ゲームが好きな二人なら、プロフィールムービーにも冒険、ステータス画面、ドット絵、マップといった演出を取り入れたくなるものです。
ただし、好きなゲームの画面をそのまま再現してもらえるとは限りません。写真と名前を送るだけで完成する商品もあれば、コメント、二人の経歴、画面内の数値まで自分たちで決める商品もあります。
依頼後に「思っていたゲームと違う」「写真が足りない」とならないように、外注前に決めておきたい内容を整理します。
ゲーム風プロフィールムービーには複数の種類がある
ゲーム風と書かれていても、映像の見た目や構成は同じではありません。
主な違いは、どのゲーム要素を使って二人の生い立ちを見せるかです。
| 種類 | 主な演出 | 合いやすい内容 |
|---|---|---|
| RPG風 | マップ、冒険、仲間、ステータス | 幼少期から結婚までの物語 |
| ドット絵風 | 小さなキャラクター、レトロな画面 | 懐かしく明るい雰囲気 |
| 育成ゲーム風 | 成長、能力、レベルアップ | 生い立ちや性格の紹介 |
| 対戦ゲーム風 | 新郎対新婦、能力比較 | 笑いを入れた二人紹介 |
| 図鑑風 | 番号、分類、特徴、説明文 | 趣味や性格の紹介 |
| すごろく風 | 年代ごとの出来事、目的地 | 出会いから結婚までの流れ |
見本を見たときは、単に「かわいい」「懐かしい」で決めず、どの演出が何分続くのかまで見ます。
冒頭だけゲーム風で、その後は一般的なスライドショーになる商品もあります。反対に、最初から最後までゲーム画面の中で話が進む商品もあります。
原作の再現より二人の物語に合うかを見る
実在するゲームの雰囲気を参考にした映像でも、ロゴ、キャラクター、背景、音楽まで公式作品と同じにできるとは限りません。
他人が作ったイラスト、映像、音楽などを利用する場合は、権利者の許諾を得るのが原則です。結婚式で一度上映するだけでも、制作会社が市販商品として扱えるかどうかは別の問題になります。
依頼するときは、「あのゲームを完全にコピーしてほしい」ではなく、使いたい要素を分けて伝えます。
- ドット絵のキャラクターで二人を表現したい
- 冒険へ出発するような構成にしたい
- ステータス画面で性格を紹介したい
- マップ上を進みながら年代を見せたい
- 図鑑のような説明文を入れたい
- レベルアップで成長を表したい
- 最後は結婚を新しい冒険の始まりとして見せたい
ゲームの固有名詞を使わなくても、こうした要素があればゲームらしさは伝わります。
見本映像で変更できない部分を探す
テンプレートを使う商品では、写真やコメントは変えられても、画面の流れや動きは固定されていることがあります。
注文前には、変更できる部分とできない部分を分けて聞きます。
変更できることが多い部分
- 新郎新婦の名前
- 挙式日や入籍日
- 使用する写真
- 写真に付けるコメント
- 二人のプロフィール
- 一部の色
- 表示する数値や肩書き
- 最後のメッセージ
変更できないことがある部分
- ムービー全体の構成
- 写真の基本枚数
- 画面の動き
- キャラクターの形
- 背景のマップ
- 使用する書体
- 各パートの長さ
- ゲーム画面の順番
- BGMに合わせた切り替え
希望する変更がある場合は、注文後ではなく、見積もりを頼む段階で伝えます。
「色を変えたい」「写真を増やしたい」だけではなく、サンプルの時間を指定すると話が早く進みます。
- 35秒付近の背景色を変更できるか
- 新郎パートの写真を2枚増やせるか
- ステータスの項目名を変えられるか
- 最後のメッセージを長くできるか
- キャラクターの髪形を写真に合わせられるか
先にムービー全体の物語を決める
ゲーム風プロフィールムービーでは、写真を年代順に並べるだけでなく、二人の人生を一つの冒険として見せる方法があります。
基本の流れは次のように組み立てられます。
- 新郎が誕生する
- 家族や友人と出会う
- 学校生活や部活動を経験する
