楽天市場への出店申込を済ませても、すぐに商品を販売できるわけではありません。
契約開始後は、RMSで店舗情報、配送方法、返品条件、商品、カテゴリー、店舗ページなどを設定し、オープン審査を通過する必要があります。
作業量が多いため、社内に楽天市場の経験者がいない場合は、どこから手をつければよいか分からないまま開店予定日だけが近づくことがあります。
開店準備を外部へ任せるときは、「楽天ショップを作ってほしい」だけで依頼せず、自社で決めることと、代行してもらう作業を分けておくことが大切です。
楽天市場の開店準備はページ制作だけではない
楽天市場の開店準備には、店舗の見た目を作る作業だけでなく、注文を受けて発送するための設定も含まれます。
楽天市場の公式案内では、RMSを使って店舗を作り、決済と配送の準備を整えた後、オープン審査を申請する流れになっています。
主な作業は次のとおりです。
| 分類 | 主な作業 |
|---|---|
| 店舗情報 | 店舗名、会社概要、問い合わせ先、営業時間 |
| 販売条件 | 支払い、送料、配送日、返品、キャンセル |
| 商品 | 商品名、価格、在庫、説明文、画像、選択肢 |
| 店舗構成 | カテゴリー、メニュー、トップページ |
| デザイン | 看板画像、バナー、ヘッダー、フッター |
| 商品ページ | 商品画像、説明画像、購入時の注意事項 |
| 審査 | 必要項目の確認、修正、オープン審査申請 |
| 開店後 | 注文確認、発送、在庫更新、問い合わせ対応 |
トップページだけ完成しても、送料や返品条件が未設定なら開店準備は終わりません。
反対に、必要な設定を済ませても、商品が探しにくく、説明が不足したページでは、開店後に修正作業が集中します。
自社で決めることと代行できる作業を分ける
開店準備の作業は外注できますが、販売方針そのものを制作担当者へ丸投げすることはできません。
自社で決める内容と、外部へ任せやすい作業を分けます。
自社で決める内容
- 何を販売するか
- 誰に販売するか
- 商品価格
- 在庫数
- 発送までの日数
- 使用する配送方法
- 送料をどこまで負担するか
- 返品や交換の条件
- 問い合わせへの対応方針
- 開店希望日
- 開店後の担当者
これらは店舗運営の基準になります。
制作担当者から案を出してもらうことはできますが、最終的な判断は店舗側で行います。
外部へ任せやすい作業
- RMSへの情報入力
- カテゴリー設定
- 商品登録
- 商品画像の加工
- トップページの作成
- ヘッダーやフッターの設定
- 商品ページの作成
- バナーの作成
- 審査前の設定確認
- 指摘された部分の修正
「丸ごと代行」という名称でも、すべての文章や画像が自動的に用意されるとは限りません。
店舗側が商品情報を渡し、制作担当者が楽天市場で使える形に整えるという分担が一般的です。
最初に商品台帳を作る
商品情報がまとまっていない状態で制作を始めると、登録作業が何度も止まります。
最初に販売予定の商品を一覧にします。
商品台帳には、少なくとも次の項目を入れます。
- 商品管理番号
- 商品名
- 販売価格
- 消費税の扱い
- 在庫数
- カラーやサイズ
- 商品の特徴
- 素材
- 寸法
- 使用方法
- 注意事項
- 発送までの日数
- 配送方法
- 商品画像のファイル名
食品、化粧品、健康用品などは、商品ごとに必要な表示が異なります。
販売する商品に必要な情報を確認し、制作担当者が判断できない内容は店舗側で用意します。
商品画像と商品情報を対応させる
商品画像をまとめて送るだけでは、どの商品に使う写真なのか分からなくなることがあります。
ファイル名を商品管理番号とそろえると、登録ミスを減らせます。
例は次のとおりです。
- A001_main.jpg
- A001_detail01.jpg
- A001_size.jpg
- A001_package.jpg
メイン画像、詳細画像、サイズ説明、使用場面など、画像の役割も分けておきます。
送料と発送方法を先に決める
送料設定は、商品登録後に考えるのではなく、開店準備の早い段階で決めます。
梱包後の大きさと重さが分からなければ、正確な送料を出せません。
商品ごとに次の内容を整理します。
- 梱包後の縦、横、高さ
- 梱包後の重さ
- 使用する箱や封筒
- 常温、冷蔵、冷凍
- 他の商品と同梱できるか
- 追跡番号が必要か
- 日時指定に対応するか
- 送料無料にする条件
全国一律にするのか、地域別にするのかも決めます。
送料を低く見せるために店舗側の負担を大きくすると、注文数が増えても利益が残らないことがあります。
