YouTubeサムネイルを外注するとき、画像内に入れる文言まで考えてもらえる場合があります。
動画の内容、想定する視聴者、特に見てほしい場面を伝えれば、デザイナー側から短い言葉を提案してもらう形です。
ただし、「動画を見て全部おまかせします」だけでは、発注者が取り上げてほしかった部分と、デザイナーが選んだ部分がずれることがあります。
文章を完成させてから依頼する必要はありませんが、誰に何を伝える動画なのかは整理しておいた方が、文言案を出してもらいやすくなります。
サムネイルの文言まで考えてもらえる依頼先はある
YouTubeサムネイル制作には、大きく分けて次の二つがあります。
| 依頼方法 | 発注者が用意するもの | デザイナーの作業 |
|---|---|---|
| 文言を指定する | 入れる文章、画像、希望する雰囲気 | 指定された内容を配置する |
| 文言考案も頼む | 動画、台本、内容の説明、希望する方向 | 見せ方と短い文言を考える |
文言考案まで頼む場合でも、動画タイトル、概要欄、台本のすべてを作ってもらえるとは限りません。
対象になるのは、多くの場合、サムネイル画像に入れる数文字から短い一文です。
たとえば、動画の内容が「初心者が初めてキャンプへ行き、テント設営に苦戦した」というものなら、次のような文言が考えられます。
- 初心者には無理?
- 設営だけで1時間
- 初キャンプで大失敗
- この張り方は危険
- 買う前に知りたかった
どの言葉を使うかによって、動画の見え方が変わります。
失敗談として見せるのか、初心者向けの解説として見せるのか、商品レビューとして見せるのかを先に決める必要があります。
動画タイトルとサムネイル文言は同じにしなくてよい
動画タイトルとサムネイルには、それぞれ別の役割があります。
動画タイトルでは、何についての動画なのかをある程度具体的に説明できます。
一方、サムネイルは表示される面積が限られるため、内容をすべて書くより、視聴者が気になる一部分を短く見せる方が向いています。
たとえば、動画タイトルが次の内容だったとします。
「初めて一人暮らしをする人が買って後悔した家電7選」
サムネイルに同じ文章をそのまま入れると、文字が多くなります。
次のように役割を分けられます。
- 動画タイトル:初めて一人暮らしをする人が買って後悔した家電7選
- サムネイル文言:これは本当にいらない
- サムネイル文言:買う前に止めて
- サムネイル文言:結局使わなかった
YouTubeも、タイトルとサムネイルは動画内容を正しく伝え、視聴者が何を見られるか分かるものにするよう案内しています。画像内に文字を入れる場合は、読みやすい字体を使うことも挙げています。
タイトルとサムネイルを別々に考えつつ、見た人が別の内容を想像するほど離さないことが基本です。
文言を考えてもらう前に伝える6項目
1.誰に見てほしい動画か
同じ内容でも、視聴者によって使う言葉は変わります。
たとえば、パソコンの設定方法を説明する動画でも、対象が初心者なら専門用語を減らした方が伝わります。
一方、Web制作会社やエンジニア向けなら、具体的な機能名を出した方が内容を判断してもらえます。
対象は「20代男性」のような年齢や性別だけでなく、置かれている状況で伝えます。
- 初めて動画編集をする人
- 店舗の集客に困っている美容室
- WordPressを自分で直したい事業者
- 受験直前で勉強方法を探している高校生
- すでに商品を知っていて比較中の人
「この動画を見る前の視聴者が何に困っているか」まで書くと、文言の方向を決めやすくなります。
2.動画で一番伝えたいこと
動画には複数の話題が入っていても、サムネイルで全部を扱うことはできません。
最も押し出したい内容を一つ選びます。
- 驚いた結果
- よくある失敗
- 知られていない方法
- 商品を使った感想
- 変更前と変更後の違い
- 初心者がつまずく点
- 実際にかかった金額
- 作業にかかった時間
自分で決められない場合は、「候補はこの三つです」と伝えて、どれがサムネイルに向いているか相談する方法もあります。
何を選んでもよい状態と、選択肢が三つある状態では、後者の方が認識をそろえやすくなります。
3.動画内で最も使いたい場面
文言と一緒に、どの画像を見せるかも決めます。
候補になるのは次のような場面です。
- 出演者の表情
- 商品のアップ
- 作業前と作業後
- 問題が起きている画面
- 完成した料理
- 結果が表示された表や数字
- 店舗や旅行先の外観
- 動画内で最も変化が大きい瞬間
動画の時間を指定すると、デザイナーが場面を探しやすくなります。
たとえば、「4分25秒付近の壊れた部品」「8分10秒付近の完成後の画面」と書きます。
