民泊の掲載写真を撮り直したいものの、撮影日に自分が現地へ行けない。遠方の物件を運営している場合や、複数の民泊を管理している場合には珍しくない状況です。
室内に安全に入れる方法を用意し、撮影箇所や退出時のルールまで事前に伝えておけば、写真撮影は立ち会いなしでも進められます。
ただし、鍵だけ渡して「室内を撮ってください」では不足します。特に民泊は、撮影前の清掃やベッドメイクが終わっているかどうかで写真の仕上がりが大きく変わります。
立ち会いなしの民泊撮影はどう進める?
基本的には、撮影者が決められた時間に現地へ行き、自分で入室して撮影します。
よく使われるのは次の方法です。
- 玄関付近のキーボックス
- スマートロックの一時的な暗証番号
- 管理会社からの鍵の受け取り
- 指定した場所に保管した鍵
撮影後は施錠し、鍵を元の場所へ戻して終了します。
そのため、立ち会いなしで依頼するときは「どう入るか」だけでなく「どう退出するか」まで決めておく必要があります。
立ち会いありとなしの違い
| 項目 | 立ち会いあり | 立ち会いなし |
|---|---|---|
| 鍵の受け渡し | 当日手渡せる | キーボックスなどが必要 |
| 撮影内容の変更 | その場で伝えやすい | 事前指示が必要 |
| 家具の移動 | その場で判断できる | 動かしてよい物を決めておく |
| 撮り忘れ | その場で気付きやすい | 撮影箇所の一覧が必要 |
| オーナーの移動 | 必要 | 原則不要 |
| 遠方物件 | 手間が大きい | 依頼しやすい |
立ち会わない分、事前準備が増えると考えておくと分かりやすいでしょう。
撮影前に室内を完成状態にしておく
撮影者が到着したときには、宿泊者を迎えられる状態まで部屋を整えておきます。
最低限済ませておきたいのは次の作業です。
- 室内清掃
- ベッドメイク
- タオルの設置
- アメニティの設置
- テーブル上の整理
- ゴミ箱を空にする
- 段ボールや清掃用品を片付ける
- カーテンやブラインドを整える
- 切れている照明を交換する
撮影者が清掃担当者とは限りません。
洗剤、予備のリネン、掃除機、段ボールなどが出たままだと、その場所を避けて撮るしかなくなります。
特に新規オープン前の民泊では、家具の組み立てや備品の搬入を撮影日と同日に詰め込まないほうが安全です。
ベッドと寝室は撮影前に細かく見る
寝室は民泊写真の中でも乱れが目立ちやすい場所です。
撮影前には、
- シーツに大きなしわがないか
- 枕の向きがそろっているか
- 掛け布団が左右にずれていないか
- ベッド下から物が見えていないか
- サイドテーブルに不要な物がないか
まで見ておきます。
立ち会いなしの場合、撮影当日に「もう少し布団を整えてほしい」と細かな指示を出すのは難しくなります。
清掃担当者へ「清掃完了」ではなく「写真を撮れる状態まで整える」と伝えておくと行き違いを減らせます。
撮ってほしい場所を一覧にする
民泊写真では、リビングや寝室だけ撮れば十分とは限りません。
たとえば次の場所があります。
- 建物外観
- 玄関
- リビング
- ダイニング
- 寝室
- キッチン
- 浴室
- 洗面所
- トイレ
- バルコニー
- ワークスペース
- 収納
- アメニティ
- 家電
- 建物の共用部分
掲載時に必要なのに撮り忘れた場所があると、再訪問が必要になります。
「全部お願いします」ではなく、物件ごとの撮影箇所を一覧にして渡すほうが確実です。
特に見せたい設備も伝えておく
一般的な部屋写真だけでは、ほかの民泊との違いが分かりにくくなります。
物件に特徴があるなら、撮影前に伝えます。
たとえば、
- 大人数で使えるダイニング
- 大型テレビ
- プロジェクター
- ベビーベッド
- 調理家電
- 洗濯機
- 独立した仕事机
- バルコニー
- 景色
- 浴槽
- 和室
などです。
「この設備を必ず一枚入れてほしい」と伝えておけば、撮り忘れを防げます。
広角写真は広く見えるが、広く見せすぎにも注意
民泊では、室内全体が分かる広角写真が使われます。
特に狭い室内では、通常のレンズより一枚の写真に広い範囲を入れられます。
ただし、単純に広ければよいわけではありません。
