商品PR動画を作りたいものの、新しく撮影する時間や予算がない。手元にあるのは、商品写真、ロゴ、パンフレット程度。この状態でも、写真を動かし、文字や図形、BGMを組み合わせればPR動画は作れます。
ただし、写真を順番に並べるだけでは、スライドショーのような仕上がりになりがちです。短い動画の中で何を伝えるかを絞り、写真ごとの役割を決める必要があります。
商品写真だけでPR動画を作る方法
静止画からPR動画を作るときは、写真そのものを撮影映像のように見せるのではなく、写真と文字の見せ方で動きを作ります。
よく使われる方法は次のとおりです。
- 商品写真をゆっくり拡大する
- 写真の一部分へ視線を寄せる
- 背景と商品を分けて立体感を出す
- 特徴を短いテロップで表示する
- 図形や線で注目してほしい部分を示す
- 複数の写真をテンポよく切り替える
- BGMや効果音で場面の変化を付ける
- ロゴや商品名を最後に表示する
商品が動いている映像を作るわけではありません。写真の見せる順番と文字の出し方を整え、短い時間で商品の特徴を理解できる形にします。
写真だけの動画に向いている商品
商品写真だけのPR動画は、見た目や特徴を短く伝えたい商品に向いています。
- 食品や飲料
- 化粧品
- アクセサリー
- 衣類やバッグ
- 日用品
- 家電や小型機器
- パッケージ商品
- ハンドメイド作品
- 店舗のメニュー
- アプリやオンラインサービス
正面、斜め、使用場面、細部など、違う角度の写真が複数あるほど、動画に変化を付けやすくなります。
一方、使い方が複雑な商品や、動きそのものが魅力の商品は、写真だけでは説明しにくいことがあります。
| 商品の特徴 | 写真だけの動画との相性 |
|---|---|
| 見た目やデザインが魅力 | 相性がよい |
| 特徴を短い言葉で説明できる | 相性がよい |
| 使用前後を写真で見せられる | 作りやすい |
| 操作手順が多い | 実演映像があるほうがよい |
| 音や動きが商品の魅力 | 写真だけでは伝えにくい |
| サイズ感が分かりにくい | 使用場面の写真が必要 |
写真だけで足りるかは、商品の種類ではなく、動画で何を伝えたいかによって決まります。
最低限用意したい素材
写真が1枚しかなくても動画にはできますが、使える写真が多いほど、同じ画面が続く時間を減らせます。
外注前には、次の素材を探します。
商品写真
同じ写真を何度も使わずに済むよう、できれば複数用意します。
- 商品全体が分かる写真
- 正面から撮った写真
- 斜めから撮った写真
- 細部が分かる写真
- パッケージ写真
- 使用している場面
- 大きさが分かる比較写真
- 色違いや種類違いの写真
写真の背景や明るさがそろっていなくても、最初から除外する必要はありません。使えるかどうかは制作前に判断してもらいます。
ロゴデータ
動画の最後に会社名やブランド名を出す場合は、ロゴの画像を用意します。
背景が透明なPNGデータがあれば扱いやすくなります。画像が小さい場合や、紙の資料から撮影しただけの場合は、拡大すると輪郭がぼやけることがあります。
商品説明
動画制作者が商品写真を見ただけで、商品の強みを判断できるとは限りません。
次の情報を短くまとめます。
- 商品名
- 主な特徴
- 他の商品との違い
- 想定している購入者
- 使用する場面
- 動画を見た人に伝えたいこと
- 必ず入れる言葉
- 表示してはいけない表現
既存の商品ページ、パンフレット、営業資料がある場合は、そのまま共有できます。
動画で伝える内容は一つに絞る
短いPR動画に多くの情報を入れると、一つひとつの表示時間が短くなり、内容を読み取れなくなります。
最初に、動画の役割を一つ決めます。
- 新商品の存在を知ってもらう
- 一番の特徴を伝える
- 使用場面を想像してもらう
- キャンペーンを告知する
- 商品ページへ移動してもらう
- 店頭や展示会で興味を持ってもらう
たとえば、「軽い」「丈夫」「収納しやすい」「色が豊富」という特徴をすべて同じ強さで出すより、「持ち運びやすさ」を中心にしたほうが話の流れを作りやすくなります。
入れきれない情報は、商品ページや説明資料で補います。
商品写真の枚数より内容の違いを見る
写真が10枚あっても、すべて同じ角度で撮った写真なら、動画内で使い分けにくくなります。
大切なのは枚数ではなく、それぞれの写真が違う情報を持っているかです。
たとえば、次の5枚があれば短い商品PR動画を組み立てやすくなります。
- 商品全体
- 特徴が分かる部分
