スマートフォンで動画は撮影したものの、編集を頼むときに何を送ればよいのかわからない。リール動画を初めて外注するときによくある迷いです。
編集だけを頼む場合、必ずしも完成した台本や細かな指示書まで用意する必要はありません。ただし、撮影した動画だけを何の説明もなく送ると、使う場面や動画の目的を編集者が判断できません。
最低限必要なのは、撮影素材、伝えたい内容、完成イメージの3つです。ここから、依頼内容に合わせてテロップ原稿やロゴ、参考動画などを追加します。
最初に「編集だけ」か「構成から」かを決める
リール動画の依頼内容は、大きく分けると次の3種類です。
| 依頼する範囲 | 自分で用意するもの | 編集者へ頼むこと |
|---|---|---|
| 編集のみ | 撮影素材、台本、テロップ原稿 | カット、字幕、BGM、効果音 |
| 構成と編集 | 撮影素材、伝えたい内容 | 並び順、見せ方、テロップ、編集 |
| 素材選びから相談 | 写真や動画、商品情報、目的 | 使用素材の選定、構成、編集 |
どこまで決めているかによって、渡すものが変わります。
話す内容や動画の順番まで決まっているなら、編集だけを頼めます。反対に、撮影はしたものの、どの場面を使えばよいかわからない場合は、素材選びや構成も含めて相談します。
依頼前に細かな演出まで決める必要はありません。「素材の中から使える部分を選んでほしい」と伝えるだけでも、依頼範囲はわかりやすくなります。
リール編集を依頼するときに渡すもの
撮影した元動画
最初に必要なのは、編集前の元動画です。
自分で不要な部分を削る必要はありません。撮影に失敗した動画や明らかに使わない動画を除き、使う可能性があるものはそのまま渡します。
撮影した順番と、完成動画で使いたい順番が違う場合は、ファイル名を変更しておくと伝わりやすくなります。
例として、次のように整理できます。
- 01_店舗外観
- 02_入口
- 03_商品全体
- 04_商品アップ
- 05_使用場面
- 06_スタッフコメント
同じ場面を何度か撮影している場合は、「商品アップ1」「商品アップ2」のように分けます。
どれを使うか決められないときは、無理に選ばず、「同じ場面を3本撮影したので、見やすいものを選んでください」と伝えれば十分です。
動画の目的
同じ撮影素材でも、目的によって編集方法は変わります。
たとえば店舗の店内を撮影した動画でも、目的には次のような違いがあります。
- 初めて来店する人へ店内の雰囲気を見せる
- 新商品を紹介する
- 予約や問い合わせにつなげる
- スタッフ募集に使う
- 店舗までの行き方を説明する
「おしゃれな動画にしてください」だけでは、何を目立たせるべきか判断できません。
長い説明は不要なので、「新商品を知ってもらい、店頭で注文してほしい」など、誰に何を伝えたい動画なのかを一文でまとめます。
動画内で伝えたい内容
動画に入れたい情報を箇条書きで渡します。
文章として整っていなくても構いません。
- 商品名
- 商品の特徴
- 開催日
- 営業時間
- 場所
- 予約方法
- 最後に表示する言葉
編集者が文章を短く整えてよいのか、原文のまま使ってほしいのかも書いておきます。
商品名や日時など、間違えると困る部分はコピーできる文字で渡してください。手書きの写真だけを送るより、メッセージやテキストファイルで送ったほうが入力ミスを防げます。
参考にしたいリール動画
完成イメージは、言葉だけで説明するより、参考動画を見せたほうが早く伝わります。
参考動画は1本に絞る必要はありません。
- テロップの雰囲気はこの動画
- 動画のテンポはこの動画
- 色合いはこの動画
- 最後の見せ方はこの動画
このように、参考にしたい部分を分けて伝えます。
URLだけを並べると、どこを参考にすればよいのかわかりません。「文字の出し方」「切り替えの速さ」など、見てほしい部分を一言添えます。
ロゴや商品画像
動画の最後に店舗名やブランド名を表示する場合は、ロゴデータを送ります。
背景が透明な画像があると使いやすいですが、持っていなければ手元にあるデータを送って相談します。画質の低いスクリーンショットしかない場合は、そのまま使用できるか事前に伝えてください。
商品写真、メニュー表、地図、予約画面などを差し込みたい場合も、撮影動画とは別のフォルダにまとめます。
撮影するときに残しておきたい余白
撮影素材は、使いたい場面だけを短く切って撮るより、前後を少し長めに残したほうが編集しやすくなります。
商品を机に置く場面なら、置いた直後に撮影を止めず、そのまま数秒撮り続けます。人が話す動画でも、話し始める直前と話し終えた後を残します。
前後に余裕がない動画は、場面の切り替えが急になったり、話し終わる前に映像が切れたりします。
撮影時には、次の点も見ておきます。
- スマートフォンを縦向きにする