極端な位置から撮ると、
- 手前の家具だけ大きく見える
- 部屋の奥が実際以上に遠く見える
- 壁や柱が不自然に傾いて見える
- 実際に泊まったときの印象との差が大きくなる
といったことがあります。
部屋の広さを伝えながらも、実際の間取りが分かる写真にすることが大切です。
家具を動かしてよい範囲を決める
撮影時には、椅子やクッションの位置を少し変えたほうが写真が整うことがあります。
立ち会いなしなら、あらかじめ扱いを決めます。
たとえば、
- 椅子は移動してよい
- テーブルは動かさない
- ベッドは動かさない
- 観葉植物は移動してよい
- 私物には触れない
- 撮影後は元の場所へ戻す
といった形です。
重量のある家具まで撮影者が自由に動かす前提にはしないほうがよいでしょう。
キーボックスを使うなら撮影前日に一度確認する
キーボックス撮影で困るのは、当日になって鍵を取り出せないケースです。
前日までに、
- 暗証番号が正しい
- 鍵が入っている
- キーボックスが開く
- 鍵で玄関が開く
- オートロックを通過できる
- 共用部分から部屋まで入れる
ところまで確認しておきます。
マンションでは、部屋の鍵だけあっても建物入口のオートロックを突破できないことがあります。
入口から室内までの手順を一度たどっておくと安心です。
入室方法は文章だけでなく写真を付ける
キーボックスの位置を「玄関横」とだけ伝えると、現地で見つけにくいことがあります。
スマートフォンで、
- 建物外観
- 建物入口
- キーボックスの位置
- キーボックスのアップ
- 部屋の玄関
を撮り、順番に送っておくと迷いにくくなります。
大型マンションや複数棟ある建物では、建物名と部屋番号だけでは入口を間違えることもあります。
撮影当日に清掃を入れるなら時間を分ける
清掃と撮影を同じ日にする場合は、撮影開始まで余裕を取ります。
「清掃が12時まで、撮影も12時から」とすると、清掃が少し遅れただけで重なります。
清掃後には、
- ベッドの乱れ
- 忘れ物
- 清掃道具
- ゴミ
- 照明
- カーテン
をチェックする時間も必要です。
撮影者が到着する前に、清掃担当者から室内写真を送ってもらう方法もあります。
撮影後の施錠ルールも決めておく
立ち会いなしでは、撮影終了後の状態も伝えておきます。
- 窓を閉める
- エアコンを切る
- 照明を消す
- カーテンを閉める
- 玄関を施錠する
- 鍵をキーボックスへ戻す
- キーボックスの番号を崩す
などです。
民泊によって退出ルールは違います。
撮影者が判断しなくて済むように、一枚のメモにまとめて渡しておきます。
撮影依頼時に送る情報
見積もりや日程相談では、最初から次の情報をまとめておくと話が早く進みます。
- 物件所在地
- マンション・戸建てなどの種類
- 間取り
- おおよその広さ
- 撮影希望日
- 入室できる時間
- 立ち会いなしであること
- 鍵の受け渡し方法
- 撮影してほしい場所
- 特に見せたい設備
- 写真を使う場所
「民泊の撮影をお願いします」だけでは、撮影時間や必要なカットを判断できません。
物件情報と撮影内容を最初にまとめて送ると、追加のやり取りを減らせます。
立ち会いなしで撮影を依頼する前に整理すること
依頼前には、撮影者側の情報だけを見るのではなく、自分の物件側の準備も整理しておきます。
特に先に決めたいのは、
- 誰が撮影前の清掃を行うか
- 何時から入室できるか
- 鍵をどこから受け取るか
- どこを撮ってほしいか
- 家具をどこまで動かしてよいか
- 撮影後に何を元へ戻すか
- 誰へ連絡すればよいか
の7点です。
撮影当日に電話が来ても対応できない場合は、緊急時の連絡先も別に決めておきます。
まとめ
民泊の写真撮影は、必ずしもオーナーが現地で立ち会う必要はありません。
キーボックスなどで入室できる状態を作り、室内を撮影できる状態まで整え、必要な写真を事前に伝えておけば、立ち会いなしでも進めやすくなります。
特に忘れやすいのが、鍵の確認、清掃完了時間、撮影箇所、家具を動かせる範囲、撮影後の施錠方法です。
撮影者が現地で判断しなければならないことをできるだけ減らしておくことが、立ち会わずに民泊撮影を進めるコツです。