- 使用している場面
- 大きさが分かる場面
- パッケージまたはロゴ
似た写真が多い場合は、すべて送ったうえで、使用する写真の選定を任せる方法もあります。
ただし、公開してはいけない写真、古い商品写真、試作品の写真が混ざっている場合は、先に分けておきます。
写真だけでは伝えにくい内容
写真素材だけで動画を作れても、すべての商品説明を置き換えられるわけではありません。
次の内容を伝えるには、追加の映像が必要になることがあります。
- 商品を動かしたときの様子
- 操作手順
- 実際の音
- 素材の柔らかさ
- 光による色の変化
- 使用前後の細かな変化
- 人が使ったときのサイズ感
- 開封から設置までの流れ
必要な場面だけスマートフォンで撮影し、商品写真と組み合わせる方法もあります。
撮影する場合は、長い動画を完成させる必要はありません。手元、操作部分、使用中の様子など、写真では説明できない部分だけを短く撮ります。
掲載場所を先に決める
同じ商品PR動画でも、掲載する場所によって画面の形や文字の大きさが変わります。
外注時には、動画をどこで使うか伝えます。
- Webサイトの商品ページ
- ランディングページ
- SNSへの投稿
- SNS広告
- 展示会のモニター
- 店頭のデジタルサイネージ
- 営業資料や商談
- メールやメッセージでの商品案内
複数の場所で使う場合は、最初からすべて伝えます。
横長動画を作った後で縦長へ変更すると、写真や文字の配置を組み直さなければならないことがあります。使用場所が決まっていない場合は、候補だけでも共有します。
参考動画は「どこが近いか」も伝える
完成イメージを文章だけで説明するのは難しいため、近い雰囲気の動画を用意します。
ただし、URLだけを送るのではなく、参考にしたい部分を添えます。
- 写真の切り替わる速さ
- 文字の大きさ
- 色づかい
- BGMの雰囲気
- 商品名を出すタイミング
- 落ち着いた見せ方
- 明るく元気な見せ方
- 高級感のある見せ方
「この動画と同じにする」のではなく、「文字の出し方だけ近づけたい」と伝えるほうが、完成イメージのずれを減らせます。
権利を確認してから素材を渡す
自社で撮影した写真でも、写っている内容によっては確認が必要です。
- 人物の顔
- 他社の商品
- キャラクター
- 店内に掲示された作品
- 写真素材サイトから取得した画像
- 使用期限が決まっている写真
- 撮影者から利用範囲を指定されている写真
広告への使用が認められていない素材を、商品PR動画へ流用できないこともあります。
素材を渡す前に、動画や広告で使える写真かを見直します。人物写真を使う場合は、本人から公開範囲の了承を得ておきます。
初稿で見るべきポイント
初稿では、細かい効果音や文字位置より先に、商品が正しく伝わるかを見ます。
- 最初に何の商品か分かるか
- 一番伝えたい特徴が目立っているか
- 写真と説明文が合っているか
- 商品名や数字に間違いがないか
- 文字を読む時間があるか
- 同じ写真が長く続いていないか
- 最後に何をしてほしいか分かるか
- 商品の実物と違う印象になっていないか
修正内容は、「もっと目立たせる」のような感覚だけで伝えず、時間と変更内容をセットにします。
「8秒付近の商品名を大きくする」「最後の写真をパッケージ写真へ変更する」と書けば、直す場所が明確になります。
商品写真だけでPR動画制作を依頼するときの準備
見積もりを依頼する前に、次の内容をまとめます。
- 商品名
- 動画を作る目的
- 想定している視聴者
- 使用する場所
- 希望する動画の長さ
- 画面の向き
- 商品写真の枚数
- ロゴの有無
- 商品ページや資料
- 必ず入れたい言葉
- 表示を避けたい内容
- 参考動画
- 公開予定日
- 素材の使用許可
すべて決まっていなくても、未定の項目が分かれば相談を進められます。
特に、構成や文章も考えてほしい場合は、単に「動画編集を依頼したい」と伝えるのではなく、「写真から内容を組み立ててほしい」と書きます。素材を並べる作業と、伝える順番から考える作業では、依頼内容が異なるためです。
まとめ
商品写真だけでも、文字、図形、BGM、写真の拡大や切り替えを組み合わせれば、PR動画を作れます。
外注前には、商品写真だけでなく、商品説明、ロゴ、利用目的、掲載場所、参考動画をまとめます。
写真では説明できない動きや操作がある場合は、その部分だけ短い映像を追加します。手元にある素材と、足りない素材を分けておくと、撮影を最小限に抑えながら動画制作を進めやすくなります。