動画全体から画像を探してもらう場合は、動画からの切り抜き作業が依頼内容に含まれるかも見ておきます。
4.事実として使ってよい数字
数字は目に入りやすい一方、根拠が曖昧だと誤解を招きます。
サムネイルへ使う数字は、動画内で説明できるものに限ります。
- 実際に試した日数
- 購入した金額
- 比較した商品の数
- 作業にかかった時間
- 増減した割合
- 回答者の人数
- 検証した回数
「売上3倍」「成功率90%」「誰でも5分」のような言葉は、動画内で条件や根拠を説明できなければ使わない方が安全です。
数字の見せ方を任せる場合も、使ってよい数字と使ってはいけない数字を分けて渡します。
5.避けたい言葉や見せ方
デザイナーが考えた文言が、チャンネルの雰囲気に合わないことがあります。
最初に避けたい表現を伝えておけば、修正を減らせます。
- 煽りが強すぎる言葉
- 「絶対」「確実」などの断定
- 不安を過度にあおる表現
- 出演者を馬鹿にする見せ方
- 競合商品を否定する言葉
- 品のない言葉
- 大げさな金額表現
- 動画内で話していない内容
落ち着いたビジネス系チャンネルであれば、「ヤバすぎる」「知らないと終了」のような表現を避けたいと伝えます。
反対に、エンタメ系で勢いを出したい場合は、どの程度まで強くしてよいか参考画像を添えます。
6.参考にしたい既存のサムネイル
文章だけで雰囲気を伝えるより、参考画像を見せた方が早く伝わります。
参考画像を送るときは、「このような感じ」だけで終わらせず、どこを参考にしたいのかを書きます。
- 文字数の少なさ
- 人物の大きさ
- 背景の色
- 数字の見せ方
- 商品写真の配置
- 落ち着いた雰囲気
- 余白の取り方
- 文字のメリハリ
参考にしたい点と、まねしてほしくない点を分ける方法もあります。
「文字の大きさは近づけたいが、色は自社の青にしたい」と書けば、丸ごと似せる依頼になりません。
動画を丸ごと渡す場合と要点だけ渡す場合
文言考案を頼む方法は、主に二つあります。
動画や台本を渡して考えてもらう
完成した動画、限定公開URL、台本などを渡し、内容を見たうえで文言を考えてもらいます。
向いているのは次のケースです。
- どこを押し出すべきか自分で決められない
- 話の中から印象的な部分を拾ってほしい
- 動画内の表情を使ってほしい
- 台本と完成動画に違いがある
- 継続して同じ相手へ頼みたい
動画の確認時間が必要になるため、デザインだけを依頼する場合より作業が増えることがあります。
長い動画では、見てほしい時間帯や重要な場面を数か所伝えると、確認範囲を絞れます。
動画の要点を文章で渡す
動画を共有せず、内容を短くまとめて渡す方法です。
次のような形で整理します。
- テーマ:中古パソコンを買うときの注意点
- 対象:初めて中古パソコンを買う人
- 結論:価格だけで選ぶと保証とバッテリーで失敗しやすい
- 見せたい場面:劣化したバッテリーの画面
- 使いたい数字:購入から3か月
- 避けたい表現:激安、絶対、詐欺
- 希望する雰囲気:注意喚起だが怖くしすぎない
動画内容をすべて説明する必要はありません。
視聴者、結論、使いたい画像、避けたい表現が分かれば、文言案を考える材料になります。
「丸投げOK」でも決めておきたい範囲
丸投げという言葉は、依頼先によって意味が異なります。
どこまで含まれるのかを着手前にそろえます。
| 項目 | 確認する内容 |
|---|---|
| 文言 | 一案だけか、複数案を出してもらえるか |
| 画像 | 発注者が用意するか、動画から切り抜くか |
| 素材 | フリー素材を探してもらえるか |
| タイトル | 動画タイトルも対象になるか |
| 修正 | 文言変更とデザイン変更は何回までか |
| 納品 | JPG・PNGだけか、編集データも必要か |
| 公開 | 実績として掲載されることがあるか |
特に分けておきたいのが、文言の修正と方向変更です。
「初心者向けの注意喚起」という方向は変えず、言葉だけ直す場合は、小さな修正として扱われることがあります。
一方、完成後に「注意喚起ではなく、商品を褒める方向へ変えたい」と依頼すると、画像や色、配置まで作り直しになる場合があります。
最初に方向を一つ決めてから、言葉を詰める方が進めやすくなります。
文言案は一つより複数出してもらう方が選びやすい
文言考案を頼む場合は、可能であれば方向の違う候補を出してもらいます。
たとえば、同じ動画でも次のように分けられます。
結果を見せる案
- 1週間でこうなった
- 結局これが残った
- 予想外の結果に
失敗を見せる案
- 最初からやり直し
- ここで失敗した
- 知らずに損した
疑問を見せる案
- 本当に必要?