運送会社へ支払う料金だけでなく、箱、緩衝材、テープなどの費用も含めて計算します。
返品とキャンセルの条件を文章にする
返品条件は、他店の文章をそのままコピーせず、自社の販売方法に合わせます。
最低限、次の内容を決めます。
- 購入者都合の返品を受け付けるか
- 不良品の連絡期限
- 返品時の送料負担
- 交換できない商品の条件
- 開封後の扱い
- オーダー商品の扱い
- 食品や衛生商品の扱い
- 発送前のキャンセル
- 発送後のキャンセル
「原則返品不可」だけでは、不良品や誤配送が起きた場合の対応が分かりません。
購入者都合と店舗側の不備を分けて書きます。
店舗カテゴリーは購入者の探し方で分ける
商品カテゴリーは、社内の商品分類ではなく、購入者が探す言葉で作ります。
たとえば、家具を販売する場合、社内の管理番号や仕入先だけで分けても購入者には伝わりません。
次のような分類が考えられます。
- テーブル
- 椅子
- 収納
- 寝具
- 一人暮らし向け
- 店舗用
- サイズから選ぶ
- 価格帯から選ぶ
カテゴリーを細かくしすぎると、一つの商品しか入っていないページが増えます。
開店時は主要なカテゴリーに絞り、商品数が増えてから分け直します。
トップページに載せる内容を決める
楽天市場のトップページには、店の説明を長く載せるより、商品へ移動する入口を作ります。
基本的な構成は次のとおりです。
- 店舗の看板やメイン画像
- 主要カテゴリー
- 一番見せたい商品
- 定番商品
- 新商品
- 開催中の企画
- 配送や営業日の案内
- 店舗情報
すべての商品をトップページへ並べる必要はありません。
トップページでは商品を探す入口を作り、詳しい情報は商品ページやカテゴリーへ分けます。
看板画像だけで店の内容が分かるようにする
店舗名だけを大きく表示しても、初めて訪れた人には取扱商品が伝わりません。
看板画像には、次のうち必要な内容を入れます。
- 店舗名
- 主な取扱商品
- 商品の特徴
- 対象となる購入者
- 現在の企画
長い文章を画像に入れると、スマートフォンで読めなくなります。
一番伝えたい内容を短くまとめます。
商品ページは画像だけで作らない
商品ページでは、画像の見栄えだけでなく、購入前の疑問を減らします。
商品説明に入れたい内容は次のとおりです。
- 商品の用途
- 他商品との違い
- サイズ
- 素材
- 使用方法
- 保管方法
- セット内容
- 注意事項
- 発送までの日数
- 返品や交換の条件
商品画像には、正面写真だけでなく、サイズ、使用場面、細部、包装状態なども用意します。
文章と画像で同じ説明を繰り返すのではなく、それぞれの役割を分けます。
文章では条件や注意事項を正確に伝え、画像では大きさや使い方を見せます。
PCとスマートフォンの両方で見る
パソコン画面で整っていても、スマートフォンでは文字が小さくなったり、画像が長くなったりします。
公開前には次の点を見ます。
- 看板画像の文字が読めるか
- 商品名が途中で切れていないか
- カテゴリーを探せるか
- 商品画像の順番が自然か
- 購入ボタンまで遠すぎないか
- 送料や発送日を見つけられるか
- 問い合わせ先が分かるか
実際の購入者と同じ画面から、商品検索、商品ページ、カートまで進みます。
制作中の確認画面だけで終わらせないことが大切です。
オープン審査前に見る項目
楽天市場では、最初の出店審査とは別に、販売開始前のオープン審査があります。店舗ページが完成した後、希望するオープン日の5営業日前までにRMSから申請するよう案内されています。
審査申請前には、次の項目を見直します。
- 店舗情報に誤りがないか
- 問い合わせ先がつながるか
- 送料が正しく表示されるか
- 発送日が無理のない設定か
- 返品条件が書かれているか
- 商品価格と在庫が正しいか
- 商品画像と説明が一致しているか
- リンク切れがないか
- テスト注文の流れに問題がないか
- 表示してはいけない表現が残っていないか
審査で修正を求められることも考え、希望日の直前ではなく、余裕を持って準備します。
開店日から逆算して素材をそろえる
制作期間だけを見て開店日を決めると、商品情報や確認作業が間に合わないことがあります。
開店までの予定には、次の期間を入れます。
- 店舗側が素材を用意する期間
- 制作担当者が登録や制作を行う期間
- 店舗側が内容を確認する期間
- 修正する期間
- オープン審査の期間
- 審査後に最終確認する期間
商品点数が多いほど、商品情報の確認に時間がかかります。
