に大量のコンテンツがある

中小企業では、コーポレートサイトに情報を集約すると、運用負担を抑えながら会社としての信頼を示しやすくなります。

一方、対象顧客、検索キーワード、問い合わせ方法が大きく異なる事業は、サービスサイトを分けた方が訴求しやすくなります。

サイトを分けた方がよい5つのケース

顧客が個人と法人に分かれる

法人向け警備サービスと、個人向け飲食店では、訪問目的も必要な情報も異なります。

同じ問い合わせフォームへ誘導すると、利用者が入力項目で迷います。

価格帯や検討期間が違う

数千円の商品と数百万円の法人契約では、購入までに必要な説明量が変わります。

高額サービスでは、実績、導入手順、担当者、契約条件など、検討材料を多く掲載する必要があります。

ブランドイメージが衝突する

高級感を重視する事業と、親しみや安さを重視する事業を同じデザインで表現すると、どちらの魅力も弱くなる場合があります。

事業ごとに集客キーワードが違う

建設工事、飲食、人材紹介では、検索者が使う言葉が異なります。

検索集客を重視する場合は、事業別に専門的なページ群を作る必要があります。

将来、別会社や事業売却を予定している

独立性の高い事業は、最初から別ドメインや別サイトで育てる方が管理しやすくなる場合があります。

1サイトへまとめるならトップページを事業一覧にしない

複数事業を一つのサイトへまとめるとき、トップページを単なる事業一覧にしてはいけません。

トップページには、次の順番で情報を配置します。

1.会社全体の提供価値

最初に、会社が誰へ何を提供するのかを一文で示します。

悪い例は次のとおりです。

  • 未来を創造する企業
  • お客様の笑顔のために
  • 地域社会へ貢献します
  • 新しい価値を提供します

これらの表現だけでは、業務内容を判断できません。

具体例は次のようになります。

  • 工場の設備・人材・安全管理を一括で支援
  • 地域企業の採用から定着までを支える
  • 店舗開業に必要な物件・施工・集客をまとめて提供
  • 高齢者の住まい・介護・生活支援を一つの窓口で対応

2.顧客の悩みから事業へ案内する

訪問者は、会社の組織図を見に来ているわけではありません。

自分の課題を解決できるか確認しています。

「事業一覧」より、次のような入口が有効です。

  • 人材を確保したい
  • 設備を更新したい
  • 現場の安全を強化したい
  • 新店舗を開業したい
  • 業務を効率化したい

悩みを選ぶと、関連する事業ページへ進む構成にします。

3.各事業の役割

各事業を、会社全体の共通軸と結び付けて紹介します。

単独のサービス説明だけでなく、「この事業が会社全体の中で何を担うのか」を記載します。

4.複数事業を持つ利点

複数事業であることを弱点ではなく、顧客の利点へ変換します。

  • 一つの窓口で相談できる
  • 複数業者を管理する必要がない
  • 部門間で情報を共有できる
  • 関連業務をまとめて発注できる
  • 現場全体を見た提案を受けられる

5.実績

事業別の実績だけでなく、複数事業が連携した事例を掲載します。

たとえば、「施工だけでなく、開業後の採用と集客まで支援した」のような事例です。

6.問い合わせ先

すべての事業を同じ問い合わせフォームへ入れる場合は、相談内容を選べるようにします。

  • 建設・施工
  • 人材
  • 警備
  • 店舗運営
  • その他
  • 複数事業をまとめて相談

事業同士の関係を図で見せる

文章だけで複数事業の関係を説明すると、情報量が多くなります。

トップページや会社紹介ページには、事業構造を表す図を入れます。

顧客中心型

中央に顧客を置き、周囲に各事業を配置します。

一人の顧客へ複数サービスを提供する会社に向いています。

工程型

相談、設計、施工、運用、保守など、業務の順番に沿って事業を並べます。

顧客がどの段階から依頼できるか分かりやすくなります。

課題解決型

人材不足、コスト削減、安全対策、集客など、課題ごとに関連事業をまとめます。

事業名だけでは自分に関係があるか判断できない顧客に有効です。

親ブランド型

会社の理念や共通価値を最上部に置き、その下に事業ブランドを並べます。

各事業の独立性を保ちながら、会社全体の信頼を使えます。

事業ページは同じ型にそろえる

複数事業のページ構成がバラバラだと、会社全体の統一感が失われます。

各事業ページは、基本的に同じ順番で作ります。

  1. 誰のどの課題を解決する事業か
  2. 提供するサービス
  3. 選ばれる理由
  4. 対応範囲
  5. 料金または見積もり方法
  6. 利用の流れ
  7. 実績
  8. よくある質問
  9. 問い合わせ