- なぜ売れている?
- 安い方で大丈夫?
複数案を頼む場合は、完成デザインを何枚も作ってもらうのか、先に文言だけ提案してもらうのかを分けます。
文言だけの段階で一案を選び、その後にデザインへ進む形なら、大幅な作り直しを減らせます。
サムネイル文言で避けたい失敗
動画タイトルをそのまま全部入れる
サムネイル内の文章が長いと、文字が小さくなります。
タイトルで説明できる部分はタイトルへ任せ、サムネイルでは一つの見どころに絞ります。
動画にない結論を入れる
実際には比較していないのに「徹底比較」、少し試しただけなのに「完全検証」と書くと、動画内容とのずれが出ます。
クリックされても、期待した内容がなければ視聴者は離れます。
抽象的な言葉だけを使う
「すごい結果」「衝撃の事実」「まさかの展開」だけでは、何の動画か分からない場合があります。
画像だけでテーマが分かりにくいときは、商品名、場所、作業名などを一部入れます。
強調したい言葉が多すぎる
文章全体を大きくしたり、すべて違う色にしたりすると、どこから読めばよいか分からなくなります。
最も見せたい単語を一つか二つに絞ります。
参考チャンネルへ寄せすぎる
同じ色、書体、配置、人物の見せ方まで近づけると、自分のチャンネルらしさが残りません。
参考にするのは、文字量、情報の順番、画像の大きさなどに留め、ロゴや配色は自分のチャンネルに合わせます。
納品後は実際の表示サイズで見る
完成画像は、制作画面では大きく表示されています。
そのままでは文字が読みやすく見えても、YouTube上で小さく表示すると、細い文字や小さな補足が読めないことがあります。
納品前には次の状態で見ます。
- パソコンのYouTubeトップ画面
- スマートフォンの一覧画面
- 関連動画に並んだ状態
- 同じジャンルの動画と並んだ状態
- チャンネルページに複数枚並んだ状態
確認するのは、文字の読みやすさだけではありません。
- 何の動画か一目で分かるか
- 最初に読む言葉が決まっているか
- 人物と文字が重なっていないか
- 動画の再生時間表示で文字が隠れないか
- 過去のサムネイルと見分けられるか
- 動画内容と印象が合っているか
細かな装飾より、縮小した状態で主な言葉と画像が残るかを見ます。
公開後は感覚だけで判断しない
サムネイルは、完成時の見た目だけで正解を決めにくい部分です。
公開後の数字を見て、次回の依頼内容へ反映します。
YouTube Studioでは、条件を満たすチャンネルでタイトルやサムネイルのA/Bテストを行い、複数案を比較できます。
テストを行わない場合でも、次の内容を記録しておくと役立ちます。
- 使った文言
- サムネイルの色
- 人物を入れたか
- 数字を入れたか
- 公開後のクリック率
- 視聴者維持率
- 似たテーマの過去動画との差
クリック率だけが高くても、すぐに視聴をやめられている場合は、サムネイルが動画内容より強すぎることがあります。
逆に、動画の評価が高いのにクリックされていない場合は、文言や画像で内容を伝え切れていないことが考えられます。
結果を次のデザイナーへ共有すれば、「前回と同じ雰囲気で」より具体的な依頼ができます。
サムネイルの文言作成まで依頼するとき
依頼前には、完成した文章を作るのではなく、デザイナーが判断できる材料をまとめます。
最低限、次の内容があれば相談を始められます。
- 動画のテーマ
- 見てほしい人
- 動画内の結論
- 最も見せたい場面
- 使用できる写真
- 使ってよい数字
- 避けたい表現
- 参考にしたいサムネイル
- 希望する納期
- 文言案を何案ほしいか
動画を共有する場合は、完成動画なのか、編集前の素材なのかも伝えます。
長い動画であれば、見てほしい時間帯を書きます。専門分野の動画では、間違えてはいけない用語や表現も添えます。
文言だけ先に決めるのか、デザインと一緒に提案してもらうのかも、見積もり時にそろえておくとやり直しを減らせます。
まとめ
YouTubeサムネイルは、画像の制作だけでなく、画像内に入れる文言まで考えてもらえる場合があります。
ただし、丸投げとは、何も伝えなくても希望通りになるという意味ではありません。
視聴者、動画の結論、使いたい場面、避けたい表現を渡し、その中から短い言葉を考えてもらう形です。
タイトルですべてを説明し、サムネイルでは最も見せたい一部分を短く伝えると、それぞれの役割を分けられます。
完成後は大きな画像だけで判断せず、スマートフォンや関連動画に並んだ状態でも確認します。公開後の結果も残しておけば、次回はより具体的に文言とデザインを依頼できます。