- 新婦が誕生する
- 新婦も家族や友人と成長する
- 二人が出会う
- 交際中の出来事を経験する
- 結婚という目的地へ到着する
- 新しい冒険が始まる
この流れを先に決めてから写真を探すと、幼少期だけ多すぎる、二人の写真が足りないといった偏りを防げます。
ゲーム用語を無理にすべてのコメントへ入れる必要はありません。場面の区切りだけゲーム風にし、写真のコメントは普段の言葉で書いたほうが、幅広いゲストに伝わります。
写真はパートごとに分けて集める
写真を一つのフォルダへまとめるだけでは、どこで使いたいのかが制作者に伝わりません。
新郎、新婦、二人のパートに分け、さらに年代順に並べます。
新郎パート
- 赤ちゃんの頃
- 幼稚園や保育園
- 小学生
- 中学生
- 高校生
- 大学や専門学校
- 社会人
- 家族との写真
- 友人との写真
新婦パート
- 赤ちゃんの頃
- 幼稚園や保育園
- 小学生
- 中学生
- 高校生
- 大学や専門学校
- 社会人
- 家族との写真
- 友人との写真
二人のパート
- 出会った頃
- 初めて出かけた場所
- 旅行
- 記念日
- 家族との顔合わせ
- プロポーズ
- 入籍
- 前撮り
- 現在の二人
各年代から同じ枚数を出す必要はありません。
写真が少ない時期は一枚でまとめ、印象的な出来事が多い時期に枚数を使います。
使いやすい写真と使いにくい写真
ゲーム風の画面では、写真の周りに枠、文字、数値、アイコンなどが入ります。
人物が画面いっぱいに写っている写真は、装飾を入れたときに顔が隠れることがあります。
使いやすい写真
- 顔がはっきり見える
- 人物の周囲に余白がある
- 元の画像サイズが大きい
- 明るすぎたり暗すぎたりしない
- 誰と写っているか分かる
- 横長の画面へ合わせやすい
- 同じ場所や服装が続かない
選び直しになりやすい写真
- SNSから保存して画質が落ちている
- 顔の上にスタンプや文字がある
- 集合写真で新郎新婦が小さい
- ピントが大きく外れている
- スクリーンショットしか残っていない
- 縦写真ばかりに偏っている
- 似た構図の写真が何枚も続く
集合写真を使う場合は、新郎新婦がどこにいるのかも伝えます。
「前列左から3番目」のように書いておけば、必要な場所を拡大してもらいやすくなります。
コメントはゲーム用語より内容を優先する
ゲーム風の映像だからといって、すべての文章をゲーム用語へ変えると読みにくくなります。
特に年配のゲストやゲームに詳しくないゲストは、用語の意味を理解できないことがあります。
分かりにくい例
レベル6で初めてのダンジョンへ挑戦。パーティーメンバーと数々のクエストを攻略した。
分かりやすい例
6歳で小学校へ入学。友達と毎日暗くなるまで外で遊んでいました。
ゲームらしさは、画面や見出しで補えます。写真の説明には、何があったのかを普通の言葉で書きます。
コメントに入れやすい内容
- 当時好きだったこと
- 家族との思い出
- 部活動や習い事
- 友人との出来事
- 今にも残っている性格
- 将来の夢
- 二人が出会った場所
- 初デートの出来事
- 結婚を決めたきっかけ
- ゲストへの感謝
写真を見れば分かる内容だけを書くのではなく、画面には写っていない話を一つ加えます。
「高校の文化祭」ではなく、「準備に夢中になり、毎日最後まで教室に残っていました」と書けば、当時の性格まで伝わります。
ステータス画面の数値は読みやすさを優先する
ゲーム風ムービーでは、新郎新婦をステータス画面で紹介することがあります。
項目を増やしすぎると、ゲストが読み終わる前に次の画面へ進んでしまいます。一人につき3~5項目ほどに絞ると見やすくなります。
使いやすい項目
- 体力
- 行動力
- 料理
- 掃除
- 方向感覚
- 早起き
- 買い物
- お酒
- 笑顔
- 優しさ
- 計画性
- 趣味への集中力
紹介文の例
| 項目 | 新郎 | 新婦 |
|---|---|---|