共通項目をそろえたうえで、事業ごとの違いを表現します。

デザインだけを統一し、説明内容が不足している状態は避けてください。

事業が増えたホームページで起こる失敗

ナビゲーションに全事業を入れる

事業数が多いと、メニューが横に並びきらなくなります。

事業一覧ページを作り、対象者や課題ごとに分類します。

すべての事業を同じ優先度で表示する

利用者に選択を任せすぎると、どこから読めばよいか分かりません。

主な顧客や問い合わせ数を基準に、入口の優先順位を付けます。

新事業だけ説明が詳しい

新しく始めた事業は熱意があるため、文章量が多くなりがちです。

一方、既存事業は古い説明のまま残り、サイト内で情報量に差が出ます。

全事業を同じ項目で棚卸ししてください。

会社紹介とサービス紹介が混ざる

会社の歴史、理念、代表者情報と、顧客向けのサービス説明を一つのページへ詰め込むと、目的が分かりにくくなります。

企業情報と販売情報は分けます。

社内組織をそのままサイト構成にする

部署名は、顧客にとって分かりやすい名称とは限りません。

「ソリューション事業部」「イノベーション推進室」といった社内名称ではなく、顧客が探すサービス名や課題名を使います。

ページ追加だけで済む場合と全体設計が必要な場合

新事業を始めたからといって、毎回リニューアルする必要はありません。

現在の状態 対応
既存事業と顧客が同じ ページ追加を検討
既存サービスの派生商品 ページまたは項目追加
問い合わせ窓口が同じ 既存導線を活用
トップページに追加枠がある 部分修正で対応
顧客層が大きく異なる 全体構成または別サイトを検討
事業同士の関係を説明できない 共通軸から再設計
ナビゲーションが複雑 情報設計を見直す
会社の説明が古い リニューアルを検討
問い合わせ先が事業ごとに異なる 導線を再設計

異なるジャンルの事業をその場しのぎで追加すると、ホームページ全体の構成や導線が崩れやすくなります。

トップセールス&マーケターが戦略的HPを制作します

 

このサービスでは、テキストとビデオチャットによるヒアリングで、会社の特徴、強み、競合との違い、市場優位性を掘り下げた後、戦略MAPを作成してからWordPressサイトを制作します。事業数が増え、会社全体の訴求を整理できていない場合は、制作前の戦略整理を含めて相談できます。

制作前に社内で用意する事業一覧表

制作会社へ相談する前に、各事業の情報を同じ形式で整理します。

項目 記入内容
事業名 社内名称ではなく顧客が理解できる名称
顧客 誰が購入・契約するか
課題 顧客が何に困っているか
提供内容 何をどこまで行うか
強み 競合と比較した具体的な違い
実績 件数、年数、事例
収益性 今後伸ばしたいか
問い合わせ先 担当部署、電話、フォーム
関連事業 一緒に提案できる事業
集客方法 紹介、検索、広告、営業など

すべての欄を埋める必要はありません。

空欄が多い事業は、ホームページへ載せる前に事業内容の整理が必要です。

制作会社への相談で伝える内容

複数事業のホームページでは、ページ数だけを伝えても正確な提案を受けにくくなります。

初回相談では次の内容を共有します。

  • 現在のホームページURL
  • 展開している全事業
  • 今後伸ばしたい事業
  • 各事業の対象顧客
  • 事業同士の関係
  • 会社として最も伝えたい価値
  • 競合会社
  • 現在の問い合わせ経路
  • 事業別の問い合わせ件数
  • サイトを分ける可能性
  • 更新する担当者
  • 公開希望時期
  • 予算

「複数事業を載せたい」だけでなく、「会社全体として何を理解してほしいか」を伝えることが重要です。

まだ言語化できていない場合は、その状態を正直に伝えてください。

事業整理や競合分析を含む制作会社を選ぶ必要があります。

デザインより先に勝てる説明順を決める

複数事業のホームページは、色や写真を整えるだけでは改善しません。

先に決めるべき項目は次のとおりです。

  1. 会社は誰を支援するのか
  2. どの課題を解決するのか
  3. なぜ複数事業を行っているのか
  4. 事業同士がどう連携するのか
  5. 競合と何が違うのか
  6. どの事業を入口にするのか
  7. 最終的に何を問い合わせてもらうのか

この順番が決まった後に、ページ構成、文章、デザインへ落とし込みます。

見た目から作り始めると、完成後も「きれいだが何の会社か分からない」という問題が残ります。

まとめ

事業数が増えたホームページで必要なのは、事業ページをさらに追加することではありません。

各事業に共通する顧客、課題、強み、会社の目的を整理し、全体をつなぐ軸を作ることです。

1サイトへまとめるか分けるかは、次の項目で判断します。

  • 顧客が同じか
  • 解決する課題が近いか
  • 問い合わせ窓口が同じか
  • ブランドを共有できるか
  • 集客方法が同じか
  • 社内で一括管理できるか

1サイトへまとめる場合は、トップページを事業一覧にせず、会社全体の提供価値から各事業へ案内します。

事業が増えた結果、社内でも会社の強みを説明できなくなっている場合は、デザイン発注の前に、競合との差や市場での立ち位置を整理する工程を入れてください。

トップセールス&マーケターが戦略的HPを制作します

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