ハンドメイド作品をネットで販売するとき、作品作りとは別に時間がかかるのが商品写真です。
明るさを整え、背景を用意し、何度も角度を変えて撮る。作品数が増えるほど負担も大きくなります。そこで、完成した作品を送って商品写真だけ撮ってもらう方法があります。
ただし、撮影を任せる場合でも「いい感じに撮ってください」だけでは、ネットショップで使いやすい写真になるとは限りません。作品を発送する前に、必要な写真を決めておくことが大切です。
最初に1作品あたり何枚必要か決める
最初に考えるのは撮影枚数ではなく、商品ページで何を見せるかです。
たとえばポーチなら、1枚だけでは形は分かっても、厚みや内側、ファスナー部分までは伝わりません。
商品ページ用なら、次のように役割を分けられます。
| 写真 | 見せる内容 |
|---|---|
| 1枚目 | 商品全体と雰囲気 |
| 正面 | 基本的な形 |
| 背面 | 裏側の仕様 |
| 斜め | 厚みや立体感 |
| アップ | 生地、縫い目、金具など |
| サイズ比較 | 大きさ |
| 使用イメージ | 実際に使ったときの印象 |
すべての作品で7種類必要という意味ではありません。
アクセサリーなら金具のアップが必要でしょうし、布小物なら内側の収納を見せたほうが分かりやすいことがあります。
作品ごとに「購入前に写真で知りたいこと」を考えて枚数を決めます。
1枚目は雰囲気より商品を分かりやすくする
ハンドメイド作品では、花や布、小物を使った雰囲気のある写真もよく使われます。
ただし、商品一覧に表示される1枚目では、作品そのものが見えにくくならないようにします。
背景や小物が目立ちすぎると、
- 何の商品なのか分かりにくい
- 商品の色が判別しづらい
- 一覧画面で作品が小さく見える
といった問題が出ます。
1枚目は商品を主役にし、世界観を見せる写真は2枚目以降へ回す方法もあります。
撮影を頼むときは、「1枚目用」と「イメージ写真」を分けて伝えておくと使いやすくなります。
作品の色は事前に伝える
ハンドメイド作品では、写真のおしゃれさだけでなく色がきちんと伝わることも大切です。
特に、
- 生成りと白
- ベージュとグレージュ
- 淡いピンクとベージュ
- ネイビーと黒
- ゴールドとシルバー
などは、照明や撮影後の補正によって見え方が変わります。
商品写真だけを見て購入する人にとって、届いた作品の色が想像と大きく違うのは困ります。
「実物は写真より少し青みがあります」のような情報があるなら、撮影前に伝えておきます。
サイズ感を伝える写真を入れる
縦10cm、横8cmと商品説明に書いてあっても、数字だけでは大きさを想像しづらいことがあります。
小物なら、比較対象を入れた写真があると分かりやすくなります。
たとえば、
- 手のひら
- 一般的なカード
- 文庫本
- スマートフォン
- バッグ
- 鍵
などです。
ただし、比較に使う物の大きさが製品ごとに違う場合は注意が必要です。
スマートフォンなどは機種によって大きさが違うため、「約15cmのスマートフォン」といった補足が必要になることもあります。
小物を使うなら世界観を先に伝える
撮影用の小物を使う場合は、作品に合う雰囲気を伝えておきます。
同じアクセサリーでも、
- 白背景でシンプル
- 木目を使ったナチュラル系
- 花を使ったかわいい雰囲気
- 黒背景の大人っぽい雰囲気
- 淡色中心の韓国風
- アンティーク調
では写真の印象が大きく変わります。
「おしゃれにしてください」ではなく、ショップ全体の雰囲気が分かる画像や参考写真を渡すほうが伝わります。
すでにネットショップを運営しているなら、商品ページやショップトップの画面を見せる方法もあります。
参考写真は「どこを参考にするか」も伝える
参考写真を送るだけでは、撮影する人がどこを真似すればよいのか分からないことがあります。
たとえば参考画像と一緒に、
- 背景の色だけ参考
- 写真の明るさを参考
- 作品の置き方を参考
- 小物の量を参考
- 真上からの角度を参考
と書きます。
反対に、「花は使わない」「暗い背景にはしない」など、避けたい写真も伝えておくと仕上がりのずれを減らせます。
シリーズ商品は写真の統一感を考える
色違いや柄違いを何種類も販売する場合、一つずつ違った背景で撮るより、基本構図をそろえたほうが一覧で見やすくなります。
たとえば、
- カメラの位置
- 商品の向き
- 背景
- 明るさ
- 余白
- 使用する小物
をそろえます。
特にネットショップの商品一覧では、写真が並んだ状態で見られます。