| 行動力 | 80 | 95 |
| 料理 | 40 | 90 |
| 早起き | 20 | 75 |
| 方向感覚 | 85 | 30 |
| 買い物の速さ | 95 | 15 |
数値に正解はありません。二人の違いが分かり、本人たちも笑える内容にします。
容姿、体形、収入、病気、家庭事情など、本人や家族が気にする内容は数値化しないほうが安全です。
図鑑風の説明は短くする
図鑑やキャラクター紹介のような画面では、名前、分類、特徴、得意技などを入れられます。
ただし、説明を長くすると画面が文字で埋まります。
新郎の紹介例
分類:休日ねぼうタイプ
特徴:目覚ましを3回止める
得意技:どこでも昼寝
弱点:朝8時の集合
新婦の紹介例
分類:旅行けいかくタイプ
特徴:予定表を細かく作る
得意技:店の予約
弱点:急な予定変更
一項目を短くし、一画面で読める量に抑えます。
文字数の上限が決められている商品では、入力前に上限を聞きます。完成後に文章を削るより、最初から収まる長さで作るほうが意図を残せます。
ゲストの写真を使うときは扱いに気をつける
プロフィールムービーでは、家族、友人、職場の人が写った写真も使います。
過去の写真を結婚式で上映すること自体を嫌がる人もいるため、目立つ形で使う場合は本人へ一言伝えておくと安心です。
特に次の写真は避けるか、本人へ確認します。
- 変顔や寝顔
- 水着姿
- 飲酒中の失敗
- 元交際相手が写っている
- 学校名や会社名が大きく写っている
- 子どもの顔がはっきり写っている
- SNSへ公開していない写真
- 本人が消してほしいと話していた写真
制作者の実績紹介やSNSへ完成映像を載せる可能性がある場合は、披露宴での上映とは別に考えます。
新郎新婦だけでなく、写っているゲストの扱いも含め、公開の有無を注文前に聞きます。
曲はゲームの音源をそのまま使えるとは限らない
ゲーム風の映像には、元になったゲームのBGMを使いたくなることがあります。
しかし、ゲーム内の音源を動画サイトやゲーム機から録音し、プロフィールムービーへ入れる前提では進めないほうが安全です。
市販の楽曲をプロフィールムービーへ収録する場合も、会場でCDを再生する場合とは別に、著作権と著作隣接権の手続きが必要です。ISUMの楽曲データベースでは、結婚式の映像で利用申請できる曲を調べられます。
曲については、次の順番で進めます。
- サンプルと同じ曲を使うか決める
- 変更する場合は候補曲を選ぶ
- ISUMの登録曲か調べる
- 式場と制作者のどちらが申請するか聞く
- 曲の変更費と申請費を確認する
- 使用する音源を確定する
曲名だけでなく、アーティスト名と収録されているCDも伝えます。
同じ曲でも音源や収録商品が違うことがあるため、自己判断で音声ファイルだけを送らないようにします。
式場の画面比率とセーフゾーンを聞く
ゲーム画面は、端に文字、数値、アイコンを置くことが多いデザインです。
式場のスクリーンや再生機器によっては、映像の端が切れて見えることがあります。そのため、画面比率だけでなく、文字を収める範囲も制作者へ伝えます。
式場には次の内容を聞きます。
- 画面比率は16対9か4対3か
- DVDとデータのどちらで提出するか
- DVD-Video形式の指定があるか
- 映像の前後に黒い画面が必要か
- 文字を画面の何%以内に収めるか
- 解像度の指定があるか
- メニュー画面を付けてよいか
- 一枚のDVDへ複数の映像を入れてよいか
- 提出期限はいつか
- 式場で事前再生できるか
式場から上映規定の資料をもらった場合は、内容を書き直さず、そのまま制作者へ送ります。
数字や形式を自分の言葉で伝え直すと、16対9と4対3を間違えるなどの行き違いが起きやすくなります。
納期は素材がそろう日から数える
プロフィールムービーの制作期間は、注文した日からではなく、写真、コメント、名前などがすべてそろった日から数えるのが一般的です。
挙式日まで余裕があっても、写真選びが遅れれば制作開始も後ろへずれます。