制作担当者の作業日数だけでなく、自社が返答や確認に使う日数も含めて予定を作ります。
見積もり前に作業範囲を一覧にする
「楽天ショップ一式」という表現だけでは、どの作業が含まれているのか分かりません。
見積もりでは、次の項目を分けて確認します。
| 作業 | 確認する内容 |
|---|---|
| RMS初期設定 | 店舗情報、配送、返品など、どこまで設定するか |
| 商品登録 | 件数、選択肢、カテゴリー、在庫 |
| 商品画像 | 加工枚数、サイズ、元画像の条件 |
| トップページ | PC、スマートフォン、掲載内容 |
| バナー | 枚数、用途、差し替え対応 |
| 商品ページ | 対象商品数、画像枚数、文章 |
| 審査対応 | 申請、指摘箇所の修正 |
| 開店後 | 操作説明、更新、追加修正 |
商品説明文を店舗側が用意するのか、制作側で整えるのかも決めます。
「商品登録込み」であっても、画像加工や文章作成は別作業になっていることがあります。
RMSの権限は必要な範囲だけ渡す
外部の制作担当者がRMSで作業する場合は、店舗側で作業用のアカウントや権限を用意します。
店舗責任者のIDや個人のアカウントをそのまま共有するのではなく、必要な範囲だけ操作できる状態にします。
依頼前に次の点を決めます。
- 誰がアカウントを作るか
- どの権限を渡すか
- 作業終了後に権限を削除するか
- パスワードをどの方法で共有するか
- 作業履歴をどこに残すか
- 店舗データをどこまで渡すか
納品後は、不要になった権限を残したままにしないようにします。
納品後に自社で行う作業を決める
店舗を作ってもらっても、開店後の運営は続きます。
少なくとも、次の作業を誰が行うか決めます。
- 注文確認
- 発送連絡
- 在庫変更
- 商品追加
- 価格変更
- お知らせ更新
- バナー差し替え
- クーポン設定
- 問い合わせ対応
- 返品対応
商品追加や在庫変更を自社で行う場合は、納品時にその操作を中心に説明してもらいます。
管理画面の全機能を一度に覚える必要はありません。日常的に使う場所から覚えます。
楽天市場の開店準備をまとめて依頼するときの伝え方
依頼時には、現在どこまで進んでいるか、何を任せたいか、いつ開店したいかを伝えます。
次の情報をまとめます。
- 出店申込や契約の状況
- RMSを利用できる状態か
- 販売予定の商品数
- 商品情報の準備状況
- 商品画像の準備状況
- 店舗ロゴの有無
- 希望する店舗の雰囲気
- 参考にしたい店舗
- 配送方法
- 送料
- 返品条件
- 開店希望日
- 開店後に自社で更新する場所
依頼文は、次のようにまとめられます。
「楽天市場の出店契約が済み、RMSへログインできる状態です。食品を20商品ほど販売する予定で、商品名、価格、説明文、商品写真は用意しています。送料と返品条件は社内で決定済みです。RMS初期設定、商品登録、カテゴリー設定、トップページ、商品ページ、オープン審査前の確認を依頼したいです。開店後の商品追加と在庫変更は自社で行うため、納品時に操作する場所も知りたいです。」
希望するデザインを伝えるときは、「高級感」「おしゃれ」といった言葉だけで終わらせず、具体的に書きます。
- 白を中心に商品写真を目立たせたい
- 赤を使うが、安売り店のようにはしたくない
- 贈答用の商品を最初に見せたい
- 商品カテゴリーを探しやすくしたい
- 文字を大きめにしたい
- スマートフォンの商品一覧をすっきり見せたい
参考店舗を送る場合は、配色、商品棚、画像の大きさなど、どの部分を参考にしたいのかも伝えます。
完成後は見た目だけでなく、次の順番で動作を見ます。
- トップページを開く
- カテゴリーから商品を探す
- 商品説明と送料を見る
- 商品をカートへ入れる
- 配送先を入力する
- 注文確認画面を見る
- 注文後の連絡内容を確認する
購入者が途中で迷う場所があれば、開店前にメニュー、文章、画像の順番を直します。
まとめ
楽天市場の開店準備には、RMSへの情報入力だけでなく、商品登録、配送設定、店舗ページ、商品ページ、オープン審査まで含まれます。
外部へまとめて依頼する場合でも、商品価格、送料、返品条件、発送日など、店舗運営の基準は自社で決めます。
依頼前には、商品台帳、画像、店舗情報、配送条件、希望する構成をそろえ、どこまで任せるのかを一覧にしてください。
開店後に自社で商品追加や在庫変更を行う場合は、更新する場所と操作方法も納品内容に含めます。
ページを完成させることだけでなく、注文を受けて発送できる状態まで確認しておくことで、開店後の作業を止めずに運営を始められます。