- レンズの汚れを拭く
- 手ぶれが大きくならないように持つ
- 同じ場面を近くと遠くから撮る
- 商品名や文字を手で隠さない
- 店内のBGMや周囲の会話が大きく入っていないか聞く
店内紹介なら、入口から奥まで一度に撮るだけでなく、入口、客席、商品、スタッフなどを分けて撮ります。短い場面を組み合わせられるため、単調になりにくくなります。
テロップ原稿は完成していなくても依頼できる
話している内容をすべて文字に書き起こしてから依頼しなければならない、というわけではありません。
音声を聞いて字幕を付けてもらう場合は、固有名詞や聞き取りにくい言葉だけを別に伝えます。
たとえば、次のような情報です。
- 人名
- 店名
- 商品名
- 地名
- 専門用語
- 独自のサービス名
- 数字や単位
話した内容を短く言い換えてよいのか、一言ずつそのまま字幕にするのかによっても仕上がりは変わります。
すべての言葉を字幕に入れたい場合は「話した内容を省略せず字幕にする」、要点だけでよい場合は「長い部分は短くまとめる」と伝えます。
BGMを決めていない場合の伝え方
使いたい曲が決まっていなくても、動画の雰囲気は伝えられます。
- 明るく軽い雰囲気
- 落ち着いた雰囲気
- 高級感を出したい
- 元気でテンポを速くしたい
- 話し声を邪魔しない音にしたい
特定の曲を希望するときは、その曲を使用できる場所や条件も確認が必要です。
完成動画へ音を入れて納品してもらうのか、Instagramへ投稿するときにアプリ上で音源を付けるのかも決めておきます。投稿時に音を付ける場合は、音の位置に合わせた細かな編集が難しくなるため、先に編集者へ伝えます。
ファイルは項目ごとに分ける
素材が多い場合は、すべてを一つの場所へ入れず、種類ごとに分けます。
フォルダの例は次のとおりです。
- 01_動画素材
- 02_写真
- 03_ロゴ
- 04_テロップ原稿
- 05_参考動画
- 06_使わない素材
ファイルを送った後は、「全部で動画12本、写真5枚です」と数を伝えます。アップロード漏れや、同じファイルを二重に送るミスに気づきやすくなります。
スマートフォンから送ると画質が下がる方法もあるため、編集者が指定する共有方法を使います。送信前に動画を圧縮したり、画面を録画し直したりせず、できるだけ撮影時のファイルを渡します。
依頼前に確認しておく項目
素材を渡す前に、完成後の条件も確認します。
特に決めておきたいのは次の項目です。
- 完成動画の長さ
- 動画の縦横
- 納品されるファイル形式
- テロップを入れる範囲
- BGMや効果音の有無
- サムネイル画像の有無
- 修正を頼める範囲
- 編集前の元データを保管してもらえる期間
- Instagramへの投稿は誰が行うか
「リール動画を作ってほしい」だけでは、編集と投稿のどちらまで含むのかが曖昧です。
完成した動画ファイルを受け取る依頼なのか、Instagramのアカウントへ投稿するところまで頼むのかを分けて伝えます。
修正を減らすために伝えておくこと
完成動画を見てから「思っていたものと違う」とならないよう、避けたい表現も伝えます。
- 派手な効果は使わない
- 文字を点滅させない
- 顔を大きく映さない
- 値段を動画に入れない
- 特定の商品は映さない
- 店内にいる客の顔は使わない
- ブランドの色以外は使わない
好みだけでなく、使ってはいけない素材や、公開してはいけない情報もまとめます。
撮影素材の中に通行人、顧客情報、車のナンバー、パソコン画面などが映っている場合は、使用しないのか、ぼかすのかを指定します。
編集を依頼する前にまとめる内容
依頼時には、次の形で情報をまとめると伝わりやすくなります。
- 動画の目的
- 見てほしい相手
- 完成動画の希望時間
- 投稿予定日
- 使ってほしい素材
- 入れたい文字
- 参考動画
- 希望する雰囲気
- 避けたい表現
- BGMの希望
- サムネイルの有無
- 投稿作業を含むか
- 判断を任せたい部分
決まっていない項目は、空欄にせず「提案してほしい」「素材を見て決めてほしい」と書きます。
編集者が判断してよい部分と、変更してほしくない部分が分かれていれば、細かな指示書がなくても話を進めやすくなります。
まとめ
インスタのリール編集を依頼するときは、撮影素材だけでなく、動画の目的と完成イメージを一緒に渡します。
最低限そろえたいのは、次の3つです。
- 撮影した元動画
- 誰に何を伝えたいか
- 参考にしたいリール動画
台本やテロップ原稿が完成していなくても、どこから提案してほしいかを伝えれば相談できます。
すべてを細かく決めることより、任せたい部分と変更したくない部分を分けることが大切です。素材を整理し、使用してほしい場面と避けたい表現を伝えておけば、完成後の大きな修正を減らせます。