進め方の一例
| 時期 | 進める内容 |
|---|---|
| 挙式の3か月前 | 制作先とデザインを決める |
| 2か月半前 | 式場の上映規定を確認する |
| 2か月前 | 写真を集めて年代別に分ける |
| 1か月半前 | コメントとプロフィールを提出する |
| 1か月前 | 初稿を見て修正内容をまとめる |
| 3週間前 | 完成版を受け取る |
| 2週間前 | 式場へ提出して再生する |
実家にしかない写真、友人から送ってもらう写真、前撮りデータなどは、届く日を先に調べます。
すべてがそろうまで制作先へ連絡しないのではなく、足りない写真と提出予定日を伝えて、先に予約できるか聞く方法もあります。
初稿ではゲームらしさより内容を確認する
初稿を見ると、キャラクターや画面の動きに目が行きがちです。
しかし、最初に見るべきなのは名前、日付、写真、コメントです。
初稿で見る項目
- 新郎新婦の名前が正しいか
- ローマ字のつづりが合っているか
- 挙式日と入籍日が混ざっていないか
- 写真が年代順に並んでいるか
- 家族や友人の名前を間違えていないか
- コメントが表示時間内に読めるか
- ステータスの数値が逆になっていないか
- 同じ写真が重複していないか
- 画面の端で文字が切れていないか
- 最後のメッセージが正しいか
- BGMと写真の切り替えが合っているか
修正内容は、時間と変更内容をセットにして送ります。
- 1分12秒の写真を別データへ変更
- 新郎パート4枚目のコメントを修正
- 2分05秒のステータス数値を新郎と新婦で入れ替え
- 最後のローマ字表記を修正
「何となく違う」「もっとゲームらしく」と伝えるだけでは、どこを直すのか分かりません。
修正回数より修正できる内容を見る
修正回数が多い商品でも、構成、曲、写真枚数などは変更対象外になっていることがあります。
回数だけで判断せず、次の内容を聞きます。
- 写真を差し替えられるか
- コメントを変更できるか
- 写真を追加または削除できるか
- ステータス項目を変えられるか
- キャラクターの見た目を直せるか
- BGMを初稿後に変更できるか
- パートの順番を変えられるか
- 色を変更できるか
- 修正期限はいつか
- 最終確認後の再修正に費用がかかるか
大きく変えたい部分があるなら、完成後の修正で対応してもらうのではなく、制作開始前に伝えます。
制作を依頼する前に整理する内容
問い合わせ前に、必要な情報を一つのメモへまとめておくと、納期、対応範囲、追加費用を確認しやすくなります。
- 挙式日
- 結婚式場名
- 式場への提出期限
- 素材を提出できる日
- 希望する納品日
- 画面比率
- セーフゾーン
- 納品形式
- 希望するゲームの雰囲気
- 取り入れたいゲーム要素
- 新郎パートの写真枚数
- 新婦パートの写真枚数
- 二人パートの写真枚数
- ステータス画面の項目
- 図鑑風の紹介文
- 使用したいBGM
- 曲の申請先
- サンプルから変えたい部分
- 完成映像を公開してよいか
- 修正してほしい範囲
実在する作品の名前を参考として伝える場合も、どの部分が好きなのかを言葉にします。
「画面をそのまま再現」ではなく、「ドット絵」「冒険」「図鑑」「マップ」「レベルアップ」などに分ければ、原作の画像を使わずに希望を伝えられます。
まとめ
ゲーム風プロフィールムービーを外注するときは、好きなゲームに似ているかだけで決めず、二人の生い立ちを見やすく紹介できるかを見ます。
外注前に決めたいのは次の5点です。
- 取り入れたいゲーム要素
- 各パートで使用する写真
- コメントとステータスの内容
- 実在作品をどこまで参考にするか
- 式場の上映規定とBGMの手続き
先にサンプル映像を最後まで見て、変更したい場所を時間ごとに書き出します。
そのうえで写真とコメントを年代別に分け、式場の上映規定と一緒に制作者へ渡せば、注文後の撮り直しや大幅な修正を減らせます。