一枚ずつはきれいでも、背景や大きさが毎回違うとショップ全体がばらばらに見えることがあります。
新作を定期的に追加するなら、今後も同じ構図を再現できる撮り方にしておくと管理しやすくなります。
商品写真とSNS写真を分ける
ネットショップ用とSNS用では、同じ写真が最適とは限りません。
商品ページでは形や仕様が分かることが優先されますが、SNSでは雰囲気のある写真が使いやすい場合があります。
| 用途 | 写真で優先すること |
|---|---|
| 商品一覧 | 商品が一目で分かる |
| 商品詳細 | 形、素材、細部 |
| 雰囲気、世界観 | |
| 広告 | 商品と訴求内容 |
| ショップトップ | ブランド全体の統一感 |
複数用途で写真を使うなら、撮影時に伝えておきます。
後から正方形や縦長に切り抜く場合もあるため、作品の周囲に余白を取った写真を含める方法もあります。
ロゴ入り画像が必要なら元データも残す
商品写真にショップ名やロゴを載せることがあります。
その場合でも、文字を入れていない写真も残しておくと便利です。
ロゴ入り画像だけでは、
- 別のショップへ出品する
- SNS広告に使う
- デザインを変更する
- 新しいロゴへ変更する
ときに使い回しにくくなります。
加工済み画像と元の写真を分けて管理しておけば、後から用途を増やしやすくなります。
作品を送る前に傷やほこりを見る
写真は肉眼より細かな部分が目立つことがあります。
発送前には、
- 糸くず
- ほこり
- 指紋
- 接着剤の跡
- 小さな傷
- 金具のくすみ
- 折れやしわ
を見ておきます。
特にアクセサリーや濃い色の商品は、細かなほこりが写真に写りやすくなります。
撮影用として状態のよい作品を選び、個別に袋へ入れて発送します。
複数作品を送るなら番号を付ける
作品数が多いと、撮影者側で商品名を判別できないことがあります。
たとえば、
- A01 ベージュポーチ
- A02 ブルーポーチ
- B01 花柄イヤリング
のように番号を付けます。
同じ番号を、
- 作品
- 発送一覧
- 撮影指示書
の3か所に書いておけば、取り違えを防ぎやすくなります。
「ピンクのもの」「小さいほう」といった伝え方は、似た作品が増えるほど分かりにくくなります。
返送時の状態も考えて梱包する
撮影後も販売する作品なら、往復の配送で傷まないようにします。
特に、
- 折れやすいパーツ
- 型崩れしやすい布製品
- 表面に傷が付きやすい素材
- 金具同士がぶつかるアクセサリー
は個別に保護します。
発送するときの箱や緩衝材をそのまま返送に使う場合もあるため、再梱包しやすい状態にしておくとスムーズです。
撮影代行へ渡す指示書
撮影依頼では、長い文章を何度も送るより一枚にまとめたほうが分かりやすくなります。
最低限、次の内容を入れます。
- 作品番号
- 作品名
- サイズ
- 特に見せたい部分
- 必要な写真の種類
- 1枚目に使いたい構図
- 希望する背景
- 希望する雰囲気
- 使用してよい小物
- 避けたい撮り方
- 写真の使用先
- 参考画像
複数作品でも基本構図が同じなら、「Aシリーズはすべて同じ構図」とまとめても構いません。
作品ごとに違う部分だけ追記すれば、指示書も長くなりすぎません。
撮影を頼む前に決めておくこと
依頼前に、次の内容まで整理しておくと話が早く進みます。
- 何作品撮るか
- 1作品につき何種類の写真が必要か
- 1枚目にどの写真を使うか
- 商品の色をどこまで正確に見せたいか
- サイズ比較の写真が必要か
- 背景や小物を使うか
- ショップ全体で構図をそろえるか
- ネットショップ以外でも使うか
- ロゴ入り画像が必要か
- 撮影後の作品を返送してもらうか
そのうえで、参考画像と作品一覧を一緒に送ります。
「かわいく」「ナチュラルに」といった短い言葉だけではなく、どの写真を商品一覧に使い、どの部分を購入者へ見せたいのかまで伝えると、用途に合った写真になりやすくなります。
まとめ
ハンドメイド作品の撮影を外注するときは、作品を送る前に商品ページで必要な写真を決めておきます。
特に整理したいのは、1枚目、別角度、細部、サイズ感、背景、小物、色、使用先です。
撮影する人に作品そのものを見てもらうだけでは、ショップの雰囲気や商品ページで何を伝えたいのかまでは分かりません。
作品番号と撮影指示書を用意し、「どの作品を、どのように見せたいのか」が分かる状態で渡すと、ネットショップで使いやすい写真をそろえやすくなります。

